DIAM新興市場日本株ファンド(DIAMアセットマネジメント)
中小型株ファンドの目論見書、運用報告書をチェック! の第3回です。
チェックするのは
DIAM新興市場日本株ファンド です。
楽天証券の「国内株式(中小型)」に分類されているファンドから抽出しました。3年間の評価では、「5」となっており、楽天証券のスコア算出のモノサシからすると、最上位(最も成績の良い10%)に入っています。1年間の評価では「3」(成績上位25~50%)となっています。(評価は2015年6月末のものです)
https://www.rakuten-sec.co.jp/web/fund/detail/?ID=JP90C0005580
目論見書のチェックに入る前に、です。このファンド、2013年3月から新規の資金の受付を停止しています。解約のみの対応となっています。
ともあれ「交付目論見書」をチェックしてみましょう。
投資対象を「株式・中小型株」としていますので、「中小型株に投資します!」と宣言、約束しているわけです。
1. 新興市場に上場された株式を中心に投資します。
・ジャスダック、東証マザーズ等に上場されている銘柄(上場予定を含みます。)を主要投資対象とします。
※新興市場とは、ベンチャー企業の株式が中心に取引される市場のことをいいます
※純資産総額の原則5割を上限として、他の市場に上場している中小型株にも投資することがあります。また、新興市場以外の市場に上場している中小型株の割合が5割を超えた場合は適宜投資割合を調整します。新興市場とそれ以外の市場に重複上場している銘柄は、新興市場として分類します。
2. 個別銘柄選択によってポートフォリオを構築します。
・個別銘柄調査を通じて、企業の成長力、競争力、収益力、経営力、株価等の観点から銘柄を選別します。
・業種比率、時価総額などにとらわれず、ポートフォリオの構築を行います。
3. 年1回の決算で、キャピタルゲインを中心に分配します。
至極当たり前のことが書かれています。簡潔ですが、具体性に欠けるように感じるのは私だけでしょうか。「手の内は明かしたくない。それでもいい!という人はお金を預けてください」というメッセージにも見えます。これはこれで一つの姿勢だとは思います。交付目論見書には「DIAM独自のユニバース」という言葉は出て来ますが、これについての詳細な説明は見当たりません。
「請求目論見書」を紐解くと、時価総額、流動性、信用力を勘案して基本ユニバースを定めるとの説明が見つかりました。
あまり具体的な約束はしない、というのがこの会社の考え方なんだと感じました。
運用報告書(全体版) をチェックしてみましょう。
市場別のウエイトです。
「新興市場を中心に」という約束は守られているようですね。
組入れ上位の10社ですが、サン電子の1社を除いて全て入れ替わっています。
ポートフォリオの内容ですが、2014年4月の決算時は94社の株式で構成されていましたが、2015年4月の決算時点では、101社の株式で構成されていました。
2014年4月の決算時の94社のうち、1年の間に半分以上の52社が売却されています。42社が継続保有ですから、1年間で59社が新たに組み入れられたことになります。1年でポートフォリオを構成する会社の顔ぶれが半分以上入れ替わっています。個々の会社の価値よりも市場の評価を優先させて運用しているのではないか、そのように私は受け取りました。
あともう一つ。
個々の会社の評価額をご覧下さい。かなりバラつきがあります。会社毎のウエイトにかなりメリハリが付いています。
このファンドの期限は2017年11月までとなっています。このまま新たな資金を受け入れることなく償還となるのでしょうか?
このファンドを保有している受益者の評価はどんな感じなのでしょうか、ホルダーの方、御意見をお聞かせください。
中小型株ファンドの目論見書、運用報告書をチェック! の第3回は
以上です。
次回をお楽しみに。
2020年6月にアップデートしました
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