ファンドマネージャーが自己資金でファンドを買っているか、保有し続けているか、を示すファンドはめちゃくちゃ少ないのでは?もっとふえてほしくありませんか?当たり前になってほしい
月次レポート研究所 ひさしぶりの更新です。
僕が運営しているnote メンバーシップ ”「会社がスキな投資家」の企業価値増大を楽しむ投資” このメンバーシップではメンバー限定の掲示板があります。その掲示板でのコミュニケーションからのお話です。
ファンドマネージャーは投資家?
掲示板のお題は「職業、投資家」でした。掲示板に書き込んだ時、僕の認識、前提は「ファンドマネージャー=投資家」というものでした。
投資、資産運用という仕事で報酬を得る職業がファンドマネージャーです。ですから、投資という行為を行なっているからファンドマネージャー=投資家という認識です。
この僕の認識について、メンバーのお一人から「ファンドマネージャーって投資家なの?」という疑問をいただきました。
ファンドマネージャーが自分が担当しているファンドに自分のお金、資産も投じていれば「ファンドマネージャー=投資家」は成り立つ。しかし、担当しているファンドに自分のお金、資産を1円たりとも投じていないなら「ファンドマネージャー=投資家」は成り立たないのではないか、というご指摘と受け取りました。
確かにそうなのかもしれませんね。自分の資金を1円も入れずその運用だけに携わっているだけでは、そのファンドマネージャーはそのファンドの投資家の一人と捉えづらいように思います。もちろん、そのファンドマネージャーの時間、スキル、経験といった資本はそのファンドに注ぎ込まれているわけですが。
ここで思い出されたのが、農林中金バリューインベストメンツさんが設定の2つのファンドの月次レポートです。
ファンドマネージャーである奥野さんご自身が、ファンドをどんな風に買付けて、保有しているかを示されています。
2つ目のファンド『おおぶねJAPAN』は保有口数のグラフの傾きに変化が見られて、買付額を変更されたことなどが見て取れます。
ファンドからこうしたデータが示されていると「ファンドマネージャー=投資家」、同じ船に乗っているという実感を持つことができるのではないでしょうか。
他方、他のファンド、投資信託を見渡してみると、運用責任者、ファンドマネージャーが自分の担当ファンドにどれだけ投資しているのか開示しているケースはほとんど見られません。
農林中金バリューインベストメンツさんは同様の開示を2020年5月からずっと継続されています。しかし、後に続こうとするファンドがなかなか出てこないように思います。
十分に調査できているわけではないので、もし同種の情報を定期的に開示しているファンドをご存知でしたら以下のフォームからお知らせください。確認できれば、この記事に追記するようにします。
ファンドマネージャーのそのファンドに自らの資産を投入しているか、を月次レポート等で定期的に開示するファンドが増えてくる流れを期待しています。
役員の株式保有状況
この話と似ているな、と感じているのが、企業の役員の株式保有状況です。上場会社なら有価証券報告書で確認することができます。
EDINETで「役員の状況」を確認すると、役員の皆さんの経歴等が出てきます。一番右端に”所有株式数”が記載されています。社外役員の人たちが株式を保有されているかはちょっと気になります。もちろん、その時間とスキル、経験を会社経営に注ぎ込まれているとは思うのですが、株式をほんの少しでも所有されているか否かは気になります。
役員を長く務められている人であれば、その所有株式数の推移が分かると参考になりそうですね。
まとめ
ファンドマネージャーが自己資金でファンドを買っているか、保有し続けているか、を示すファンドはめちゃくちゃ少ないのでは?
ファンドマネージャーが自己資金でファンドを買っていると「同じ船」に乗っている感覚を抱ける
この種の開示を定期的に実践するファンドがふえてほしい(当たり前になってほしい)。そんなファンドを見つけたら教えてください https://forms.gle/UVMowH4aZ8XmR3jv5
以上 月次レポート研究所からでした。
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