あなたはどこから来たのか
先日、紹介記事をつくった2冊の本。
ともにタイトルの中に”企業価値”が含まれています。
”企業価値”は企業がこれから将来生み出すキャッシュフローから試算する、と2つの本ともに説明しています。将来、未来を描き、その絵を現在の価値に換算する(資本コスト等で割引く)。
投資の成果、果実は、将来、未来からやってくるものだ、と。
しかし、その将来、未来を描くためには、沿革・歴史が重要だ、ということを両方の本が指摘しています。とりわけ強く印象に残ったのが
「あなたはどこから来たのか」
という問いです。これは #新解釈コーポレートファイナンス理論 のエピローグで登場する3つの問いのうちの一つです(このエピローグは本を見事に締め括っており、この本を読み通した人にはぜひ味わっていただきたい、そう強く思いました)。
この問いは次のように言い換えられています。
過去、これまで辿ってきた道程、その出発点は必ず現在につながっているし、未来にもつながっている。そこに関心を寄せることの大切さが述べられています。
#10倍株の思考法 ではコラム”沿革を知ると、未来が分かる(かもしれない)”で沿革が、将来、未来を描く助けになることを強調されています。
こんな資料を見つけました。
みさき投資 中神康議さんの2017年の講演資料から です。
https://www.jpx.co.jp/equities/listed-co/award/nlsgeu000002dzl5-att/yamashita_nakagami.pdf
「長期投資家」とは「長期調査家」
どんな調査を投資前に行うか、の一例だそうです。この中で「社史を読み解く」「役員人事の変遷」等の項目が示されています。
投資するべきか否か、その判断の過程で「あなたはどこから来たのか」は理解すべき必須事項であると想像されます。
おおぶねシリーズを運営する農林中金バリューインベストメンツ #NVIC さんのWebサイトにこんなページができていました。
おおぶねJAPANの受益者向けの月次レポートを再編集したものです。
オリエンタルランドさんが詳しく紹介されているのですが、あります!
有価証券報告書に記載の沿革です。
有価証券報告書をそのまま貼り付けたわけではなく、NVICさんの視点から見た「エポック」を切り取られていることが分かります。
「投資家は、企業を支えてきたリレーの中で、いまバトンを持つ走者である」
#10倍株の思考法 著者の ろくすけさんのブログで深〜〜〜〜〜く頷いた言葉です。
バトンをしっかりと握り続けていたい、そう思わせてくれる会社、ファンドに出会いたいと思います。そう思わせるものの一つが「沿革」です。
僕の場合、保有する投資信託を通じて新しい投資先、会社と出会います。その際「沿革」にはより多くの注意、関心を向けたいな、という気づきを得ました。
沿革については 2年前にも記事をつくっていました。
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