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コムジェストさんの月次レポートを読む! #7 (2021年11月末)
コムジェスト・アセットマネジメントさんがファンド運営に携わっている3つの #アクティブファンド の月次レポートを読んでみる
コムジェストさんの月次レポートを読む!
前回はこちら。
3つのファンドとは
ニッセイ/コムジェスト新興国成長株ファンド(資産成長型)【愛称:エマージング・セレクト(成長)】
ESGフォーカス コムジェスト・クオリティグロース・日本株式ファンド
ESGフォーカス コムジェスト・クオリティグロース・世界株式ファンド
3つのファンドの投資先の選別、投資判断を行なっているのが
コムジェスト・アセットマネジメント さんです。
ニッセイ/コムジェスト新興国成長株ファンド(資産成長型)【愛称:エマージング・セレクト(成長)】
2017年10月に設定されたファンドです。
主に新興国の会社に投資しています。
純資産総額、受益権総口数の推移です。
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2021年11月末は10月末比で受益権総口数が増加、ファンドへの資金純流入となりました。3ヶ月連続で資金純流入です。
投資先の概況はこんな推移となっています。
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投資先は10月末から増減なし、36社。資本財・サービスの順位が上がりました。
ファンドでの比率 上位10社です。
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10月末との比較では1社入れ替わっています。年末との比較では4社が入れ替わっています。
韓国のゲームソフトメーカーのNCソフトは、新作ゲームの好調な売れ行きなどが好感され、株 価が上昇しました。 また、中国のオンラインゲーム運営会社のネットイース(網易)についても、新作ゲームの発売や海外事業が拡大基 調であることなどが好感され、株価が上昇しました。 一方で、中国のアリババ・グループ(阿里巴巴集団)は、中国国内の消費動向の悪化や利益率の低下を背景に、 2021年7-9月期業績が市場予想を下回ったことなどが嫌気され、株価が下落しました。 また、南アフリカの生命保険大手のサンラムは、南アフリカなどにおいて新型コロナウイルスの新たな変異型である 「オミクロン型」が出現したとの報道などが嫌気され、株価が下落しました。
上位10社に入っていない2つの投資先が紹介されています。
パフォーマンス。3年リターンの推移。新興国株式のインデックスファンドと比較してみました。
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ここまで0勝14敗となっています。
コムジェストさんから発信の、2021年7月〜9月の四半期報告 からです。
10月からコムジェスト・グローバル・エマージング市場株式戦略(GEM戦略)の運用体制の一部変更が行われました。
過去5年間のパフォーマンスは決して満足できるものとは言い難い状況となっています。今回の変 更は、豊富な投資候補企業群から最も魅力的な企業を選定し、より最適な組入比率を探ることにより、より良いポー トフォリオを構築し、パフォーマンスの向上を目指すことを目的としています。従前はリード・ポートフォリオマネ ジャー(以下リードPM)は複数の戦略を担当していましたが、この改善に伴い、1つの戦略に集中できる体制となり ました。
また、GEM戦略のリードPMの所在地をパリに統一し、チーム内のコミュニケーションと意思決定の迅速化と効率化 をより高められる体制を取ることとなりました。
ファンド運営の体制を変更した、とのことです。急に激しい変化が起きるとは考えにくいと感じますが、今後に注目です。
この四半期レポートでは期中での投資先の異動が報告されています。
当四半期は、ナスパーズ(南アフリカ/投資会社兼メディア企業)、オートホーム(中国/自動車関連ウェブサイト運営企業)、 テレコムニカシ・インドネシア(インドネシア/国営通信会社)の3銘柄を全売却する一方、LG化学(韓国/大手化学メーカー)、 デルタ・エレクトロニクス(台湾/電源システム大手)、メルカドリブレ(アメリカ/ECプラットフォーム運営)、中国の電動自転車の 部品メーカー(ポジション構築中のため銘柄開示不可)の4銘柄の新規投資を実施しました。
保有の全株式を売却した会社、新たに投資を始めた会社が具体的に示されているのは非常に素晴らしいと思います。レポートでは、投資判断の理由も述べられています。これも非常に素晴らしいですね。
過去3年のパフォーマンスのパートでは以下の報告も。
マイナス寄与企業については、サムスン生命保険、バイドゥ(百度)は既に全売却を完了しています。
ファンドの月次レポートです。
コムジェストさんの四半期レポートと見比べると、物足りない印象です。
ESGフォーカス コムジェスト・クオリティグロース・日本株式ファンド
2021年3月に設定されたファンドです。
日本の会社が主な投資対象です。
純資産総額・受益権総口数です。
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2021年11月は10月末比で受益権総口数が減少、ファンドからの資金順流出となりました。3ヶ月連続の資金純流出です。9月、10月、11月と減少の口数が増えているのが気懸りです。
投資先の業種別推移です。
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2021年11月末の投資先は10月末から増減なし、43社。
上位10社です。
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2021年11月末では、10月末から2社入れ替わり。
投資先ファンドのマザーファンドにおける当月の主なパフォーマンス貢献銘柄は、レーザーテック、神戸物産、サイバーエージェント等でした。一方、主なマイナス寄与銘柄は、パンパシフィックインターナショナル・ホールディングス、ダイフク、ヤマハ 等でした。
月次レポートでは上位10社に入っていない3社が登場しています。
四半期レポートでは、投資行動について次のように述べられています。
当四半期は、新規投資、全売却した企業はありませんでした。
過去3年のパフォーマンスに関しては以下の説明も。
パフォーマンス下位企業については、ピジョンは継続保有していますが、マキタ、ZOZOはすでに全売却を 実施しています。
こちらの月次レポートも、コムジェストさんのレポートに比べると「熱」が感じにくい印象です。
ESGフォーカス コムジェスト・クオリティグロース・世界株式ファンド
2021年3月に設定されたファンドです。
世界中(日本含む)の会社に投資するファンドです。
純資産総額・受益権総口数です。
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こちらも10月末比で受益権総口数が減少、ファンドからの資金純流出となりました。3ヶ月連続の資金純流出です。
投資先の推移です。販売用資料を参考にしました。
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2021年11月末、投資先は10月末から2減、34社。資本財・サービスが順位を上げました。
上位10社です。
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2021年10月末、9月末からの入れ替わりは1社でした。
投資先ファンドのマザーファンドにおいて、当月のパフォーマンス寄与の上位3銘柄は、インテュイット、ネットイース、コストコ・ホー ルセールとなり、下位3銘柄は、アクティビジョン・ブリザード、アリババ・グループ、HDFCとなりました。
上位10社に入っていない4社がコメントで登場していました。
四半期レポートで報告された投資行動です。
当四半期に、ASMLホールディング(オランダ/世界最大手の半導体製造装置メーカー)への新規投資を実施しました。
・・・
オートホーム(中国/自動車関連ウェブサイト運営)、光通信(日本/)、アマデウスITグループ(スペイン/航空旅行向けITシステム)を全売却しました。
過去1年のパフォーマンスに関連して
SAPについては全売却を実施しています。
・・・
アクティビジョン・ブリザード(アメリカ/ゲームソフトメーカー)は、従業員からのセクハラや待遇差別に関する訴訟の報道 を受け、株価が下落しました。コムジェストでは同社の取締役に対し、エンゲージメントを通じ改善を提案していますが、 今後数か月のうちに何らかの前向きで重要な改善が見られることを期待しています。
投資先とのエンゲージメント、対話が紹介されています。
12月に発信されたレポートでは次の4社が紹介されています。
日本株式ファンドから 日本M&Aセンター、エムスリー
世界株式ファンドから L’oreal、Costco Wholesale
実は、この3つのファンドともに僕自身、現在保有しているわけではありません。しかし、このレポートを毎月チェックしていく過程で実際に投資したい気持ちが抑えきれなくなる可能性は十分にあると思っています。そんなわけでこれからの定点観測がとても楽しみです。
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