製粉会社 副産物「ふすま」の効果
はじめに
四季報を写経していて、製粉会社の数社に副産物「ふすま」の価格上昇による利益拡大という記事があったので副産物について少し調べてみました。
副産物の活用は、さまざまな産業において利益率向上のカギを握る要素となっています。製造プロセスで必然的に発生する副産物を有効に活用することで、新たな収益源を確保し、資源の無駄を減らすことができます。ここでは、製粉業界とその他の産業における副産物の活用事例を紹介します。
製粉会社における副産物の活用
製粉業界の代表的な副産物である「ふすま」(小麦の外皮)は、その利益性の高さが特徴です。通常、小麦を製粉する過程で20%ほどのふすまが生じますが、これは小麦粉に比べて低コストで販売できる飼料や健康食品の素材として重宝されています。副産物としてのふすまは、追加コストがほとんど発生しないため、高い利益率を誇ります。これにより、製粉会社は主製品である小麦粉の製造だけでなく、副産物の販売によっても利益を拡大することが可能です。
ふすまは、家畜の飼料や肥料として使用されるほか、近年では食物繊維が豊富な健康食品としても注目されています。特に健康志向の高まりにより、ふすまを使用したパンやシリアルが人気を集めており、その市場価値は今後さらに上昇することが予想されます。
余談ですが、中性脂肪の高い自分は主治医からパンやごはんは、白くないもの…つまり玄米、全粒粉パン、ふすま入りパンを食べるように指導されています。
さらに、製粉会社は副産物の有効利用を通じて廃棄物を減らし、環境負荷の軽減にも貢献しています。これにより、ESG(環境・社会・ガバナンス)投資の観点からも、サステナブルな企業としての評価を高めることができるのです。
製粉業界以外の副産物活用事例
副産物の活用は製粉業界に限らず、他の多くの産業でも重要な戦略となっています。例えば、食品業界では、食肉加工の過程で発生する骨や内臓が副産物としてペットフードや肥料に利用されます。これらは、食肉加工時の廃棄物を減らし、付加価値のある商品として再利用されるため、企業にとっても利益率の向上に寄与します。
農業でも副産物の活用が進んでいます。果物や野菜のジュース製造過程で発生する絞りかすは、飼料や堆肥、さらにはバイオ燃料の原料として利用されることが一般的です。これにより、資源の無駄を最小限に抑え、持続可能な農業の実現に貢献しています。
また、製紙業界では、パルプを製造する際に生じるリグニンという副産物が化学製品の原料やエネルギー源として利用されています。これにより、製紙会社は単なる紙の製造にとどまらず、リグニンの販売からも新たな収益を得ています。副産物の活用は、産業全体の効率化や環境保護にも寄与しており、企業の競争力を高める手段として広く取り入れられています。
副産物活用のメリット
副産物を活用することのメリットは、単なる利益率の向上にとどまりません。まず、廃棄物を削減することで、企業は環境負荷を軽減し、社会的な責任を果たすことができます。これにより、サステナビリティへの取り組みが評価され、企業のブランド価値も向上します。
また、副産物の市場価値を高めることで、新たな顧客層の開拓や商品ラインナップの拡充が可能となります。これにより、従来のビジネスモデルに依存せず、持続可能な成長を実現することができるのです。
まとめ
副産物の活用は、製粉業界だけでなく、多くの産業で利益を生み出す重要な戦略です。コストを抑えつつ新たな収益源を確保し、環境への配慮も同時に行えるこのアプローチは、今後ますます注目されるでしょう。企業が持続可能な成長を遂げるためには、副産物の有効活用が欠かせない要素となってきています。