インデックスファンドとフィデューシャリーデューティー(びーめん 2015 第16回)
びーめん 2015、第16回です。
今回のテーマは
インデックスファンドとフィデューシャリー・デューティー
です。後半では、それにちょっぴり絡んだ最近思案している、悩んでいることについても書いてみます。
インデックスファンドの運用を行なう投信会社(運用会社)のフィデューシャリー・デューティーとは何でしょうか。私はこんな風に考えます。
ファンドのベンチマークとしているインデックスにしっかりとフォロー、追随するように運用すること
これに尽きると思います。それを実現するために徹底してコストを適正化するということもフィデューシャリー・デューティーの一つだとは思いますが、これはどんなファンドにも課されているはずです。したがって、インデックスファンドを運用する投信会社が果たすべきフィデューシャリー・デューティーは極めてシンプルです。
上場廃止や東証一部からの除外が懸念される会社の株式を、TOPIXに連動するインデックスファンドを運用する投信会社がポートフォリオから外すという行為が仮にあったとすれば、それはフィデューシャリー・デューティーに違背していることになると私は考えます。つまり、どんなに不適切な会計をしていてもその会社が東証一部に属している限り、TOPIX連動のインデックスファンドを運用する投信会社は組入れを継続するべきだろう、と考えます。
「問題のある会社を買い支えるからインデックスファンドはケシカラン」というのはスジが違う、と私は考えます。
もう少し深掘りしてみましょう。
TOPIX連動のインデックスファンドが例の会社を組入れ続けなければならない理由は、例の会社が東証一部に上場しているからです。では、その判断をしているのは誰か、ということです。東京証券取引所です。諸々の事情を考慮して上場維持、継続という判断を東京証券取引所は行なっているのです。
日本株式の代表的な株価指数をもう一つ、考えてみましょう。
日経225にも例の会社は含まれているようです。東証一部を代表する企業の一つだと日本経済新聞社が判断しているということです。
私はこのように考えます。
TOPIX連動のインデックスファンドを保有していること。それは、例の会社の上場維持を認めている東京証券取引所の判断を「是」とする意思表示である、と。
日経225連動のインデックスファンドを保有していること。それは、例の会社が日本を代表する会社の一つであるという日本経済新聞社の評価を「是」とする意思表示である、と。
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