アクティブファンド選びが難しい理由
アクティブファンドを選ぶのは難しいと思います。この記事はなぜ難しいか、について書いてみます。
その前に。
最初に強調しておきたいことがあります。
過去の成績「だけ」でアクティブファンドを選ぶのは、お控えになった方が良いです。
過去の成績「だけ」で選ぶのは控えた方が良いというのが私の考えです。過去の成績がなぜ得られたのか、どうやって実現したか、が、成績以上に大事だと考えているからです。
さて、本題に。
アクティブファンド選びが難しい最大の理由。
それは
選択肢が多過ぎる
モーニングスターで調べてみました、まず、国内株式型のファンド。
インデックスファンドを除外すると、577本のファンドが存在しています。
続いて、国際株式型のファンド。
こちらは更に増えて、985本のファンドです。
これだけの数が存在すれば、選ぶのが困難なのは当然ですね。
選択肢の多さが最も大きな理由だとして、それ以外にも様々な理由が存在していると私は考えています。
その「投資」信託を保有していることで、どんな資産に「投資」することになるのか、がボヤけている、伝わりづらい。”ポートフォリオの特性”はどこ?
その投資信託を買ったら、一体、どれくらいの数の会社に投資することになるのか、また、どの会社に重点的に投資しているのか(上位10社)、業種毎の配分はどうなのか、時価総額別で見たらどんな分布になっているのか、こうした情報は月次レポートで得ることができます。
例えば、こんな具合です。
下記のような種類のデータを提供してくれている投資信託もあります。
ここまでご覧になってお気づきかと思います。
その投資信託を持つことで、どんな投資を行うことになるのか、どんな資産を保有することになるのか、その情報開示、情報提供が各社でバラバラになっています。
アクティブファンドの投資先に、投資信託を運営するチームが調査、分析を通じて判断した結果が現れているはずです。ですから、そのポートフォリオがどういう特徴を持っているか、を説明すべきなのです。
”ポートフォリオの特性”がなかなか見つからない、書かれていない!
他のどのファンドとも「ここが違う!」ということを示しているケースが非常に少ないのが実状です。投資信託を選ぶ投資家側に「気づいてください、見つけてください」と委ねている。これだけの数がある以上、そんなもんね、気づける人、探そうとする人は極々僅かに過ぎません。
ほとんどの月次レポートに見られる大きな欠陥がもう一つあります。
ポートフォリオ、投資先の内容について、「これまで」との比較が月次レポートに見当たらない
投資信託の月次レポートで示されているのは、直近の月末の様子です。いわばスナップショット。これまでの経過が分かる連続写真が見たいんですよね。先月の様子、3ヶ月前の様子、半年前の様子、1年前の様子、3年前の様子、5年前の様子と比較したい、と考えると、過去の月次レポートを一つずつ確認しなければなりません。月次レポートを1ヶ月分しか閲覧できない投資信託もありますので、連続写真を自作することさえできない投資信託も沢山あります。
ポートフォリオ、投資先の連続写真を確かめたい、過去と比較したい、一番の理由は、その投資信託が、時流を追って機動的に投資先をコロコロ変えているのか(コロコロ変えることが悪いというニュアンスではありません。私の好みではないですが笑)、腰を据えてじっくりと保有しているのか、その事実を知りたいからです。その事実を通じて、スタンスを推測したいのです。
例えば、この投資信託では、月次レポートに直近3ヶ月について示してくれています。
この3ヶ月程度の推移でさえも、示していない投資信託が大多数です。
ただ、こうだったいいのにな、こうだったらいいのにな、という妄想はこんな感じです。
月次レポートにおいて、ポートフォリオ、投資先について、過去からの推移が掴めるような連続写真を示してもらえると、その投資信託の理解を深めることにつながると考えます。結果、多少なりとも選び易くなるはずです。
どんな売買をしたのか、は一部説明されるが、どんな調査、分析を行っているのか、がほとんど説明されていない
月次レポートを見ていると、ほとんどの投資信託は、その運営のために、ファンドマネジャーがどんな調査、分析を行っていたのか、つまり、受益者のために何を為したのか、が説明されていません。A社等の株式を買いました、B社等の株式を売りました、確かにそれは受益者のために為した行動でしょう。しかし、そこに至る調査がどういうもので、どんな仮説を立てて判断したのか、がほとんど説明されていません。そこをしっかりと示していると感じている投資信託の一部です。
投資先を選ぶ判断基準、プロセスが示されていること。アクティブファンドにとって非常に大事なことだと考えます。
そんなことどうでも良いからとにかく成績さえ示してくれ、という投資家もいるでしょうから、こうした説明を怠る、手を抜いている投資信託は、そんな投資家を求めているということなのかもしれません。しかし、その種の投資家は成績しか見ていませんから、成績が芳しくなければすぐに解約していくことでしょう。
SNSを眺めていると、「フィーが高いのでアクティブファンドは選びません」という趣旨のコメントが沢山見つかります。
「なるほどこれだけの準備を、プロセスに丁寧に取り組んでいるんだなあ」
そう感心させるだけの説明、発信が出来ていないことも、こうしたコメントが出てくる背景にあるかもしれません(この種のコメントをしている人の多くは、アクティブファンドの月次レポートを見たこともないのに、コメントしていることも多いとは想像しますけれど)。
定期購読マガジン「アクティブファンドを眺めてみた」で目指していること
投資信託の全ての投資先が開示されるのは、ごく僅かな例外を除いて、決算毎に公表される運用報告書(全体版)です(一部のファンド・オブ・ファンズでは、その運用報告書(全体版)でも全ての投資先が判明しないケースもありますが: 例)。
その運用報告書(全体版)を可能な限り繙いて、投資先の推移を確認しています。そこから、どのくらい腰を据えた投資を行っているかを、定期購読マガジン「アクティブファンドを眺めてみた」では推測しています。
投資の内容、その変遷を知ることで、どんなスタンスで投資しているのか、それと、成績や運用方針、哲学とを照らし合わせてみることを「アクティブファンドを眺めてみた」では目指しています。その結果から、眺めてみたファンドの感想や評価をまとめています。
結論:心を込めて、熱意を持って月次レポートをつくる、発信するアクティブファンドが増えれば、アクティブファンドはもっと選び易くなる!
心を込めて月次レポートをつくる、発信するアクティブファンドが増えて欲しい、切に願っています。