16年前、リーマンショックからの金融危機。その時、中学生・高校生・大学生が第9回日経STOCKリーグ(2008年度)でつくった株式ポートフォリオは2024年9月の今、どうなっているか、試算してみた話
2000年度に始まった日経STOCKリーグ。
このレポートが審査され、優秀な作品が表彰されます。非常に素晴らしい試みです。これが途切れることなく2024年度で25回目を迎えていることに、大いに称えたいと思います。素敵です。
最優秀賞を受賞すると、研修旅行が贈られるそうです。いいですね!
今年に入って日経平均株価が史上最高値を更新しましたが、この日経STOCKリーグが始まって以降を振り返ってみると、一番の底値は2008年9月のリーマンショック以降の金融危機のあった2008年度です。
先日、その2008年度の第9回大会で 部門賞・大学部門 を受賞メンバーがつくったポートフォリオについて、その後どうなったかを調べてみました。
この記事です。
他の受賞レポートのポートフォリオも調べてみようか、と考えて試算してみました。
最優秀賞・金融担当大臣賞 鹿児島大学教育学部附属中学校2・3年 ”MADE IN JAPANが世界を救う! ~今こそ日本のよさをアピールする時~(668KB)”
最優秀賞を受賞したのは中学生のチームでした。彼らがつくったポートフォリオはこうでした。
ここで選ばれていた16社は16年経った今も全て上場企業であり続けています。
2009年3月末の株価(分割・併合等の調整後)を基準に、2024年9月20日の終値で10倍以上になったのがサンリオです。
2009年3月末 253.67円だったのが、2024年9月20日には4,044円になっています。
この16社のポートフォリオを仮に等金額で2009年3月末に買っていたら、合計で4.19倍になっていると試算できました。年率換算で+9.7%です。
一方、チームの付けていたウエイトで試算してみると合計で3.51倍となりました。
同じ期間で見た場合、日経平均株価は同じ期間で4.65倍です。TOPIXはETF(1306)で計算してみると3.44倍。
TOPIXは上回ったものの、日経平均には及ばなかったということになります。
部門賞・中学部門 本郷中学校3年 ”The Noise Busters ~投資で創る 静かな社会~”
部門賞・中学部門を受賞したレポートのチームがつくったポートフォリオです。
こちらのポートフォリオは20銘柄。規定の最大値まで分散させたポートフォリオでした。
東芝、パナソニック電工は上場していません。
2009年3月末の株価を基準にして、2024年9月20日終値で最も株価が上昇したのは昭和電線HD、現在のSWCCです。
2009年3月末は610円だったのが、2024年9月20日の終値は5,460円と9倍近くになっています。
現在も上場中の18社のポートフォリオを仮に等金額で2009年3月末に買っていたら、合計で3.85倍になっていると試算できました。年率換算で+9.1%です。
一方、チームの付けていたウエイトで試算してみると合計で3.64倍となりました。
同じ期間で見た場合、日経平均株価は同じ期間で4.65倍です。TOPIXはETF(1306)で計算してみると3.44倍。
TOPIXは上回ったものの、日経平均には及ばなかったということになります。
部門賞・高校部門 大分県立情報科学高等学校3年 ”THE BEST PARTNER ~「ゆうえんち」から学んだ大切なこと~”
部門賞・高校部門を受賞したレポートのチームがつくったポートフォリオです。
こちらも規定の最大値 20銘柄でつくられたポートフォリオです。日本通運は持ち株会社化で証券コードが変更になっていますが、20銘柄全て上場企業と言っていいでしょう。
2009年3月末の株価を基準にして、2024年9月20日終値で最も株価が上昇したのはソフトバンク、現・ソフトバンクグループでした。
2009年3月末の終値(分割調整後)628円。2024年9月20日の終値は8,563円ですから13倍以上です。
20社のポートフォリオを仮に等金額で2009年3月末に買っていたら、合計で3.12倍になっていると試算できました。年率換算で+7.6%です。
一方、チームの付けていたウエイトで試算してみると合計で2.89倍となりました。
同じ期間で見た場合、日経平均株価は同じ期間で4.65倍です。TOPIXはETF(1306)で計算してみると3.44倍。
日経平均、TOPIXに及ばなかったということになります。
部門賞・大学部門 一橋大学3年 ”恐慌を超える ~“否定する”企業たち~”
こちらについては、この記事をご覧ください。
勝った負けたは、重要じゃない
上記のように試算をしてはみましたが、勝った負けたは重要ではないと思います。どんな企業に投資するべきなのか、チームで調べて、想像して、考えて決めるプロセスに大きな意味があるのだろう、って思います。
ってなことが大前提ではあるのですが、過去の他の回の受賞ポートフォリオについても機会があったら試算してみようかな、と思ったりもしています笑
第25回は参加チーム募集の〆切済、どんなレポート、ポートフォリオがつくられるのか
どんなレポートが、ポートフォリオがつくられるのか、とても楽しみです。
日経STOCKリーグについては、ポッドキャストでもまた取り上げられたらな、と考えています。