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Be ILLOGICAL !!! ― 非ロジカルなアクティブファンドこそ感性を刺激し、視野を広げてくれるのさ

先日のnoteでも取り上げた #イケウチな人たち  のこの記事です。

大室さんのこの言葉。

日本が走った方向は、効率化。資本主義というシステムの徹底化です。
企業も学校も、我々の生活も、すべてのものが効率的でなければいけないという発想が、どんどん浸透していったんです。
もっとも簡単に何かをつくれるとか、お金を稼げるとか。たとえば、大学受験にしても、いかに最短で受かるかとか。就職活動だってそうでしょう、いかに多くの企業から最小のエネルギーで内定をもらえるか……というふうに、あらゆることが効率的であることが正しい風潮になっていった。
また、効率化が進んだ結果として、あらゆることが同質化していきました。

この効率的=ロジカルという文脈でいくと、 #投資信託  の分野においては、 #インデックスファンド  がまさにそれに該当すると私は感じました。相当に広範な会社を対象に株価指数をつくりあげ、それに連動するよう運用されるインデックスファンド。何を持つか、すなわち、どの会社に投資するか、それぞれの会社をどのような構成比で保有するか、そのほとんどを市場システムに委ねています。結果として、インデックスファンド同士では、連動を目指す対象となるインデックスが同じであれば、正しい、ファンドが目指すべきポートフォリオはたった一つになります。そういう面で同質化という側面も持っているように思います。

こうした効率重視の流れはまだまだ続くのだと思います。ただ、株式市場の持つ、社会全体の資本をどのように割り当てている役割を考えると、これでいいのか、つまり、同質化を進めていくことを後押ししやしないか、と感じます。

効率化、ロジカルであることを良しとする人が増えれば増えるほど、言い換えるとインデックスファンドを選好する人が増えれば増えるほど、自らの意思でどんな会社に投資するか(投資しないのか)、どんな配分で保有するのかを決めるアクティブ投資家の存在、役割が重要になってくると私は思います。アクティブ投資家こそが多様化がもたらすべき存在である、と。

その意味で、アクティブ投資家の代表格であるアクティブファンドには、もっともっと非ロジカルであって欲しい、と思うのです。非ロジカルであればあるほど、その行動が気になります。どんな会社を高く評価するのか、それはどんな視点からなのか、そんな話をもっとたくさん聞くことができれば、私たちはもっとしっかりと気づくことができるんじゃないでしょうか、多様な会社が真摯に活動していることを、株式投資で得られるリターンの源泉が個々の会社のつくりだす新たな価値にあることを。

アクティブファンドを運用されている皆さんの調査はもちろん、その判断も私は非ロジカルなものだと思っています。むしろだからこそ感じるんですよね、「投資しているぞ」ってね。

何百、何千という会社の株式を持っていると、個々の会社の営みや生み出している価値への関心は薄れてしまい(効率重視の場合、そもそもそんな関心は最初から全くゼロかもね)、結果、「価格」のみで理解しようとしてしまうのかもしれないな、って。あ、私個人の偏見です。ごめんなさい。

冒頭にご紹介したnote には平野さんのノートも取り上げました。

このノートを拝読して、直ぐにこう思ったんですよね。

無印良品ってインデックスファンドみたいやな―、って。

無印良品の良いところは、これを買う理由がきちんと説明できるところだ。生活になじむ、値段が高すぎない(= 質に見合っている)、そこそこおしゃれ。つまり、東京で一人暮らしをする自分のような人間にとってちょうどよかった。

インデックスファンドがおしゃれかというと、真逆だと思ったりもするのですが、無難な選択でしょう。

失敗をしたくない、ミスな選択をしたくない、ムダなことをしたくないと思っていた自分にとって、無印良品は「これを選べばいい」と提案してくれる素晴らしいブランドだった。

この辺はまさにピッタリその通り、無印良品=インデックスファンドじゃないか、って感じました。

結果、平野さんはこんな感覚になったそうです。

すぐ役立つようなことばかりしていて、好奇心が痩せ細っていく感覚。

自分の意思で選ぶことから余りに遠ざけてしまうと、こういうことにもなるかもしれません。資産運用と日々の暮らしにしっかり線を引いて、日々の暮らしで「自分で選ぶ」ことが沢山あれば大丈夫なのでしょうけれど。

資産運用で好奇心を刺激する必要なんてないのかもしれないです。でも、資産運用として株式を保有しているのであれば、投資信託を介していても、その先には会社があるんですよね。その会社のつくりだしている価値がリターンの源泉です。そうしたことに想いを馳せてみるのは、何かの発見、新しい出会いのきっかけになる可能性はあると私は思います。平野さんが指摘されていように、ここで「それに意味あるの?」って考えたりしたら、無理なのでしょうけれど。この問い「それに意味あるの?」こそが、効率やロジックそのものなんですよね。

私は #アクティブファンド  にお金を託すようになって「非ロジカル」な世界や事象との接点が増えたように感じます。そうした出逢いから気づくことが日々の暮らしにアクセントやヒントになっています。これらのものは、アクティブファンドと付き合わずとも得られるものかもしれません。でも、アクティブファンドから得られるものは時にとてもユニークだったりします。

なわけで、非ロジカルなアクティブファンドが増えて欲しいし、アクティブファンドの皆さんも自らが如何に非ロジカルであるかをアピールして欲しいな、と思います。

最後に。誤解されては困るのでひとこと。
インデックスファンドを選ぶことそのものは効率(なるべく早く1円でも多く難少なくふやしたい)という面で有効だと思います、無印良品がそうであるように。ただ、これ一辺倒だとね、感性の根っこが腐ったりするかもしれませんよー、ってことで。。。大きなお世話ですね、失礼しました。

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