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キャピタルアロケーション ー どんな会社、どんな業種のオーナーなのか? #23 と 投信概況 第167回
このマガジン は株価指数に連動するETFのポートフォリオを定点観測することで、その種のポートフォリオを保有することは、どんな会社、どんな業種の「オーナー」になることなのか、を眺めてみる試みです。
投資信託協会 の月次発表資料からざっくり数字を拾う「投信概況」もこちらに書いています。
投信概況のバックナンバーです。
1. TOPIX
このETFのデータを基にして作成した表です。
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実は、このデータは2020年5月末、2021年5月末、2022年5月末も持っています。2023年5月末のトップ30社全てが過去の3時点で1度はトップ30に入ったことがあります。2023年5月末含めて4つの時点全てでトップ30に入っていたのは25社です(前回は25社)。
前月末との比較では入れ替わりはありませんでした。
業種別はこちらのETFのデータから。
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1年前との比較では、この他に卸売業と化学、銀行業と医薬品の入れ替わりがありました。
2. 日経株価指数
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2020年5月末、2021年5月末、2022年5月末、3つの時点で一度もトップ30入りが無かったのが黄色で塗った 本田技研工業さん、HOYA さん、SMCさんです。2023年5月末含めて、4つの時点でトップ30に居続けているのが30社のうち23社です(前回は24社)。
前月末との比較では、トップ30のメンバーは1社入れ替わっています。
業種別はこちらのETFのデータ からです。
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1年前との比較では、小売業と情報・通信業、医薬品と化学、サービス業と機械の順位が入れ替わりました。
3. Russell/NOMURA Small Cap Coreインデックス
このETFは3月に上場廃止になりました。
https://nextfunds.jp/data/2023/td_230310a.pdf
4. JPX 日経中小型株指数
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黄色で塗った9社が2021年5月末、2022年5月末、2023年5月末ともにトップ30入りしている会社です。前回も9社が3時点全てでトップ30に入っていました。
前月末との比較では4社が入れ替わっています。
業種別です。
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前月末と比べると、機械と建設業の順位が入れ替わりました。1年前と比べると、トップがサービス業に。小売業と機械、不動産業と電気機器の順位が逆転しています。
5. S&P 500
https://www.ishares.com/us/products/239726/ishares-core-sp-500-etf
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黄色で塗った2社 は 2020年5月末、2021年5月末、2022年5月末の全ての時点で一度もトップ30に入っていなかった会社です。2020年5月末、2021年5月末、2022年5月末、2023年5月末の4時点ともにトップ30入りしているのは18社です(前回は18社)。
前月末との比較では2社、入れ替わりました。
業種別は こちらのETF で。
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前月末と見比べると、電気通信サービスと資本財・サービスの順位が入れ替わりました。
6. MSCI ACWI Index
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2021年5月末、2022年5月末の両方の時点でトップ30に入っていなかったのが、黄色で塗った3社です。2021年5月末、2022年5月末、2023年5月末、この3時点全てでトップ30入りしているのは22社です(前回は21社)。
前月末との比較では1社入れ替わっています。
業種別は 日本を除いたポートフォリオになっているこのETFからです。
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7. NASDAQ 100
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黄色で塗った3社は2022年5月末はトップ30に入っていませんでした。
業種別はこちらのETFからです。
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上位10社、上位20社、上位30社への集中度の推移
上のデータを作成した6つのETFについて、上位10社、上位20社、上位30社のウエイトがどうなっているのか、どんな風に変化してきたのか、を見たのが下表です。
上位10社
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上位20社
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上位30社
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この上位投資先への集中度には特に関心を持っています。
こんな仮説を持っています。
パッシブ運用の割合が高まれば高まるほど、インデックスファンドの上位投資先への集中度が高まる。
パッシブ運用は通常、時価総額の大きな会社から順に「買収」していくことになると考えられます。ですから、パッシブ運用が相対的に増えると、時価総額の大きな会社への集中度が高まっていく。こう考えたのです。
上表を見る限り、一部の株価指数で上位の会社への集中度がじわじわと高まっているように感じられます。こうした状況をどう考えるのか、どう捉えるのか。これこそが僕がこの定点観測で抱いている「問い」です。
じっくりと観察を続けていきたいと考えています。
投信概況 2023年5月末
noteに引っ越して5回目です。
データはこちらからです。
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株式投信の残高が160兆円超え。これまでで最も大きな値です。
注目すべきは解約額が設定額を上回ったことですね。4月に続いて2ヶ月連続。6.4兆円の運用増が160兆円超えを後押ししました。解約額は3.3兆円と前月比0.8兆円増です。
個人的に注目の投信会社です。
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スパークス・アセット・マネジメントが先月5月に新規設定した「スパークス・企業価値創造日本株ファンド」が同月の新規設定投信で最大の資金を集めたことが6月11付けの「日経ヴェリタス*」の記事で紹介されました。注:*「日経ヴェリタス」は日本経済新聞社が発行する週刊投資金融情報紙(有料)です。
— スパークス【公式】 (@sparx8739) June 12, 2023
次回をお楽しみに。