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コムジェストさんの月次レポートを読む! #12 (2022年4月末)
コムジェスト・アセットマネジメントさんがファンド運営に携わっている3つの #アクティブファンド の月次レポートを読んでみる
コムジェストさんの月次レポートを読む!
前回はこちら。
3つのファンドとは
ニッセイ/コムジェスト新興国成長株ファンド(資産成長型)【愛称:エマージング・セレクト(成長)】
ESGフォーカス コムジェスト・クオリティグロース・日本株式ファンド
ESGフォーカス コムジェスト・クオリティグロース・世界株式ファンド
3つのファンドの投資先の選別、投資判断を行なっているのが
コムジェスト・アセットマネジメント さんです。
今回は日本株式ファンドの投資先で紹介されている(こちら)
#住友金属鉱山 さんをちょこっと眺めてみます。
住友金属鉱山
説明資料からです。
創業 430 年超の世界有数の非鉄会社。世界トップクラスのニッケル生産量を誇り、従来回収困難であった低品位のニッケル酸 化鉱からニッケル及びコバルトを回収する技術である HPAL法(高 圧硫酸浸出法)の商業生産化に世界で初めて成功する等、業界 内でもクリーンな鉱山事業を営み、資源開発から製錬、そして機 能性材料の生産までを一貫して行うユニークなビジネスモデルを 展開。
沿革のスタートが 1590年、「天正」です。大河ドラマな時代です!
業績推移です。
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2022年3月期は最高益を記録しています。ただ、2016年3月期、2017年3月期と2期連続で赤字決算としています。商品市況の影響を大きく受けるものと推測されます。
経営戦略進捗説明会資料 からです。
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3行目の持分法投資損益のインパクトは大きめな印象です。上で挙げた赤字決算となった期はこの持分法で大きな損失を計上していました。
収益性です。
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足元は高い収益性を見せていますが、上に下に忙し目。ボラティリティが大きい印象です。
バランスシートです。
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経営戦略進捗説明会資料 からです。
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業績、収益性の凸凹を抑えたい、という意図があるんでしょうね、おそらく。
市場の評価です。
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ちなみに、日本株式ファンドが投資を始めたのは2021年4-6月期です(こちら)。
自動車のEV化の動きが世界的に加速する中、同社主力の銅の 需要は益々拡大する見込みで、特に材料事業のニッケル正極材 はパナソニック製車載用電池を通じて米テスラの EV車やトヨタの ハイブリッド車向けに供給され、世界トップシェア。
今後が注目されますね。
ニッセイ/コムジェスト新興国成長株ファンド(資産成長型)【愛称:エマージング・セレクト(成長)】
2017年10月に設定されたファンドです。
主に新興国の会社に投資しています。
純資産総額、受益権総口数の推移です。
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2022年4月は前月末比で受益権総口数が減少、ファンドへの資金純流出となりました。4ヶ月ぶりの資金純流出です。
投資先の概況はこんな推移となっています。
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投資先は前月末から3減、32社です。
コムジェストさんのWebサイトで 2022年3月末基準の四半期レポートがリリースされました。
https://www.comgest.co.jp/wp-content/uploads/2022/05/e1489fa9cca084451b2f0ec0cf53ad25.pdf
2022年1〜3月の売買行動について次のように述べられています。
当四半期はB3(ブラジル/証券取引所)、上海汽車(中国/自動車大手)、TCSグループ・ホールディング(ロシア/フィン テック)3企業の売却を実施、新規投資はありませんでした。
ロシアの会社については、投資開始して間も無くにウクライナ侵攻。全売却となりました。B3、上海汽車ともに2016年12月のマザーファンド第9期末以前からの投資先でした。
2022年4月末、ファンドでの比率 上位10社です。
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前月末との比較では2社が入れ替わりました。
1年前、2021年4月末との比較では5社が入れ替わっています。
パフォーマンス。3年リターンの推移。新興国株式のインデックスファンドと比較してみました。
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ここまで0勝19敗となっています。
ファンドの月次レポートです。
ESGフォーカス コムジェスト・クオリティグロース・日本株式ファンド
2021年3月に設定されたファンドです。
日本の会社が主な投資対象です。
純資産総額・受益権総口数です。
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2022年4月は前月末比で受益権総口数が増加、ファンドへの資金純流入となりました。
投資先の業種別推移です。
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2022年4月末の投資先は前月末から1社増、44社。
2022年1〜3月の投資行動は次のように述べられています。
当四半期は、ヤマハ(音響・楽器大手)を全売却し、NTTデータ(情報技術)に新規投資を実施しました。
2022年4月末の上位10社です。
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2022年4月末では、前月末から1社入れ替わり。
組入期はマザーファンドの決算期です。2021年12月の決算期が「6」です。
1年前、2021年4月末との比較では、7社入れ替わっています。
ESGフォーカス コムジェスト・クオリティグロース・世界株式ファンド
2021年3月に設定されたファンドです。
世界中(日本含む)の会社に投資するファンドです。
純資産総額・受益権総口数です。
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こちらは前月末比で受益権総口数が増加、2ヶ月連続でファンドへの資金純流入となりました。
投資先の推移です。販売用資料を参考にしました。
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2022年4月末、投資先は前月末から1社減、37社に。
2022年1〜3月の投資行動は次のように述べられています。
当四半期は、新たな投資機会が期待される企業として、クレジットカード等の大手総合決済プロセッサーのアディエン(オラン ダ/情報技術)、マウスピース型歯列矯正装置(クリアアライナー)でシェア8割を有するアライン・テクノロジー(アメリカ/ヘ ルスケア)、エシロールルックスオティカ(フランス/一般消費材・サービス)、求職プラットフォーム米「インディード」等を傘下に 持つリクルートホールディングス(日本/一般消費材・サービス)、世界最大のスポーツ用品メーカーナイキ(アメリカ/一般 消費材・サービス)の計5銘柄に新規投資を実施しました。
一方で、メドトロニック(アメリカ/ヘルスケア)、ロシュ・ホールディング(スイス/ヘルスケア)、ウォルマート(アメリカ/生活 必需品)、MTUエアロエンジンズ(ドイツ/資本財・サービス)の計4銘柄を成長見通しの低下、株価水準の観点等から全 売却しました。
5社に新規投資の一方、4社を全売却したとのことでした。
上位10社です。
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2022年4月末、前月末から2社入れ替わっています。
1年前、2021年4月末からは5社入れ替わっています。
投資先紹介は、
日本株式ファンドから 日本空港ビルデング、住友金属鉱山
世界株式ファンドから エクスペリアン、AIAグループが紹介されています。
3つのファンドの投資先の会社を眺めていると好奇心が刺激されます。
来月も楽しみです。
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