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スパークス『厳選投資』ウオッチ #81 (2022年2月末)

アクティブファンド『厳選投資』を毎月買付けています。

『厳選投資』は、スパークス・新・国際優良日本株ファンド

の愛称です。

毎月、定点観測を続けています。今回が81回目です。

今回は月次レポートから観測します。

「魅力的なビジネスと卓越した経営陣を併せ持つ企業を安く買う」に変わりはありません。

ファンドの現状について、主に2つの角度から大変詳しく説明されています。
一つは「絶対リターン」、もう一つは「相対リターン」です。
「絶対リターン」については現状を次のように説明されています。

長期金利上昇で PER が切り下がることによる株価下押し圧力はあるものの、利益成長による株価押上 げ要因は健在ですが、利益成長に時間がかかるのは致し方ないと、当ファンドは考えます。

https://www.sparx.co.jp/mutual/uploads/pdf/gen.pdf

ここで挙げられたのが投資先の #日本電産  さん、 #キーエンス  さんです。

一方で PER 切り下がりリスクがあまりなく、当ファンドの絶対リターンの牽引が期待できる銘柄群もしっかり存在し ます。今後バリュー株からグロース株への変貌を遂げると期待される日立製作所や三菱商事などです。

この文脈では #ソフトバンクグループ  さんについてもコメントされています。

高 PER でありながらもインターネット企業やプラットフォーム型企業特有の飛躍的な利益成長ポテンシャルを持つ 当ファンド組入銘柄にも注目です。PER 切り下がりを上回るペースで利益成長できるビジネスであれば、株価の絶対水準は切り上がっていくと考えるためです。

例に挙げられているのが #リクルートホールディングス  さん、 #メルカリ  さんです。

「相対リターン」については次のようなコメントです。

近年経験したことのない相対リターンのマイナスを余儀なくされていますが、当ファンド組入銘柄は参入障壁に裏打ちされた高い利益成長実績を持 ち、今後もグローバルで膨大な成長余地が残されていると判断し、自信を持って保有を継続します。当ファンドはこれ まで下げ相場局面でリターンの悪化を最小限に留めることで良好な運用成績を残してきましたが、長い運用経験の中では時として今回のような大きな試練もありうるべしとのスタンスです。

この後に続きます。

”当ファンドの投資哲学である「魅力的なビジ ネスと卓越した経営陣を併せ持つ企業を安く買う」に変わりはありません。”

この一貫性こそが何よりも何よりも大事だと僕は思います。

株式投資が一般的に難しいと言われるのは、「長期」という時間軸が一般の市場参加 者が許容できる範囲を超えてしまっているところにあります。株式投資で成功するために必要なのは忍耐強さである ということ肝に銘じて引き続き日々の運用にあたっていく所存です。

投資先の具体例をきちんと挙げて、ファンドの考え方、哲学が示されていて素晴らしいレポートだと感じました。受益者の方には、ご一読を強くお勧めします。

数字・データを定点観測

純資産総額・受益権総口数

『厳選投資』は2008年3月に設定されていますが、あまり昔を振り返っても仕方ないので、起点を2014年6月とします。

受益権総口数 推移

2月は前月末比で5.8億口増加、ファンドへの資金純流入となりました。これでファンドへの13ヶ月連続で資金純流入です。1月に比べると増加口数が増加しているのは心強いです。受益権総口数 314億口を超えました。ファンド未踏の400億口が見えてくるか、今年の注目点ですね。

上表の通り、数ヶ月(大きな)増加が続いた後に、数ヶ月連続で減少=ファンドからの資金純流出ということが何度も見られます。今後の推移は非常に、非常に気になるところ。特に注意しています。

ポートフォリオ、上位5社の顔ぶれ

月次レポート からです。

2022年2月末のポートフォリオの概要です。

2022年2月末

前月末です。

2022年1月末

投資先は増減なく、16社です。

上位5社のメンバー、 #ソフトバンクグループ  さんがカムバックです。

上位5業種ですが、メンバー、順位に変動なしです。

業種別の推移です。

業種の推移

1年前、2年前は医薬品、2017年から2020年にかけては化学が大きなウエイトをしめていたことがわかりますね。

パフォーマンス(ローリングリターン/5年・10年)

パフォーマンスです。

ローリングリターン 5年(年率)

5年間保有のデータ期間数は108。うちマイナス発生はゼロです。

最大値 30.0%(年率):2012年5月末〜2017年5月末、
最小値 6.1%(年率):2015年3月末〜2020年3月末、
108個の期間の中央値 17.3%(年率)となっています。5年保有していたら、半分くらいの確率で投資額が約2.21倍になるような感じです。

10年リターンの推移です。

こちらはデータ期間数が48個です。

ご覧の通り、最小値が2010年3月末〜2020年3月末の12.6%(年率)です。最小値のケースでも10年保有していたら投資額の2.2倍以上になっていたことになります。中央値は16.5%(年率)、4.62倍です。

1年リターンの直近60ヶ月平均を追いかけてみます。2017年3月から2022年2月の60ヶ月の平均は15.1%となっています。前回から▲0.5%です。

国内株式の代表的な株価指数に連動するETFと比べてみるとこんな感じです。

TOPIX連動型ETF 10.2%、日経225連動型ETF 13.0%


つみたてシミュレーション

続いて、つみたてシミュレーション です。
ファンドの設定以来、毎月末に10,000円ずつコツコツ買い付け続けたら2022年2月末にどうなっているか、その行動を開始した月によってどのように違いが出るかを試算したものです。このシミュレーションの起点は2008年3月末とします。

4月からのリニューアル を見据えて、
コツコツ投資の実際 ほかは「有料」とさせていただきます。
マガジン「アクティブファンドを眺めてみた」の定期購読をご検討してくださると嬉しいです。


このファンドの定点観測、バックナンバーは以下からご覧ください。

こちらの動画。ファンドの特徴が詳しく説明されています。

スパークスさんのnoteもぜひご覧ください!

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