キャピタルアロケーション ー どんな会社、どんな業種のオーナーなのか? #19 と 投信概況 第163回
このマガジン は株価指数に連動するETFのポートフォリオを定点観測することで、その種のポートフォリオを保有することは、どんな会社、どんな業種の「オーナー」になることなのか、を眺めてみる試みです。
今回から 投資信託協会 の月次発表資料からざっくり数字を拾う「投信概況」もこちらに書きます。
投信概況のバックナンバーです。
1. TOPIX
このETFのデータを基にして作成した表です。
実は、このデータは2020年1月末、2021年1月末、2022年1月末も持っています。2023年1月末のトップ30社のうち、この4つの時点で、今回初めてトップ30に入ったのは黄色で塗った、富士通さんだけでした。2023年1月末含めて4つの時点全てでトップ30に入っていたのは23社です(前回は22社)。
前月末との比較では1社入れ替わりがありました。
業種別はこちらのETFのデータから。
1年前と比べると順位の入れ替わり、結構あります。
2. 日経株価指数
2020年1月末、2021年1月末、2022年1月末、3つの時点で一度もトップ30入りが無かったのが黄色で塗った HOYA さんです。2023年1月末含めて、4つの時点でトップ30に居続けているのが30社のうち24社です(前回は24社)。
前月末との比較では、トップ30のメンバーは1社入れ替わっています。
業種別はこちらのETFのデータ からです。
2022年12月と比べると、情報・通信業と小売業の順位が入れ替わりました。
3. Russell/NOMURA Small Cap Coreインデックス
せ、整理銘柄、、、このETFは3月に上場廃止だそうです。
次回が最終回ですね、、、
2021年1月末、2022年1月末、2023年1月末と3つの時点全てでトップ30に入っている会社はゼロです。
前月末との比較では3社が入れ替わっています。
業種別です。
2022年12月末と比べると、電気機器が2位に来ました。
4. JPX 日経中小型株指数
黄色で塗った9社が2021年1月末、2022年1月末、2023年1月末ともにトップ30入りしている会社です。前回は8社が3時点全てでトップ30に入っていました。
前月末との比較では3社が入れ替わっています。
業種別です。
2022年12月末と比べると機械、電気機器が順位を上げています。
5. S&P 500
黄色で塗った3社 は 2020年1月末、2021年1月末、2022年1月末の全ての時点で一度もトップ30に入っていなかった会社です。2020年1月末、2021年1月末、2022年1月末、2023年1月末の4時点ともにトップ30入りしているのは16社です(前回は17社)。
前月末との比較では入れ替わりはありません。
業種別は こちらのETF で。
前月末から順位に変動ありません。
6. MSCI ACWI Index
2021年1月末、2022年1月末の両方の時点でトップ30に入っていなかったのが、黄色で塗った4社です。2021年1月末、2022年1月末、2023年1月末、この3時点全てでトップ30入りしているのは21社です(前回は20社)。
前月末との比較では2社、入れ替わっています。
業種別は 日本を除いたポートフォリオになっているこのETFからです。
7. NASDAQ 100
黄色で塗った2社は2022年1月末はトップ30に入っていませんでした。
業種別はこちらのETFからです。
前月末との比較では、ヘルスケアと生活必需品の順位が入れ替わっています。
上位10社、上位20社、上位30社への集中度の推移
上のデータを作成した6つのETFについて、上位10社、上位20社、上位30社のウエイトがどうなっているのか、どんな風に変化してきたのか、を見たのが下表です。
上位10社
上位20社
上位30社
この上位投資先への集中度には特に関心を持っています。
こんな仮説を持っています。
パッシブ運用の割合が高まれば高まるほど、インデックスファンドの上位投資先への集中度が高まる。
パッシブ運用は通常、時価総額の大きな会社から順に「買収」していくことになると考えられます。ですから、パッシブ運用が相対的に増えると、時価総額の大きな会社への集中度が高まっていく。こう考えたのです。
上記の表を見る限り、上位の会社への集中度がじわじわと高まっているように感じられます。こうした状況をどう考えるのか、どう捉えるのか。
これこそが僕がこの定点観測で抱いている「問い」です。
じっくりと観察を続けていきたいと考えています。
投信概況 2023年1月末
今回からnoteに記録することにしました。
データはこちらからです。
次回をお楽しみに。