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ヴァイキングに関して気になること

Netflixのヴァイキングの内容がどこまで史実に則しているのかを調べようと思ったら、盛大なネタバレを見てしまった松木蓮です。
#そもそも歴史をテーマにしてる時点でネタバレだろ


さて、今日は最近僕の中でアツいヴァイキングの話です。基本的にこのブログは予備知識がなくても共有できるようなことを書いているつもりなのですが、今日は時々くる読んでくださる方を置いてけぼりにしてしまう回です。

Netflixのヴァイキングを見始めて数日が経ったのですが、昨日も夜通し見ていて気付いたら明るくなっていたという感じです。昨夜シーズン2のエピソード10を見ているところで力尽きたようです。全部でシーズン6で、各エピソード数はまちまちで、10の時もあれば20の時もある。全部見終わるのに結構時間がかかります。

ここまで見てきて疑問点がいくつか出てきたので、メモ程度にまとめておこうというのが今日の内容です。伏線回収などに対する解釈というよりは、史実に即した疑問です。


①ヴァイキングの始まりは793年?

まだまだ話が序盤ということで、ヴァイキング初期に対する疑問です。一般的にヴァイキング時代が幕を開けたとするのは793年のイギリス遠征です。ラグナルという農民出身の戦士が西にもっと肥沃な土地があるはずだ、ということで首長ハラルドソンの命令(東へ行け)に抗って仲間を連れて西に向かいます。

そこでたどり着いたのが現在のイギリス北西部にあるリンデスファーンという場所で、この修道院を襲撃します。プリーストらを一刀両断にして建物内の華奢品を根こそぎ持って帰ります。これが793年の話。

ヴァイキングを見ていてバグりそうになるのが、彼らがやっていたことは極めて非人道的です。極悪非道でしか点に注意しておきたいです。突如北からやってきた巨人らが現地民を殺戮して、高価なものを持ち帰るという今でいう不法侵入であることを忘れていはいけません。

突然鍵をこじ開けて、クレジットカードと家宝を持ち去り、それでいて家主を殺めるというなんともいたたまれないことを彼らはしていたんですね。

イギリスの戦士らは明らかに正当防衛をしているのですが、なぜかヴァイキングに寄りかかって見てしまう自分がいたりします。

少し脱線しましたが、一般的に言われている教科書的な始まりは793年です。が、ハラルドソンらはその前から東に船を出していたというのも正しいです。スカンジナビアの東はフィンランドとロシア、バルト三国になります。異なる地へいき、略奪行為を働いたという点からすると793年が始まりなのかなと少し疑問に思いました。

鎌倉幕府が1192ではないという議論に似ていますが、この辺は歴史の取り扱い方で始まりが作為的に決まるのかなと思います。

あるいは、ラグナル以前行っていた東というのはスカンジナビア内の東部なだけであって、いわゆる内戦をしているだけだったのかも。それでヴァイキング時代が幕を開けてから、もっと東に行ってみようってなったのかな?それこそフィンランドの南西部の沿岸地域は彼らに占領され、それが今のスウェーデン系フィンランド人(スウェーデン語を話すフィンランド人)に繋がっているとか。


②舞台は本当にデンマーク?

Netflixのヴァイキングはラグナルという男を中心に描かれています。彼は農民出身で、好奇心旺盛。イギリスに行っても金目のものにはそこまで目がくらまずそこにいたプリーストを連れて帰ります。北欧神話への信仰心も強く、主神オーディンの末裔であると自称する勇敢な男です。

映像を見ているとどうも腑に落ちないところがいくつかあるのですが、その大きなものが「ここってデンマークなの?」というシーン。一応映像の中ではScandinaviaとぼかして書かれているのですが、Hedebyという町が出てくる時もあって、ググってみるとどうやらデンマーク中西部にあるよう。が、劇中の背景などが明らかにデンマークではないんですよね。

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これが問題のシーンなのですが、デンマークってこんなに高い山ないんですよね。デンマークの最高地点は150mくらいなので、明らかにおかしいなと思いながら見てました。これは辺境にいますよ感の演出なのかもしれませんね。


③こんな船でイギリスに行けるの?

これは疑いというよりは、不思議に思っていることです。ヴァイキング船というのは大きいもので20mくらいだと思うのですが、たかだか木造の船で海を渡る事ができるのかなぁと不思議です。そんなわけないだろ!と言ってしまってはヴァイキングの歴史そのものを否定することになるのですが、あまりに小さくて脆そうだなと思うんですね。

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これはオスロにあるヴァイキング船博物館で撮ったものです。実際の現物のレプリカなのですが、この大きさで荒波を乗り越えたのかと思うととんでもないナヴィゲーション能力(操縦)があったんだろうなと感じます。下の一枚は、同じくヴァイキング船博物館のものですが、確かこれは当時最大級に大きい船だったと思います。これで最大級だったので、さぞ大変な航海だったに違いありません。

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事実、現在世界一造船技術があるのがデンマーク出そうで、やっぱりヴァイキングの血は今にも流れているようです。


④なんでヴァイキングはこんなに大きいの?

北欧の人たちは男女問わず高身長であるとされていて、これは統計データなんかを見てみてもそうです。実際に外(デンマーク)を歩いてみても見上げてみるような背の高さの人も多いです(僕は180cm)。

北欧神話でも神と巨人(→進撃の巨人に繋がっている)が出てくるので、何かと「背が高い」というのは昔からあったよう。

それでも、背が高いには明らかに理由があってそれは遺伝的にそうであったとするならしかるべくして大きくなったのですが、食べているものなどからそうなったのであれば、本当に?と思えてきます。

そもそも厳しい環境の中での生活を脱するために肥沃な地を求めて航海していたはずなので、そんなに骨格がガッチリしているものなの?と思えてきます。

多くのヴァイキングの戦士らが農家との兼業であったとはいえ、植物を育てやすい環境でもなかった(特にノルウェー)ので、魚や肉(鹿、トナカイ、牛)を食べていたと思います。

おそらくSagaやイギリスの叙事詩などにヴァイキングを形容する表現として「巨人」「大男」などが出てくると思うのですが、いよいよ謎です。

謎です。



4点ほど書いてみましたが、前提としてNetflixのヴァイキングの物語は「教育」をテーマにしたものではなく、あくまでも映像としてのエンタメを届けるために作られたものです。多少の矛盾があったもおかしくないですし、そもそも史実とはいえ100%正しいかというとそれはその時代を生きた人にしかわからないので、想像上の世界くらいに留めておいた方が良さそうな気がします。

これまでの知識や経験がピタッとハマるシーンも少なくなくて、これって結構良い勉強の仕方なのかなと思います。活字(歴史書)でインプットし、それをビジュアル(Netflixのヴァイキング)で確認する。引き続きヴァイキングの勉強をしていきます。


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