アクティブシェアは興味深い数値ではありますが、、、 ー ”アクティブファンドでオーナーシップ投資をたのしむ!” から 2021年8月号
昨年2月に運営を始めたnoteサークルです。
サークルについてお伝えしているマガジンです。
今回は、先月メンバーの掲示板で取り上げたデータについて書いてみます。
こちらの資料の中に
「2020年末(5)国内株式型ファンドのアクティブシェアとパフォーマンス・信託報酬一覧」というものがあります。
アクティブシェア
アクティブシェア については、スパークスさんの記事で解説されています。
「あなた独自のアイデア」は青色の部分のみで、この青色の比率を「アクティブ・シェア」と呼びます。
つまりアクティブ・シェアは0~100%の間に収まる指標になります。
比較対象となるポートフォリオとどれだけ異なったものであるか、を示す指標がアクティブシェアです。
金融庁の調査では、アクティブシェアが高い順番にリストが作られています。比較対象にしているポートフォリオはTOPIXです。ですから、東証一部に上場していない会社を主な投資対象にしているファンドが高率となるのは、ごくごく当たり前のことです。
とはいえ、この調査で示されている結果は興味深いものではあります。
でも、忘れてはいけないことがあります。
アクティブ・シェアは高いパフォーマンスの十分条件ではなく、必要条件です。
スパークスさんの記事でもアクティブシェアをどう活用するか述べられていますが、TOPIXのポートフォリオとまるっきり違っているからといって、良い成績が残せるとは限らないということです。成績はまるっきり違ったものになる可能性は高いのですが、TOPIXから大負けすることも十分にあり得ると推測されます。
また、投資先の会社、ファンドの組入資産を忙しなく入れ替えて、とっかえひっかえしていても、比較対象のポートフォリオとその内容が違っていれば、高いアクティブシェアをキープすることも可能です。
で、今回の調査は2020年末時点の数値であり、たった一日のスナップショットだということです。明日になれば、1ヶ月経てば、変わってしまうものです。
このアクティブシェアの確認ですが、非常に面倒な作業だったと推測しています。というのも、ファンドのポートフォリオの全組入資産とそのウエイトが必要になるからです。そのデータは通常、運用報告書(全体版)で確認できるのですが、フォーマットは100%、pdfです。金融庁の調査も、そうした手間を掛けた(税金を使った)と想像されます。
アクティブシェアの確認が出来るように、ファンドの全資産をExcelでダウンロードできるように促す、これが金融庁の取るべき行動だと思います。実際、ETFではそうした開示がなされています。
ポートフォリオの全資産内容がファンド決算ごとに、公募投信でExcelで開示されることになれば、これは非常に大きな前進、画期的なことだと思います。
金融庁に言われることなく、自発的に行動してくれる投信会社が出てきてくれると嬉しいなあ。
サークルメンバーへのプレゼント
サークルのメンバーの皆さんには毎月記事をプレゼントしています。
先月プレゼントした記事はこちらです。
まだ準備が始まったばかりですが、新しいアイデアを煮詰めているところです。そのアイデアについてもサークルではご紹介していこうと考えています。
オーナーになる会社を自分が選ぶ
この視点でアクティブファンドとどうお付き合いするか、どんな点を見ていくのがいいのか、をサークルではメンバーの皆さんと探していきたいと考えています。
「自分が選ぶ」「自分で選ぶ」に貪欲な、アクティブファンドのファンの皆さんのご参加をお待ちしています!