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キャピタルアロケーション ー どんな会社、どんな業種のオーナーなのか? #27 と 投信概況 第171回

このマガジン は株価指数に連動するETFのポートフォリオを定点観測することで、その種のポートフォリオを保有することは、どんな会社、どんな業種の「オーナー」になることなのか、を眺めてみる試みです。

投資信託協会 の月次発表資料からざっくり数字を拾う「投信概況」もこちらに書いています。

投信概況のバックナンバーです。


1. TOPIX

このETFのデータを基にして作成した表です。

実は、このデータは2020年9月末、2021年9月末、2022年9月末も持っています。2023年9月末のトップ30のうち黄色で塗った 日本たばこ産業、パナソニックホールディングスさんが上記の3つの時点で一度もトップ30に居なかった会社です。一方、2023年9月末含めて4つの時点全てでトップ30に入っていたのは25社です(前回は25社)。

前月末との比較すると、入れ替わりは2社でした。

業種別はこちらのETFのデータから。


前月との比較では、銀行業と卸売業の順位が入れ替わりました。

2. 日経株価指数


2020年9月末、2021年9月末、2022年9月末、3つの時点で一度もトップ30入りが無かったのが黄色で塗った 本田技研工業さん、デンソーさん、レーザーテックさん、豊田通商さんです。2023年9月末含めて、4つの時点でトップ30に居続けているのが30社のうち24社です(前回は21社)。

前月末との比較では入れ替わりは1社です。

業種別はこちらのETFのデータ からです。


1年前との比較では、輸送用機器とサービス業が入れ替わりました。精密機器に代わって卸売業がトップ10に。

3. Russell/NOMURA Small Cap Coreインデックス

このETFは3月に上場廃止になりました。

https://nextfunds.jp/data/2023/td_230310a.pdf

4. JPX 日経中小型株指数


黄色で塗った5社が2021年9月末、2022年9月末、2023年9月末ともにトップ30入りしている会社です。前回は8社が3時点全てでトップ30に入っていました。

前月末との比較では3社が入れ替わっています。

業種別です。

前月末と比べると卸売業と情報・通信業の順位が入れ替わりました。1年前と比べると大きく変動していますが、これは指数を構成する会社の入れ替えが影響しています。

JPX 日経インデックス 400 及び JPX 日経中小型株指数の構成銘柄の定期入替について

5. S&P 500


30社全て 2020年9月末、2021年9月末、2022年9月末の時点で一度はトップ30に入っていました。2020年9月末、2021年9月末、2022年9月末、2023年9月末の4時点ともにトップ30入りしているのは15社です(前回は15社)。

前月末との比較では1社、入れ替わりました。

業種別は こちらのETF で。


前年と見比べると、金融と一般消費財・サービス、素材と公益が入れ替わりました。

6. MSCI ACWI Index


2021年9月末、2022年9月末の両方の時点でトップ30に入っていなかったのが、黄色で塗った3社です。2021年9月末、2022年9月末、2023年9月末、この3時点全てでトップ30入りしているのは19社です(前回は19社)。

前月末との比較では4社入れ替わっています。

業種別は 日本を除いたポートフォリオになっているこのETFからです。


7. NASDAQ 100


黄色で塗った3社は2022年9月末はトップ30に入っていませんでした。

業種別はこちらのETFからです。


上位10社、上位20社、上位30社への集中度の推移

上のデータを作成した6つのETFについて、上位10社、上位20社、上位30社のウエイトがどうなっているのか、どんな風に変化してきたのか、を見たのが下表です。

上位10社

上位20社

上位30社


この上位投資先への集中度には特に関心を持っています。

こんな仮説を持っています。

パッシブ運用の割合が高まれば高まるほど、インデックスファンドの上位投資先への集中度が高まる。

パッシブ運用は通常、時価総額の大きな会社から順に「買収」していくことになると考えられます。ですから、パッシブ運用が相対的に増えると、時価総額の大きな会社への集中度が高まっていく。こう考えたのです。

上表を見る限り、多くの株価指数で上位の会社への集中度がじわじわと高まっているように感じられます。こうした状況をどう考えるのか、どう捉えるのか。これこそが僕がこの定点観測で抱いている「問い」です。

じっくりと観察を続けていきたいと考えています。

投信概況 2023年9月末

noteに引っ越して8回目です。

データはこちらからです。

株式投信の残高が4ヶ月連続で170兆円超え。前月末比9,817億円の減少となりました。

9月は設定額>解約額となりました。4ヶ月連続です。運用で2兆3,337億円の減少があったことで純資産総額が減少しました。

個人的に注目の投信会社です。

次回をお楽しみに。

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