キャピタルアロケーション　ー　どんな会社、どんな業種のオーナーなのか？　#37　と　投信概況　第181回

このマガジンは株価指数に連動するETFのポートフォリオを定点観測しています。

その種のポートフォリオを保有することは、どんな会社、どんな業種の「オーナー」になることなのか、を眺めてみる試みです。

投資信託協会　の月次発表資料からざっくり数字を拾う「投信概況」もこちらに書いています。

投信概況のバックナンバーです。

投信概況 | rennyの備忘録 （企業価値増大を楽しむ投資）

1. TOPIX

ＮＥＸＴ ＦＵＮＤＳ ＴＯＰＩＸ連動型上場投信（1306） | NEXT FUNDS

このETFのデータを基にして作成した表です。

実は、このデータは2021年7月末、2022年7月末、2023年7月末も持っています。2024年7月末のトップ30のうち黄色で塗った3社が上記の3つの時点で一度もトップ30に居なかった会社です。一方、2024年7月末含めて4つの時点全てでトップ30に入っていたのは24社です（前回は23社）。

前月末との比較すると、入れ替わりは1社でした。

業種別はこちらのETFのデータから。

1308 - 上場インデックスファンドTOPIX

前月末との比較では、銀行業と輸送用機器、化学と機械、医薬品とサービス業の順位が入れ替わっています。

2. 日経株価指数

ＮＥＸＴ ＦＵＮＤＳ 日経２２５連動型上場投信（1321） | NEXT FUNDS

2021年7月末、2022年7月末、2023年7月末、3つの時点で一度もトップ30入りが無かったのが黄色で塗った3社です。2024年7月末含めて、4つの時点でトップ30に居続けているのが30社のうち23社です（前回は23社）。

前月末との比較では入れ替わりは1社です。

業種別はこちらのETFのデータ　からです。

1330 - 上場インデックスファンド 225

前月末から順位の入れ替わりはありません。

3. Russell/NOMURA Small Cap Coreインデックス

NEXT FUNDS ラッセル野村小型コア・インデックス連動型上場投信 (愛称:NF・RN小型コアETF) | 投資信託情報 | 野村アセットマネジメント

このETFは昨年3月に上場廃止になりました。

https://nextfunds.jp/data/2023/td_230310a.pdf

4. JPX 日経中小型株指数

ＭＡＸＩＳ ＪＰＸ 日経中小型株指数上場投信 | 投資信託なら三菱UFJアセットマネジメント

このETFも上場廃止に、、、

https://www.am.mufg.jp/fund/topics/__icsFiles/afieldfile/2024/03/13/20240313_181492.pdf

JPX 日経インデックス 400 及び JPX 日経中小型株指数の構成銘柄の定期入替について

5. S&P 500

iシェアーズ・コア S&P 500 ETF

30社のうち　2021年7月末、2022年7月末、2023年7月末の時点で一度もトップ30入りしたことがなかった会社はゼロでした。2021年7月末、2022年7月末、2023年7月末、2024年7月末の4時点ともにトップ30入りしているのは20社です（前回は18社）。

前月末からの入れ替わりは1社です。

業種別は　こちらのETF で。

1547 - 上場インデックスファンド米国株式（S&P500）

前月末と比べると、不動産と素材の順位が入れ替わりました。

6. MSCI ACWI Index

iシェアーズ MSCI ACWI ETF

2022年7月末、2023年7月末の両方の時点でトップ30に入っていなかったのが、黄色で塗った2社です。2022年7月末、2023年7月末、2024年7月末、この3時点全てでトップ30入りしているのは20社です（前回は21社）。

前月末との比較では1社入れ替わっています。

業種別は　日本を除いたポートフォリオになっているこのETFからです。

1554 - 上場インデックスファンド世界株式（MSCI ACWI）除く日本

7. NASDAQ 100

ＮＥＸＴ ＦＵＮＤＳ ＮＡＳＤＡＱ－１００Ⓡ（為替ヘッジなし）連動型上場投信（1545） | NEXT FUNDS

黄色で塗った4社は2023年7月末はトップ30に入っていませんでした。

業種別はこちらのETFからです。

2568 - 上場インデックスファンド米国株式（NASDAQ100）為替ヘッジなし

上位10社、上位20社、上位30社への集中度の推移

上のデータを作成した6つのETFについて、上位10社、上位20社、上位30社のウエイトがどうなっているのか、どんな風に変化してきたのか、を見たのが下表です。

上位10社

上位20社

上位30社

---

この上位投資先への集中度には特に関心を持っています。

こんな仮説を持っています。

パッシブ運用の割合が高まれば高まるほど、インデックスファンドの上位投資先への集中度が高まる。

パッシブ運用は通常、時価総額の大きな会社から順に「買収」していくことになると考えられます。ですから、パッシブ運用が相対的に増えると、時価総額の大きな会社への集中度が高まっていく。こう考えたのです。

上表を見る限り、多くの株価指数で上位の会社への集中度がじわじわと高まっているように感じられます。こうした状況をどう考えるのか、どう捉えるのか。これこそが僕がこの定点観測で抱いている「問い」です。

2024年6月末に続いて、7月末でもIVV（S&P500に連動を目指すETF）で上位30社の構成比が50％台となっています。

5年前、2019年7月末ではほぼ40％でした。この5年で約10ポイント上昇したことになります。

じっくりと観察を続けていきたいと考えています。

投信概況　2024年7月末

noteに引っ越して18回目です。

データはこちらからです。

統計データ - 投資信託協会

株式投信の残高が216兆円、前月末比　5兆5,518億円減少。

6ヶ月連続の200兆円超。

7月も設定額＞解約額となりました。8ヶ月連続です。

個人的に注目の投信会社です。

次回をお楽しみに。