15年半で+618%のパフォーマンス(年率換算 13.58%)と試算できた、13銘柄の厳選投資ポートフォリオの話
4063 4668 4684 4732 4919 7504 7517 7560 7564 8028 8279 9058 9989
4917 6730 9843
4桁の数字を16個並べてみました。カンの良い方ならすぐにお気づきでしょう。
そうです、証券コードです。16社で構成されたポートフォリオです。誰が、いつ、つくったポートフォリオなのでしょうか。もしかしたら、ポートフォリオをつくったご本人も忘れているかもしれません。
たとえば、7517。こちらは黒田電気さんの証券コードですが、2018年に上場廃止となっています。
全然話が変わってしまうのですが、僕は大学でゼミという体験をすることなく卒業しています。くわえて、いわゆる卒論なるものも書かずに卒業しています。おせわになった学部はペーパーテストで単位を取れば卒業できたんです。
今、僕の長男が大学生なんですが、ゼミの話を聞いても全然ピンとこないんですよね、僕自身が未経験ですから。長男が通う大学は1年からゼミが必須のようです。なんだか羨ましいような、そんな感じです。
突然、ゼミの話になった理由は最後にわかります。
では、証券コードの話に戻りましょう。
実は、この16銘柄(の一部)で構成されたポートフォリオは配当抜きで、15年半で
+618%のパフォーマンス(年率換算 13.58%)
と試算することができました。銘柄一つずつ、みていきましょう。
4063
Yahoo! ファイナンスの時系列で確認すると、2009年3月末の終値は、その後の株式分割を調整すると954円でした。
2024年9月20日の終値は 5,862円。6倍以上になっています。
4668
Yahoo! ファイナンスの時系列で確認すると、2009年3月末の終値は432円でした。
2024年9月20日の終値は 683円。+58%です。
4684
Yahoo! ファイナンスの時系列で確認すると、2009年3月末の終値は、その後の株式分割を調整すると1,230円でした。
2024年9月20日の終値は 25,300円。20倍以上!になっています。
4732
Yahoo! ファイナンスの時系列で確認すると、2009年3月末の終値は、その後の株式分割を調整すると215円でした。
2024年9月20日の終値は 1,338.5円。6倍以上になっています。
4919
Yahoo! ファイナンスの時系列で確認すると、2009年3月末の終値は、その後の株式分割を調整すると797.35円でした。
2024年9月20日の終値は 3,018円。4倍近くになっています。
7504
Yahoo! ファイナンスの時系列で確認すると、2009年3月末の終値は522円でした。
2024年9月20日の終値は 2,500円。5倍近くになっています。
7517
既に上場廃止となっています。
TOBの価格は一株 2,720円でした。
Yahoo! ファイナンスの時系列で確認すると、2009年3月末の終値は540円でしたので、TOBで売却すれば5倍以上になっていました。
7560
こちらも既に上場廃止となっています。
TOBの価格は一株 1,350円でした。
2009年3月末の株価は見つけ出せずでした。
7564
Yahoo! ファイナンスの時系列で確認すると、2009年3月末の終値は、その後の株式分割を調整すると262.5円でした。
2024年9月20日の終値は 4,280円。16倍以上になっています。
8028
上場廃止となっています。2020年7月から8月にかけてTOB。価格が安すぎるという決定が出ていますが、一株 2,300円。
Yahoo! ファイナンスの時系列で確認すると、2009年3月末の終値は、その後の株式分割を調整すると750円でした。
TOBで売却すると3倍超でした。
8279
Yahoo! ファイナンスの時系列で確認すると、2009年3月末の終値は、その後の株式分割を調整すると1,437.5円でした。
2024年9月20日の終値は 9,963円。7倍近くになっています。
9058
最近、TOBが発表されましたね。
https://www.trancom.co.jp/files/topics/1356_ext_02_0.pdf
一株 10,300円。
Yahoo! ファイナンスの時系列で確認すると、2009年3月末の終値は、その後の株式分割を調整すると890円でした。
TOBに応募、売却で11倍超になります。
9989
Yahoo! ファイナンスの時系列で確認すると、2009年3月末の終値は、その後の株式分割を調整すると751円でした。
2024年9月20日の終値は 4,127円。5倍以上になっています。
4917
Yahoo! ファイナンスの時系列で確認すると、2009年3月末の終値は、その後の株式分割を調整すると815.5円でした。
2024年9月20日の終値は 1,235円。+51%になっています。
6730
Yahoo! ファイナンスの時系列で確認すると、2009年3月末の終値は3,320円でした。
2024年9月20日の終値は 1,371円。半分以下になっています。ポートフォリオを構成していた16社のうち、唯一のマイナスです。
9843
Yahoo! ファイナンスの時系列で確認すると、2009年3月末の終値は、その後の株式分割を調整すると2,760円でした。
2024年9月20日の終値は 22,250円。8倍以上になっています。
2009年3月末を起点にしている理由
2009年3月といえば、リーマンショック以降の金融危機で日経平均が最安値 7,054.98円を付けた月です。
なぜその月末の株価終値を基準にしているのか、その理由はこの16銘柄で構成されたポートフォリオは2009年2月の終わりから3月にかけて発表されたと推測されるからです。
16社のうち、上場廃止となった3社を除いた13社を等金額で買い付けていたとしたら、どうなっていたか試算してみました。
時価は7.18倍になっています。これは配当を含めていないので配当も加えたらさらに大きな倍率になります。
日経平均株価は同じ期間で4.65倍です。TOPIXはETF(1306)で計算してみると3.44倍。したがって、この13銘柄ポートフォリオは日本を代表する2つの株価指数に圧勝していました。
このポートフォリオですが、最後の3つの銘柄は「補欠」的な存在でした。「補欠」を除いた10銘柄だと、8.34倍と試算されました。
そろそろ、この非常に優れた成績を残したポートフォリオを誰がつくったか、にいってみましょう。
こちらのページをご覧ください。
2008年度の第9回日経STOCKリーグ。この結果発表があったのが2009年2月27日でした。
この大会で大学部門で部門賞を取ったのが一橋大学でした。レポートのタイトルは「恐慌を超える ~“否定する”企業たち~」でした。
このレポートを以下のページでご覧になることができます。
レポートに載せられていたポートフォリオです。
上表でも最後の3つの銘柄は白く塗られています。
レポートによると「補欠」ではなく”特別枠”となっていました。
ポートフォリオのウエイトも”特別枠”は少なめになっていました。
とにもかくにも、この15年余りの間にはいろいろありましたが、このポートフォリオが素晴らしいパフォーマンスを残したのは確かでしょう。
厳選のポートフォリオを我慢強く持ち続けてみるのもいいかも、と感じませんか。
めでたし、めでたし、
と、話はここでは終わりません。
このポートフォリオをつくり、レポートをつくった人たちのことを知りたくなりました。
レポートに書かれた「投資の意義」が素晴らしいのです。
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