スパークス・M&S・ジャパン・ファンド(愛称:華咲く中小型) ーアクティブファンドを眺めてみよう #18
アクティブファンドを眺めてみて、そのファンドから
「企業価値を探究しているか?」
そんなオーラが感じられるかをメンバーの皆さんにお尋ねするシリーズの第10回です。
前回はこちらです。
今回眺めてみるのは
スパークス・M&S・ジャパン・ファンド(愛称:華咲く中小型)
僕自身、ファンドの設定以来お世話になっているファンドです。
以下のリンクで毎月定点観測しています。
昨年、眺めてみた際の記事です。
このファンドの愛称は『華咲く中小型』なので、以降、華咲く中小型と呼びます。
『華咲く中小型』は2007年1月の設定です。1月にファンドの第16期を終えました。マザーファンド「スパークス・日本中小型株・マザーファンド」は11月が決算、こちらも第16期を終えています。つまり、現在、マザーファンド、華咲く中小型ともに第17期中となります。
受益権総口数
受益権総口数の推移が「企業価値を探究しているか」否かとの関係は直接ありません(個人の考えです)が、ファンドへの受益者の支持を窺うことができるものと考えています。また、コンスタントに口数が増加しているファンドの方が市況にかかわらず「良い会社に投資できる」可能性が高いものと推測しています(個人の考えです)。
「企業価値を探究している」それがしっかり感じられるファンド、そうしたファンドがしっかりとした受益者の支持を得ていれば、相乗効果があるのではないでしょうか。
受益権総口数の月次推移を表にしています。
設定来となっていないこと、ご容赦ください。
2023年2月末で受益権総口数は43.6億口。上記の期間のピーク(2018年7月末、96.4億口)の半分以下です。2022年12月まで53ヶ月連続で受益権口数が減り続けた、つまり、ファンドからの資金純流出が続きましたが、2023年に入って様子が一変しています。1月、2月と10億口を超える口数増になっています。これが定着するか、気になるところです。
パフォーマンス
WEALTHADVISOR さんのデータを元に、調べてみました。比較対象にしたのは下記のETFです。
このシリーズでファンドのパフォーマンスを眺める際に使うのは ローリングリターン です。
「5年」「10年」で見てみましょう。
ローリングリターン 5年
データ期間数は134。『華咲く中小型』の130勝4敗です。ただ注意すべきなのはこの4敗が2017年11月末〜2022年11月末からの4期間連続ということです。足元はTOPIXに劣後しています。その一方で、2007年1月末〜2012年1月末から2017年10月末〜2022年10月末まで130期間連続で5年リターンはTOPIXを上回っていたのも事実です。
まとめてみるとこんな感じです。
5年保有していた期間数 134、その中央値が +104% です。5年保有していたら投資額の2.04倍(ただし分配金への課税がなされずに再投資された前提です)になっていたということになります。134期間のうち、5年保有でマイナスとなった期間が12存在していますが、TOPIXはマイナスの期間が20です。
ローリングリターン 10年
データ期間数は74。『華咲く中小型』の74勝0敗です。
まとめてみるとこんな感じです。
10年保有していた期間数 74、その中央値が +441% です。10年保有していたら投資額の5.41倍(ただし分配金への課税がなされずに再投資された前提です)になっていたということになります。最小値でも+108%です。10年保有していたら2倍超。一方のTOPIXの最小値は+6%でギリギリプラス。
もちろんこれは「これまで」”過去の話”です。将来はわかりません。
交付目論見書
『華咲く中小型」。その名前の通り、時価総額で見て中小型の会社の株式が主な投資対象になります。
交付目論見書 によると、以下のような分類となっています。
もう1枚、図表を。
「企業の実態価値」という言葉が出てきます。
しっかりと強調されていますね。
運用プロセスの一番最初に「投資仮説」。この仮説を基にして調査、分析、検討があり、最終的な投資判断に至ることがわかります。
月次レポート
2023年1月末基準の月次レポートは こちら です。
投資先の1社が具体的に示されて、その評価のポイント等が述べられています。
いかがでしょうか、「企業価値を探究」のオーラを感じますか?
投資先の推移
投資先数の推移です。決算期末での数値です。
2023年1月の第16期末の投資先は59社。2014年1月の第7期末は43社から一旦減少、その後じわじわと増えていって2020年1月の第13期末以降は60社近辺となっています。
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