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奥野一成さんの”投資とは旅のようなもの” を読んで、岡田悠さんの『0メートルの旅』が思い起こされた

奥野一成さんのこのポストを眺めていたら数年前につくった記事を思い起こしました。

「旅」と「旅行」とは似て非なるものかもしれない、というお話でした。

個人的な認識ではありますが:

あれこれしっかりと事前に決めた「旅行」に対して、気まぐれにその時その時の感覚を頼りに行動する「旅」

資産を増やすこと、目指すべき金額を定めてそこに向かうのは、「旅行」のようなものですね。

一方で、特定の目標額を定めないで、その過程を楽しむのが「旅」です。

僕自身、資産形成に取り組み始めて最初の10年余りはまさに「旅行」をしていたと感じます。「旅」というわけではありませんでした。

誰かと競争、レースしている意識は持っていなかったけれど、効率良く資産を増やしたい、その思いは強かったのは確かです。ポートフォリオの時価の動く過程には関心を寄せていましたが、自分が投資している対象、投資を通じて関わっている事業への関心は極めて乏しかった。

でも、その考え方は大きく変わっていきました。

その理由の一つは、まあまあの資産を持つようになったからですね。これは大きかったと思います。同時に、もう一つの理由が大きくなって考え方を変えたのです。

当時のポートフォリオを、もしも家族に引き継ぐことになった場合(つまり、僕に何かあった場合ですね)、彼らにとって僕のポートフォリオはどう映るだろう、と想像してみたのです。

当時のポートフォリオを見ると、一円でも効率的に増やそうとしていたんです、ただそれだけ。そんな風に認識されるような中身でした。

で、それは嫌だなと思いました。カッコ悪いなとも。

どんな資産を持っているか、どんな投資をしてきたか、ポートフォリオには、その人の考え方や価値観が反映されるものだと思います。

自分はこんなことを考えていたんだ、こんな風に投資判断していたんだ、それをポートフォリオにしっかりと反映させようと思いました。ポートフォリオを受け継いでくれる人にメッセージを、問いを残せたら、と考えたのです。そこから、少しずつ投資行動を変えました。

僕の資産形成、株式投資は、「旅行」から「旅」に変わり始めました。

目指すべき目標額などはなくなり、生涯続ける「旅」となりました。

最初に挙げた奥野さんのポストを読んで、思い起こした本がありました。

岡田悠さんの #0メートルの旅  です。

本の終わりに近づいたところ。

旅とは、そういう定まった日常を引き剥がして、どこか違う瞬間へと自分を連れていくこと。

0メートルの旅 著・岡田悠さん

どこか違う瞬間とは「未来」だと思います。選ぶのは、自分自身。

先日他界された大江英樹さん。大江さんの著書にもこんな言葉が。

最後は自分で判断するしかない。

投資の鉄人

「旅行」だったら誰か、ツアーの主催者とか、が決めてくれる、お膳立てしてくれたりする。他の誰かに導いてもらえる。

けれど「旅」には、それが無い。決めるのは「自分」。

ふたたび、岡田さんの本です。

旅とは目的ではなく、過程にある。

#でこぽんFM の のぞみさんの学生時代のバックパッカーとしての旅の話をお聞きして、「旅とは目的ではなく、過程にある。」本当にその通りだなあ、とあらためて思った次第です。


僕のポートフォリオを誰かが引き継ぐその時。

一体なぜこの資産を保有していたのだろうか、という問いを、受け継いでくれる人が持ってくれたら嬉しい。

そんな問いを少しでも多く残せるように、これからも「旅」を楽しんでいきたいと思います。


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