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森岡毅さん、奥野一成さん、安田雅彦さん、竹川美奈子さんのお話から「厳選された商品と真っ当な投資教育とを併せ持つ企業型DC」(OWNERS CLASS)の可能性を考えてみた

この記事は独断と偏見で論理の飛躍があることを最初にお断りしておきます。

記事のタイトルを変えました。最初のタイトルは”厳選された商品と真っ当な投資教育とを併せ持つ企業型DCが「自立」型人材の育成、採用に貢献する!?”でした。

先日つくったこちらの記事。

少子化問題は仮に解決、対応できたとしても、それには非常に長い時間がかかる。その一方ではたらく人の数は減っていく。生産性を高めるのは非常に重要な課題だ。そんなことを書きました。

生産性を高めるには、一体何が変わらなきゃダメなんだろう?

この問いについて考えるためのたくさんの刺激を、昨日受けてきました。

Shimoyamaさんのツイートです。

実は僕もライブでイベントにお邪魔しました(午後、お休みを取って)。

竹川さんもツイートで「刺激的」とされていた森岡毅さんの講演、いやライブだな、は確かにめちゃくちゃ刺激に満ちていました。

森岡さんの講演から印象に残ったポイントを3つ書き留めておきます。

森岡毅さんの講演

「つくったものを売る」ではなく「売れるものをつくる」

最初に強調されたのは、企業活動とはマーケティングだ!ってこと。

マーケティングとは市場に価値を創造すること。

これが出来ていない会社が多すぎる、と。

マーケティングとは「売る」ところに焦点が当てられているように感じるが、それは違う。マーケティングとは、つくる、それはR&Dの段階からはじまる、から売る、顧客に使ってもらう、そこまで一気通貫。

つまり、顧客を知り、市場を知り(これには競合を知ることも含まれている)、そして自社の強みを知り、その強みをどうレバレッジして価値創造を実現させるか、この一連のプロセスが「マーケティング」だぞ、と。

この定義、すぐに気づかれるかもしれませんが、伝統的な「3C」のフレームワークですよね。3C、何それ?美味しいの?という方は こちら(ググったら最初に出てきたページです)をご覧ください。

森岡さんの言わんとされていたこと、それは多くの会社がこの3C分析すら出来ていないんじゃないの?仮に分析できていたとしてもそれを価値創造につなげられていないんじゃない?ってことだと感じました(某大企業のお話は、顧客を知ろうとしていない=「つくったものを売る」の典型例でしたね)。

多くの大企業は生命体として大丈夫か?

森岡さんが組織として理想に挙げられたのは「人体」。自分の生命、健康が維持できるよう組織、臓器が調和して機能、全体最適を実現している。それを実現しているのが神経伝達系。

この神経伝達系がイカれている会社が多い、特に大企業。末梢の組織、器官は右に行け、という信号を脳に送っているのに、神経伝達系がイカれているので脳は左に行く、という指令を体全体に送ってしまう。

コミュニケーション、そして、「正しい行動」を表明できる、そしてそれらをぶつけあって議論できる企業文化の重要性を説かれていました。

リスクを取らなきゃいけない(取ると決めたら取れるにもかかわらず)会社が、リスクを取ってこなかった

日本の会社、社会全体にあてはまりますね、長期にわたる停滞、閉塞感の理由としてこの点を挙げられていたのが非常に印象的でした。

(3Cをベースにした)マーケティング、真っ当な神経伝達系、取るべきリスクを取る。どれも至極当たり前の行動のようにも感じます。しかしこれらが出来ない、長年にわたり出来てこなかったのは、一体、なぜなのだろう?

生産性を高めるには、一体何が変わらなきゃダメなんだろう?

にも通じる問いです。

一つの仮説が浮かびました。

「自立」型の人材が圧倒的に少ないのでは?

森岡さんは「忖度」型の人材、「羊」ばかりの組織が多い、と指摘されていました。そうした組織が「独裁」に陥ったりするとも。

生産性を高めるには、一体何が変わらなきゃダメなんだろう?

答えの一つは「人」。「人」のマインドセット。

「自立」型人材、労働者2.0

森岡さんのライブ、実はイベントの最後の第3部でした。

第1部は NVIC 奥野一成さんの基調講演、第2部は パネルトーク。

パネルトークにご登壇されていた安田雅彦さんはNVICさんのnoteでも登場されていました。

恐らくキーワードは「自立」だと思います。ビジネスパーソンはお金に関してもキャリアに関しても自立しながら自分の人生を自分で切り開いていく、そういう強さがないとこれからやっていけないし、企業においてもそういう人が集まって協力してシナジーが出てきて、そこから1+1が3になります4になりますみたいな、そういう世界だと思うんです。これを考えることって実は企業経営を考えることそのものなんですよね。

キャリアについては会社が従業員に「自立せよ!」と散々言っている割には、資産形成は会社に「依存」させてしまっていることに気付いたんです。キャリアで自立をするのであれば当然ライフ全体で考えた時に資産形成においても自立性があってしかるべきですよね。でもそれなのに会社はそのような資産形成に関する情報を従業員に全く提供していない。

第1部の基調講演では #労働者2.0 が紹介されました。↓のページの図2をご参照ください。

労働者2.0 は奥野さんが #教養としての投資  で提唱されたフレームワークです。

自分の才能やスキル、労働を勤務先に提供する一方で、企業の投資家としての活動を行う。これが「労働者2.0」です(めっちゃ簡略化しちゃいました)。

この「労働者2.0」とは、安田さん、奥野さんの対談のキーワードになっている「自立」型人材とほぼ同じだと考えられます。その対極にいるのが「依存」型人材になります。この「依存型」人材は、森岡さんの言われる「忖度型」=羊と被っていそうです。

教育を受けていない

基調講演、パネルトークで奥野さんが何度か「僕たちは教育を受けてこなかったんですよね」と発言されたのが印象的でした。一体、何の教育を受けてこなかったのか。それは資本主義における「オーナーシップ」に関するの教育だと僕は理解しました。

で、ですね、イベントの後、色々考えてみたのです。

「オーナーシップ」って一体何やねん、と。

この講義で京都大学の学生さんを前に、「人生のオーナーになれ!」と奥野さんが檄を飛ばされています。

ああ、そうか!とひとつ思い浮かびました。

この記事をご覧になっている方の多くはご存知だと思うのですが、個人投資家の間で株価指数に連動する、いわゆるパッシブファンドが支持を集めているのはご存知ですよね。支持を集めている理由の一つとして、成績の良い(=株価指数を上回る)アクティブファンドを事前に見つけることは不可能だ、というものがあります。あっちゃこっちゃで言われてます。アクティブファンドとは、ファンドマネジャーが判断して投資先を選んでポートフォリオをつくっているファンドです。

「事前に見つけることは不可能」。そりゃ、そうですよね。

未来はわかりません。予測できません。

だから・・・・市場に・・・「依存」するのです。

こういうことなんだろう、と。

そして、彼らが見つめているのは、過去 です。当然ですよね、未来は市場に「依存」するって、少なくとも資産運用では。そう割り切っているわけで。

ただ、ここで考えなきゃいけないのは、その資産運用のお金って「資本」だ、ってこと。そうした「資本」が、「依存」ポートフォリオに割り当てられる、ということです。これはどうなんだろう?という疑問、湧いてきませんか。

話を戻します。

そもそも投資の果実ってどこからやってくるか。僕は未来だと思います。

投資が未来をつくる。その投資でつくられた未来が素晴らしい結果を生めば、投資の果実が得られる。

「未来は予測できない」はそりゃ当たり前だけど、「未来をつくる」という意思までも失ってもいいのか、って思ったのです。

つまり、僕たちが受けてこなかった教育とは

「投資が未来をつくっている」「投資で未来が変わる」という教育だ、と。

これって、”リスクを取らなきゃいけない(取ると決めたら取れるにもかかわらず)会社が、リスクを取ってこなかった” に通じると思いませんか?

こんな図をつくってみました。

「自分の投資で未来をつくる」それがまず前提にあるべきじゃないか、と思いました。もちろん、色々考えたけど「資産運用は依存でいいや」というのもアリだと思います。取るべきじゃないと判断したリスクは取っちゃいけませんよね。

真っ当な投資教育

今回のイベントで紹介された 企業型DC。

このプラン、 #OWNERS_CLASS  の特徴は2つ。

口座内で提供される商品が厳選されていること。

そして、もう一つが「真っ当な投資教育」です。

NVICさんがそこに大きくコミットされることがページで案内されています。

僕はMBAを体験したことはありませんが、 月次レポート研究所 パートナーの吉田さんから、「NVICさんの月次レポートはMBAで提供されるケーススタディと遜色ない」との評を何度か聞いています。

企業型DCでの投資教育、これは人材の「自立」型人材への変身を促すものになる可能性があるのではないでしょうか。もちろん、その学びとともに自身の資産形成もできる。

この仕組み、優秀な人材、とりわけ「自立」型人材の採用、獲得にも貢献する可能性がありそうです。

僕自身、今年から勤務先の確定拠出年金に加入したのですが、投資教育らしきものが提供されている、という実感がありません。

今回のプランは、まだ企業型確定拠出年金の無い企業を対象にしたもののようですが、ゆくゆくは大企業にも入り込んでいくのではないか、とも感じました。

とにもかくにも、非常に多くの学び、気づきを得ることができました。関係者の皆様に深く感謝です。

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