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【思い付かせる余白】

流行の波に乗っかるのはあまり好きではなかったりして、少年時代から流行りにアンテナを張って来ませんでした。「好きなもの」「良いと思うもの」がはっきりしているわかりやすい少年でしたので、知らないものは知らない、興味のないものは興味がない、という調子でスクスクと育ってきました。これは今も変わっていません。

それでもSNSを観察していると、「流行っている」っぽいものは見かけます。今日はそこから感じる「思い付かせる余白」ということを考えてみました。


流行りの分野を選ばなかったら、この「思い付かせる余白」というのはあちこちで散見されると思うのですが、音楽を例にとってみます。

今年SNSやYouTubeでよく見かける音楽動画をみてみると、なんとなく”庶民っぽい”ニオイが嗅ぎ取れます。これは0-100の話ではなくて、流行っているものに”庶民っぽさ”があるものが増えた?という感覚です。

例えば、「香水」なんかはその1つで、MVをみるとわかると思うのですが、黒い背景をバックにして椅子に座った男性が歌っている。動画に動きがあるとするなら、その周りで踊る女性。めちゃくちゃシンプルなMVですよね。

このMVを下に見ているというわけではないのですが、「なんか自分でも作れそうだな、、」と思いません?椅子なんてどこの家にもあるし、部屋を暗くして歌い手だけにスポットライトを充てたら、それっぽくなりそう。おまけに必要な楽器はギター1本(ギターのコードですがこれまただいぶシンプルです)。

事実、「香水」と検索すると色んな方がカバー(「やってみた」動画)をあげています。YouTuberはもちろん、芸能人がやるものもあれば、日本を代表するようなプロアスリートがやっている動画もあります。仕舞いには、アニメキャラの声でもって歌っている動画もあります。

そして大体どの動画も再生回数が回っていて、多いものだと数千万回再生を超えているものもあります。本家は億を超えているので、名実ともにめちゃくちゃ流行ったと言って良さそうです。ちなみに、この本家の動画は2019年5月末にアップされているので、意外と最近の曲では無いようです。

さらに、ちなみにですが僕は「香水 / 瑛人」を初めてみた時、俳優の「瑛太」が曲出したんだ〜と素で勘違いしていました。
#見間違いも甚だしい


それから、今年の春先コロナ感染に伴って外出自粛の声が上がっていたと思うのですが、あの時爆発的に流行っていたのが「うちで踊ろう / 星野源」です。これもSNSでかなり拡散されていました。色んな形でのカバーも多かったと思います。仕舞いには、安倍元総理もTwitterでコラボ動画をあげて様々な声が上がっていましたね。

この歌の良かったところは、縦構図であるところだと思っています。基本的に動画って横長で撮ると思うのですが、これは編集側、機材の都合であって視聴者の都合ではありません。そもそも人は縦長の生き物なので、縦長で撮るとピタッとハマりそうです。

YouTube(横構図)よりもInstagram(縦構図)のライブ配信などの方が距離が近く感じられるのはこのせいだと思います。


それから、NiziUの「Make you happy」も流行っていたと思います。これはおそらくTiktokで爆発したかと。YouTubeの公式動画をみると2020年6月末に公開されていて、わずか4ヶ月で1.6億回再生されている化物です。この動画の特徴というとなんと言ってもダンスで、「縄跳びダンス」のコピーをSNSでみんな(若者)あげました。公式ダンス動画でも900万回以上再生されています。

楽曲のダンスといえば、6年前に日本中で踊られたランニングマンもそうです。三代目J soul brothersのRYUSEIですね。
#僕も踊れます




▼思い付かせる余白を残しておく


3つ、4つ例をあげてみましたが、ここから見えてくることは「思い付かせる余白」を残しておくことの大切さです。(音楽詳しくないですが)最近の流行りの音楽(MV)は、派手な演出は減ったなと個人的に思います。EXILEのライブみたいないくらかかってんだっていう動画は減って、それよか誰でもコピーできるorアレンジを加えられる動画が増えてきた印象です。
#あいみょんのMVも庶民っぽさを感じる

AKB48のヘビーローテーションみたいな曲はYouTuberが入り込む余白があまりないですよね。


「クオリティー」よりも「余白の量」に需要が出ていることは多分間違い無いです。これは時代の流れなはずで、SNSで皆が拡声器と化してシェアする文化が成熟したからだと思います。「見物」よりも「参加」と置き換えられるかもしれません。みんなスゴいものを”見たい”というよりはそこに”参加したい”欲の方が強まっているということですね。
#人間の4大欲求 :食欲、性欲、睡眠欲、参加欲

参加しやすさが香水の本家の動画の億回再生を生み出したという結果はすでに出ていて、参加させた方が(みんなシェアしてくれるので)広告効果が高いということです。


これは音楽だけでなく、色んなジャンルにも言えることだと思います。参加の障壁を低くした方がかえって注目を集められる可能性が高くなると思います。「BALENCIAGAのTシャツを買った」よりも「BALENCIAGAみたいなカッコ良いデザインのTシャツを作った」の方がみんなからカッコ良いと思われる、みたいな感じ?


この参加ということについて僕自身の活動に当てはめてみます。「北欧情報メディアNorr」というサイトの運営をしていて、サイトへの導線としてインスタグラムもやっています。このNorrからインスタ派生させて、「北欧留学大使」というアカウントも僕個人で管理運営しています。

Norr本垢の方は、編集部の方でコンテンツを考えて北欧に関することを発信していて、一方で留学大使の方は実際に北欧に留学してえる人を巻き込んで発信をお願いしています。

これは先ほどの「見物(Norr本垢)」と「参加(留学大使)」にピタッと当てはまることで、大使を務めてくれる人が何をするかというと「北欧留学大使というアカウントで一週間生活の様子を発信します。良かったら覗いてみてください!」と告知をしてくれます。僕が何も言っていなくても勝手に宣伝してくれるんですね。

一方、Norr本垢といえばほとんど第三者から宣伝してもらったことは無いです。


この「思い付かせる余白」は確実に意識した方が良いなと思っています。



▼Z世代が求める次なるもの


最後に、この大きな時代の流れについてすごく面白く考察したnoteの記事があるので、おすすめして終わろうと思います。

「Premium mediocre」->「Domestic cozy」

これがこの記事の主旨です。ミレニアル世代(ギリギリ僕世代)はその名の通り、プレミアムなもの(高級感)とメディオーカ(平凡)なものの組み合わせを好んだというのがPremium mediocreです。アパレルで言えばラルフローレンとか、ブルックスブラザーズあたり。スタバとかもそう。安物では無いけど手が届かないわけでは無い、みたいな感じです

それに飽きたZ世代は「居心地の良さ」を求め始めた。高級感が強すぎると緊張するから、程々に”ダサいもの”が好まれるようになってきているようです。写真でいうと、ガチガチの一眼レフでバチバチに画質の良い写真よりは、写ルンですにみるようなフィルムっぽい少し霞んだ写真を好む人が増えている(僕の周りに実際何人かいる)。

この辺のマクロな時代の流れは、「余白」と大きく関わっていると思います。


以上ですー!

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https://instagram.com/norr_ambassador


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