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いつ投資を始めたか、どのくらいの期間保有しているのか、知りたいよねっ! #月次レポート研究所

月次レポート研究所です。

先月のポッドキャストです。

このポッドキャストで吉田さんと読んでいたのはこちらのレポートです。

https://www.am.mufg.jp/text/253406s_220818_2.pdf

このレポートについて、こんな話をしていました。

個人的にいいなと思うのが、保有開始の時期が全ての会社について書かれているところです。例えばメイチュアンの場合は2018年9月にスタートしてます。3位のAmazonになると、2004年11月に投資開始してますということで、

いや、これ投資した時期とか見ると、もう参りました!って感じで。こういうのが大事だなって思います。私は投資信託に任せるより自分で買っちゃった方がいいじゃない、って思っちゃうんですけど、Amazonを2004年の11月に投資をはじめたと言われると、これはちょっと叶わないなって思わされます。

ここでお話ししていたこと、めちゃくちゃ重要だと考えているのであらためて強調しておきたいのです。

https://www.am.mufg.jp/text/253406s_220818_2.pdf

ベイリー・ギフォードさんが実質的な運営を担っているもう一つのファンド、ポジティブ・チェンジ。こちらのファンドも同じくファンドの保有開始の時期が具体的に、全ての投資先について、示されています。

https://www.am.mufg.jp/text/253603s_220929.pdf

全組入銘柄リポート、いつから投資を開始したのか全銘柄で記載されていてどんな値動きなのかわかるのがいいですよね。

m@さんもこの情報発信を評価されていますね。

ファンドの個々の投資先、その株式への投資をいつから始めたのか、を具体的に示すことは、そのファンドがどんな投資を実践しているのかを示す非常に参考になります。

しかし、です。

この種のデータを具体的に、投資先ごとに示しているファンドはほとんど見当たりません。過去の運用報告書(全体版)を確認するなどのやり方はありますが非常に手間が掛かります。そもそもですが、この種のデータを示すことはとても簡単なことのはずです。

「いつから投資を開始しているか」が分かると、こんなグラフをつくることもできます。

2022年6月末、ロイヤル・マイル 投資先別の保有期間
2022年7月末、ポジティブ・チェンジ 投資先別の保有期間

投資先個々、全ての投資先について投資開始時期を示しているファンド。
ポッドキャストでも紹介しましたが、このファンドです。


https://www.daiwa-am.co.jp/fundletter/20220812_01.pdf

素晴らしい情報発信ですね。こちらもグラフをつくってみました。

このファンドについては一つ、頭の隅に置いておきたい点があります。どの程度重要視すべきか、ということなのですが。

この投資先の投資開始月は1984年1月とされています。
一方で、このファンドの運用方針と同じと推測される本家の資料によると

https://www.walterscott.com/wp-content/uploads/2022/07/Factsheet-Global-Equity-USD-Q2-2022.pdf

運用方針の開始が 1985年12月31日 となっていまして、↑のADPはそれ以前から投資している、となっています。資料の脚注を見るとこう述べられています。

なお投資開始時期はウォルター・スコットが用いる同様の運用プロセスにより運用するいずれかの戦略で投資を開始した時期を示しており、 当ファンドにおける投資開始時期とは異なります。

いずれかの戦略で」というのはちょっと長めに数字が出ちゃいますよね。

とはいえ、です。
キーエンスに1993年6月から投資している、というのはスゴいですよね。

「売買回転率」も注目の要素ではあるのですが

https://www.am.mufg.jp/text/253406s_220818.pdf
https://www.am.mufg.jp/text/253603s_220818.pdf
https://www.nvic.co.jp/data/fund/obune_global/id401002_report1_220916.pdf

コモンズ30ファンドの目論見書

コモンズ投信さんの コモンズ30ファンド、目論見書に小さめの字で記載されているのですが:

※投資先企業31社の平均保有(投資)年数は10.5年(2022年1月末時点)となっております。なお、10年以上保有が21社、5年以上10年未満が8社、5年未 満が2社となっております。

https://www.commons30.jp/fund30/pdf/pdf-id-2204.pdf

目論見書にこの種の数値が示されている例も実は少なくて、この姿勢は高く評価しています。投資先個社について具体的に保有開始時期、期間を示したら良いのに、って思います。

運用報告書(全体版)では投資先が個別に紹介されています。

https://www.commons30.jp/fund30/pdf/pdf-id-13-2.pdf

右端に1列追加して、投資開始時期を載せれば良いのに、って思うんです。

個々の投資先について、いつから投資しているのか、どのくらい保有しているのか、を知りたいな、と強く思います。
それらを分かりやすく認識できるようになってほしい、って。

さらに一歩進めると、既に全ての株式等を売却済の過去の投資先も含めて、その保有期間がどうなっていたか、にも関心があります。

今回ご紹介したファンドの他にも、全ての投資先について投資開始時期を具体的に示しているファンドってあるのでしょうか。僕はまだ見つけられていません。

「このファンドも同水準の情報開示、発信をしているよ!」というファンドをご存知でしたらこの記事のコメント欄からお知らせくださると嬉しいです。

月次レポートに投資先の保有期間に関するデータが載っている。
これが当たり前になりますように。期待しています。

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