キャピタルアロケーション ー どんな会社、どんな業種のオーナーなのか? #5
このマガジン は株価指数に連動するETFのポートフォリオを定点観測することで、その種のポートフォリオを保有することは、どんな会社、どんな業種の「オーナー」になることなのか、を眺めてみる試みです。
1. TOPIX
このETFのデータを基にして作成した表です。
黄色で塗った会社が30社のうち、2社あります。
実は、このデータは2018年11月末、2019年11月末、2020年11月末も持っていました。黄色で塗った会社2社は、その3つの時点ではトップ30にいなかった会社です。その一方、2021年11月末含めて4つの時点全てでトップ30に入っていたのは21社です。
2021年10月末との比較では、トップ30に1社入れ替わりがありました。
業種別はこちらのETFのデータから。
2. 日経株価指数
こちらで黄色に塗った2社もTOPIXと同様、2018年11月末、2019年11月末、2020年11月末にはトップ30に入っていなかった会社です。一方で、2021年11月末含めて、4つの時点でトップ30に居続けているのが30社のうち19社です。
2021年10月末との比較では1社、入れ替わっています。
業種別はこちらのETFのデータ からです。
3. Russell/NOMURA Small Cap Coreインデックス
こちらは2020年11月末のデータのみですが、両方でトップ30に入っているのは黄色で塗った5社です。
2021年10月末との比較では12社が入れ替わっています。
業種別です。
4. JPX 日経中小型株指数
黄色で塗った18社が2020年11月末、2021年11月ともにトップ30入りしている会社です。1年で3割が入れ替わっています。
2021年10月末との比較では6社が入れ替わっています。
業種別です。
5. S&P 500
2019年11月末のデータも持っています。
黄色で塗った5社 は 2019年11月末、2020年11月末ともにトップ30に入っていませんでした。2019年11月末、2020年11月末、2021年11月末の3時点ともにトップ30入りしているのは18社です。
2021年10月末との比較で入れ替わっているのは2社です。
業種別は こちらのETF で。
6. MSCI ACWI Index
2020年11月末と比較すると、入れ替わったのが黄色で塗った5社です。
業種別は 日本を除いたポートフォリオになっているこのETFからです。
上位10社、上位20社、上位30社への集中度の推移
上のデータを作成した6つのETFについて、上位10社、上位20社、上位30社のウエイトがどうなっているのか、どんな風に変化してきたのか、を見たのが下表です。
この上位投資先への集中度には特に関心を持っています。
こんな仮説を持っています。
パッシブ運用の割合が高まれば高まるほど、インデックスファンドの上位投資先への集中度が高まる。
パッシブ運用は通常、時価総額の大きな会社から順に「買収」していくことになると考えられます。ですから、パッシブ運用が相対的に増えると、時価総額の大きな会社への集中度が高まっていく。こう考えたのです。
じっくりと観察を続けていきたいと考えています。
次回をお楽しみに。