株式投資歴20年、ブログ歴18年の投資家が「パーソナル編集者」との6ヶ月で得た「資産」を振り返ってみた話
今の会社に就職したのは30年近く前、1995年のことです。
新入社員の頃から数年間、毎日のように名前を聞いていた取引先がSh社です。Sh社の人がこんなことを言っている、あんなことを言っている、そんな話を耳にする日常でした。
数年後の異動でSh社の話を聞くことは無くなりました。さらにそれから数年後、当時の部署の仕事で神戸にちょくちょく出張することが増えました。2004年、2005年頃です。その部署では、将来有望なベンチャー企業に投資するベンチャーキャピタル業務に携わっていました。神戸出張の際に何度か聞いた名前がSy社でした。
ベンチャーキャピタル業務に携わっていた頃は、神戸の他にも大学や企業の研究所をよく訪問していたのでK社の白いワゴン車を頻繁に見かけていました。
その数年後の異動でベンチャーキャピタルから離れました。ベンチャーキャピタルを離れてもう10年以上が過ぎ去りました。
毎日のようにSh社の話を聞いていた頃、僕はまだ株式投資を始めていませんでしたが、Sy社、K社の存在を認知していたタイミングでは既に株式投資を始めていました。ただし、直接に個別の上場会社の株式を買い付けることはできなかったので、投資信託を通じての株式保有でした。
突然で申し訳ありませんが、時計の針を一気に進めさせてください。
今年の初めから「パーソナル編集者」として みずのけいすけ さんに伴走してもらいnoteの記事等を、いくつかいっしょに創りました。
どんな記事を創ろうか、テーマの設定等、相談に乗ってもらい、僕が書いた原稿に対してたくさんのアドバイスを頂いて発信、公開に漕ぎ着けてきました。
半年間でアウトプットとして発信、公開できたのは、noteの記事が5つとtwitterのプロフィールのリニューアルです。
みずのさんに「パーソナル編集者」をお願いした思考のプロセスは以下の記事で詳しく書いています。良かったら覗いてみてください。
パーソナル編集者 みずのけいすけ さんといっしょに創ったアウトプット
twitter のプロフィール、自己紹介そして所信表明
最初のアウトプットはtwitterのプロフィールでした。
アウトプット第2弾が note のプロフィールに載せる自己紹介の記事でした。
twitterのプロフィールのリニューアル、自己紹介の記事をつくった経緯を少しお話しします。
当初、最初のアウトプットとして想定していたのが「所信表明」でした。noteでの発信を通じて、誰に、何を伝えたいのか、その所信表明する記事を創ろう、と。
しかし、この所信表明が難産でした。
みずのさんにいくつか原稿をお見せしたところ、こんなコメントが多かったと記憶しています。
みずのさんからのアドバイスは、まずは「自分は何者か」を最初にわかりやすく伝えるアウトプットが必要だろう、というものでした。
そこで所信表明の前に、自己紹介を創りました。その結果、出来上がったのが↑のtwitterのプロフィールと自己紹介記事です。
このプロフィール、自己紹介に続いたのがこの「所信表明」でした。
株式投資は「自分の」お金を増やしたいという”利己”的な行動と見られがちだと僕は感じています。その側面はもちろんあるのは確か、というか、当然です。
でも、他の誰かの為になってほしい”利他”の意識が、自分の投資している会社が誰かの役に立っているか、笑顔をつくっているかに関心を向けることが、株式投資の認識をちょっぴり変えることができるんじゃないか。そんな視座を持ってくれる人が増えたらいいな。増えるような発信をしていきたい。という所信表明でした。
(当時)高1の次男に宛ててつくった記事
みずのさんといっしょに創ったアウトプット、第4弾。
(4月に高2になった)僕の次男に「バフェットさん」を説明してみようという試みでした。「読んで欲しいひと」として「高2になった次男」から少し広げて、株式投資について馴染みの無い若い人も想定していました。
この記事で伝えたかったことは大きく2つです。長い時間軸で見れば株価って企業の業績(利益)に連動するもの、ということが一つ。もう一つは、投資するかしないかその判断に際しては一次情報を調べよう、ということでした。
この記事を創ってみて学べたこと。それは、株式投資に馴染みの無い若い人に届けるのは難しい、非常に難しい。これをあらためて体感できました。
投資に馴染みの無い若い人に宛てたメッセージ、再挑戦
株式投資に馴染みの無い若い人に向けたメッセージに再挑戦したのが、みずのさんといっしょに創ったアウトプット第5弾です。
この記事では、本を3冊選んで紹介してみました。どんな金融商品を買えば良いのか、どのくらい儲かるのか(損するのか)、その種の話とは距離を置いた本を選びました。
3冊は全て、行動ではなく自分でまず考えてみることを促すような本です。
その3冊から「投資とは」「働くとは」「会社とは」こうした問いに自分で考えるためのヒントを得られるだろう、と考えたのです。何を買うか、NISAがiDeCoがどうだ、とかの、その前にそれらを自分で考える方が長続きする、というのが僕の仮説です。
noteの❤️もたくさん頂戴していますがtwitterでも結構たくさんの❤️を頂戴しました。ありがとうございます。
株式投資に馴染みの無い若い人にどれだけ届けられたか分かりませんが、その可能性は「次男にバフェットさんの解説」の記事よりも高まったはず。そう感じています。
この記事を創った後、次の記事まで少し間が空きました。誰に、何を、というのがクリアに浮かばなかったような感覚だったような記憶があります。そんな折、5月のみずのさんとのミーティングで話したのが、ずっと長年「いつかやらなきゃ」と思いながら先送りにしていた手をつけていない宿題でした。
みずのさんといっしょに創ったアウトプット第6弾は、その先送りにしていた手をつけていない宿題に取り組んだ話です。
20歳になった長男とのサシ呑みの話
20歳になった長男と始めてサシでお酒を飲んだ話です。伝えておきたいことを全て伝えられたわけではありませんが、色んな話が出来て本当に良かったです。
みずのさんのパーソナル編集者としての伴走があったからこそ実現した機会でした。みずのさんの後押しに深く感謝しています。
当時の僕には、その「資産」が無かった
この記事の最初に登場した、20年以上、10年以上に認知していた3つの会社の話に戻ります。3社はそれぞれ以下の会社です。
Sh社 は 信越化学工業さん、
Sy社 は シスメックスさん、
K社 は キーエンスさん
です。
ここ最近、僕自身が毎月買い増している投資信託の投資先の会社の業績や財務の推移を調べることを増やしてきました。ここに挙げた3社の業績、随分と前まで遡って「一次情報(有価証券報告書・決算短信等)」を読んでみることがありました。業績、業容の成長には大いに感嘆させられました。
こう思いました。なぜあの時、この会社のことをもう少しだけ関心を寄せて調べなかったのだろうか、と。3社のこれまでの業績推移を見て強く思いました。後出しジャンケンという面は確かにあります。当時、仮に調べていたとしても投資していたか、はわかりません。おそらく投資することは無かったでしょう。
残念に思ったのは、当時の僕自身が、これらの会社の業績や財務、株式市場がどう評価していたか(=株価)、それらに何一つ関心を持たず何も調べようとしなかったことです。調べてみよう、その行動を思い浮かべることは一度も無かった、ってことです。
なぜそのアイデアが頭に浮かばなかったのか。なぜちょっと調べてみようと思わなかったのか。
それは、それらの会社に対する関心を寄せるセンサー、アンテナ(ここから先アンテナで統一しますね)という「資産」が僕のポートフォリオに無かったからです。
信越化学工業さんの場合は、新入社員の頃ですから已むを得ない、仕方ないと思っています。しかし、シスメックスさん、キーエンスさんの場合はどうでしょうか。
当時、僕は既に投資信託を毎月コツコツと買い増していました。そう、株式投資を実践していたのです。でも、これらの会社を調べようとはしなかった。当時のメインの投資先だったインデックスファンドでは、「この会社を調べてみよう」と促す、駆り立てるアンテナという「資産」は得られなかったのです。
この半年で伝えたいメッセージが増えた
みずのさんにパーソナル編集者をお願いする前から「伝えたい」メッセージを持っていました。
みずのさんといっしょに創ったプロセスを含めてこの半年間で「伝えたい」メッセージが増えました。
それは、こんな感じです。
投資とは、お金や時間、自分の想いやスキル等のエネルギーを投入すること。そして、そこで得られたものを自分の「資産」にしようとすること。
農林中金バリューインベストメンツ 奥野一成さんの著書を読み返してみると、確かに書かれていました。投資はより価値のある資産を得ようとする行動である、と。
ツイートしましたが若い人たちに向けてこんなメッセージを奥野さんはいつも発信されています。
ただ、この半年で感じたことは「資産」は才能やお金等の金融資産に限定されない、ってことです。「投資」の結果、得られる「資産」はもっともっと多様だと気付かされました。
”こたつラジオ”という「資産」
みずのさんは、twitterスペースで「こたつラジオ」という発信を400回以上続けられています。
朝の8時、ゲストを招いて1時間のお話。ゲストは日替わり。全てのアレンジはみずのさんご自身。時間だけではなく色んなモノをみずのさんは、ここに「投資」されている。その「投資」の結果、たくさんの対話、おしゃべり、そしてリスナーとのコミュニケーション。これらはみずのさんにとって大きな「資産」になっているだろうなあ、と妄想しました。
「資産」と聞くと、現金、株式、不動産をイメージしがちではありませんか。
投資の結果得られたもの、コト、体験等に価値を感じられたら、それらは「資産」だ、僕はそう思います。
お金に換算することは難しいけれど、素敵なお店、会社、そこで働く人たちとの関係、僕にとっては価値ある「資産」です。
”パーソナル編集者”への「投資」で得た「資産」
みずのさんにパーソナル編集者をお願いしてコンサルティングフィーをお支払いしてきました。このフィーのお支払いは「投資」です。
「投資」の結果、得られた「資産」とは。
実際にアウトプットできた記事はもちろん「資産」ですし、投資で得られる資産は多様だという気づき、発見も、僕にとっては「資産」と認識できます。
大事なことは、投資から得られた体験等を価値ある「資産」としてポートフォリオに加えたい、そういう意志なんだろう、と思います。
その意志があればアウトプットにつながる。
「投資」で得た体験のアウトプットで「資産」としてより強く認識できる、可能性が広がる
読んだ本の記事、備忘録をこれまでたくさん創ってきました。この数年は、その読書体験から得た自分が「価値」を感じられた点を中心にアウトプットとして書き残しています。
読書そのものだけでも自分の意識、考えに刻めるものがあればそれは「資産」になっていると思います。それに加えてアウトプットする、発信すること(アウトプットに時間をかけますから追加で「投資」するわけですが)で、その体験を「資産」としてより強く認識できるようになると感じています。そして、その「資産」は時として新しい「投資」の機会を提供してくれることがあります。
僕自身、それらのアウトプットから得られた出会いがたくさんありました。アウトプットするまでには時間、お金(書籍代)等の「投資」があります。でも、その体験のアウトプットが「資産」になっていたのです。新しい出会い、きっかけになってくれたわけですから。そうして得られた出会いに、新しい「投資」を加える、新しい「資産」を得る。そんな循環が出来る可能性が高まります。
この半年の間に、2度、池松潤さんとお会いすることがありました。
その池松さんの固定ツイートです。
この固定ツイートに貼り付けられた図。これこそ「投資」を「資産」にしていくサイクルだと思います。
池松さんと最初にお会いしたのは、IKEUCHI ORGANICさんのイベントでした。IKEUCHI ORGANICさんのイベントに参加するようになったきっかけ。それは、”イケウチな人たち。”を「読む」からでした。
読む→書く→動く→出会う→考える→読む を”イケウチな人たち。”で
イケウチな人たち。 を「読む」そして「書く」
「行動する」「出会う」
「考える」
”イケウチな人たち。”を「読む」という「投資」をきっかけにして、僕は色んな「資産」を得られたという実感があります。
池松さんの固定ツイートの図。これは #note酒場 でのライトニングトークで使ったスライドに入っていたそうです。先日お会いした際に教えてもらいました。
当時、会場で池松さんのプレゼンを聞いていたのに覚えてなかったです、、、
池松さんの記事にはっきり書かれていますね。
「アウトプット」は「資産」になる、その「資産」があたらしい「投資」機会につながる、そう思います。池松さんに教えていただきました。
これは!という対象を捕らえるアンテナ
繰り返しになりますが、よく触れている会社でさえも「調べてみよう!」と感じさせるアンテナを昔の僕は持っていなかった。しかし、今はそうしたアンテナを自分のポートフォリオに「資産」として保有している気がします。
では、その「資産」はどうやって手に入れたのか。それは、やっぱり「投資」なんですよね。お金はもちろんかかっているんですけど、それ以上に時間。その時間という資本・キャピタルをどこにどう割り当てるか。キャピタルアロケーションです。「投資」を通じてアンテナという「資産」を得てきたのです。
時間は有限ですから、色んな種類の「アンテナ」を張り巡らせるのは難しそうです。でも、いや、だからこそ、自分のこれまでのアンテナを信じて新しいアンテナという「資産」を得るためにこれからも「投資」を続けていこう、と思います。
「投資家」
現在のtwitterアカウントのスクリーンショットです。
renny の後に「投資家」と添えるようにしました。実はこれもみずのさんのアドバイスによるものです。この「投資家」がとてもしっくりきています。「投資ブロガー」「投信ブロガー」「株式投資家」ではなく「投資家」。しっくりきているこの感覚も、この半年のみずのさんとの時間への「投資」から得られた大きな「資産」の一つだと感じています。
みずのさんにお世話になった半年間を、より大きな「価値」につながる「資産」とするためにこの記事をつくってみました。
みずのさん、ありがとうございました! 深い感謝を込めて
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