アクティブファンド選びで一番大事なこと




先日の「投資信託をもうちょっと身近に感じてみよう」という勉強会の後に書いたブログです。その後にはこんなツイートも。



ステキな投資信託をそだてましょう!」という観点で、感じたことをもう少し書いてみます。


ファンドマネジャーが運用方針を丁寧に語れるファンドは素敵だ


今回の勉強会にお越しくださった、三井住友アセットマネジメントのファンドマネジャー、木村忠央さん。自らの経歴、経験をファンドの運用方針にどのように生かしているか、から丁寧に説明してくださいました。運用方針、何をやろうとしているのか、どんなプロセスを経て結果としてどんなポートフォリオが出来上がるのか、を時間をかけて説明してくださいました。木村さんのようなファンドマネジャーが担当されているファンド、素直に素敵だと思いました。国内にあるアクティブファンドのうち、このようなファンドマネジャーによって運営されているものは幾つあるのでしょうか。正直、全く分かりません。筋論からすれば、全てのファンドがそうあるべきだと思いますが、どうなのでしょう。ファンドの目論見書を見ても、明確な運用方針を持っているのか、それを具体化し、投資家に丁寧に説明できるマネジャーを備えているファンドなのか、さっぱり分からない、そんなファンドがほとんどのような気がします。

運用方針を示す、ファンドに関わる人を見せる、そうした取組を積極的に実行しているのは直販投信会社に多いわけですが、販売会社を介して運用会社もドンドン挑戦してほしい、そう思います。


「感じる」機会は非常に重要だ


勉強会で木村さんのお話をお聞きして、筋道が通っていて「なるほど」と感じました。同時に、これがプロフェッショナルの仕事だ、とも感じました。しかし、参加してくださった皆さんが私と同じように感じられたわけではないでしょう。「ピンと来ないな」と感じた方もいらっしゃったことでしょう。

でも、それが大事なのだと思います。どんなに丁寧な説明であっても、話のストーリーのつながりがどんなに良く出来ていても、「ピンと来ない、なんか違う」ということはあって当然です。その感覚を大事にして選択するのがアクティブファンド選びだと思います。

アクティブファンドを選ぶというのは、運用方針なり、ファンドマネジャーを信頼してお金を託すということ、「お付き合いを始める」ということです。フィーリングが合って「まずはお友達から」と感じられるかどうか、がとても大事だと思うのです。

繰り返します。

アクティブファンド選びで一番大事なこと、それは「あの人、会社に託してみたい、預けてみたい」と感じられるかどうか、なのです。

木村さんはファンドマネジャーとして会社訪問等の数多くの取材を自ら行っていらっしゃる、とのことでした。その多忙なスケジュールのなかで、今回の勉強会のような機会を沢山、頻繁に設けることは難しいのは事実です。これは課題だと思います。ただ、ファンドの運用方針を伝えること、木村さんの「人となり」を伝えること、それらはファンドを育てるためには極めて、極めて、大事なことだと強く感じられました。志ある投信会社、販売会社には、ファンドを「感じる」機会を設ける、色々な工夫に挑戦してほしいな、と感じました。


お金を「集める」のではなく、信頼が「集まる」


様々なファンドがあって良いと思います。

販売会社の営業力で「集める」、

流行りのテーマで「集める」、

低廉なコストを訴求して「集める」

投信会社の収入は、預かった資産、金額の多寡に左右されます。したがって、できるだけ短期間に効率良く「集める」のが合理的だというのは確かです。

しかし、投資信託の根底に信頼関係があるとするならば、信頼関係が着実に深まった結果、資金が「集まる」、時間をかけてゆっくりとファンドが大きく育つ。そんな姿を目指すファンドが1本でも多く増えてほしい、そんなファンドをそだてたい、と思うんです。

課題は沢山あると思います。

「長く付き合えるファンド」を自分自身のフィーリングで探したい、という投資家の掘り起こし、ファンド、ファンドマネジャーの息吹を「感じる」機会の設定、いろいろもろもろ。でも、何とかしたいよなあ。

勉強会を通じて、あらためて考えたことです。

骨太の運用方針を掲げ、それを具体化するファンドマネジャー、チームを持ち、そのプロセス、ポートフォリオを丁寧に説明できる、そんなファンド、投信会社との出会いをもっと増やしたいです。

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