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【自費ベッド・令和時代の現状】介護保険サービス

自費ベッドとは

介護保険サービスで利用できる特殊寝台(要介護2以上の認定または例外給付により貸与可)とは別に、要支援1・2および要介護1の認定が出ている軽度者向けの介護保険外の自費レンタルサービスを基本的に指します。

特殊寝台とは

特殊寝台とは背部または脚部の角度調整ができる機能や、ベッド面の高さが上下に調整できる機能を持った介護用ベッドです。
想定される利用者像は、ベッド上における寝返り・起き上がり・立ち上がりの動作ができない、または手すり等に掴まらないと行えない方です。

自費ベッドの利点

自費ベッドは特殊寝台を借りることができない軽度者がベッドを利用できることが大きな利点です。また、一般的には安価で設定されているため利用者負担も少なく、介護保険外のためケアプランへの位置づけも厳しくないためスムーズに導入できることが多いです。
また、介護保険の申請中であったり、退院後の間もない時期など緊急的に納品することができるケースが多いのも実状です。
※自費ベッドは一般的に軽度者(要支援1・2、要介護1)に限定して貸し出されている。

自費ベッド提供の裏側

自費ベッドは福祉用具貸与事業所で提供しておりますが、介護保険サービスで貸し出される介護ベッド(特殊寝台と付属品)が1ヶ月約8000円~11000円の価格帯なのに対して自費ベッドは1ヶ月約500円~3000円で貸し出されています。機種によっても価格が異なりますが、自費ベッドの提供価格は介護保険サービスの4~16倍もの価格差が生じています。

このように安価な自費ベッドをどのように提供しているかといいますと、

  • 自社でレンタル福祉用具を所有している会社は在庫品として持っている古い機種を使用し自費ベッドとして再活用しています。

  • 在庫を持たない会社はレンタル卸会社よりベッドを借用して、自費ベッドとして貸し出しています。

    どちらの場合も自費ベッド本体のコストだけでなく、配送、組み立て、契約、引き上げなど様々なコストが掛かっているため、例え自費ベッドが3000円だとしても赤字もしくはプラマイ0のような感じです。

    では、なぜ自費ベッドを赤字のような価格で提供するのかといいますと、
    介護保険で要介護2以上の認定が出た場合、介護保険サービスでの特殊寝台へ交換していただくことにより1ヶ月の料金が4~16倍に跳ね上がるからです。

    これはケアマネージャー等への一種の宣伝広告費とも考えられますが、介護保険サービスでの利用者負担額が1~3割の負担で済むからこそ考えられたサービスなのです。

自費ベッドの種類

どのような機種を自費ベッドとして利用しているかをTwitterのアンケート機能で過去に調査したものを掲載させていただきます。

以上のように自費ベッドは2モーターの機種が多く使われ、その次に3モーター、少数ですが1モーターの機種が使われているようです。

また、アンケートには0モーター(普通の木製ベッド)の得票がありませんでしたが、実際にはレンタル提供されている事業所もあります。


自費ベッドを提供する貸与事業所の本音

それでは、実際に提供している福祉用具貸与事業所は自費ベッドのついて、どのように考えているのかをTwitterのアンケート機能で調査してみました。
以下は福祉用具貸与事業所に関わる者が自費ベッドの適正価格をどのように考えているかを質問したものです。

アンケートの考察

アンケート結果によると1,500円前後という低価格のままで問題ないという意見が42%で一番多く、次いで5,000円前後と赤字にならない程度まで価格帯を上げたいという意見が39%となりました。8,500円前後という利益重視の価格帯は19%とやや低い結果となりました。

福祉用具専門相談員の多くは、現在の価格競争における低価格提供でも、十分に集客効果が得られると考えられているようです。(大手中心?)また、介護保険適応の特殊寝台への移行も考慮されています。

ただし、5,000円前後と赤字にならない程度まで上げたいと考える福祉用具専門相談員も多く、納品・回収や書類作成等におけるコスト計算について疑問視されているのかもしれません。一方、8,500円という高価なベッドのイメージは、軽度者向けの自費ベッドとしてではなく、一般レンタルベッド(10割)としての考え方が適切なのかもしれません。

今回はアンケート内容に項目数などの制限があるアンケートでしたが、現在のまま低価格帯で勝負できる貸与事業所と、赤字になるのを避けたい貸与事業所に二分していることが分かりました。

今後について

自費ベッドにつきましては、福祉用具の在り方を考える1つのテーマとして、これからも解いていきたいと考えています。

※今回のテーマについては、会社組織や働いている個々人によって、自費ベッドへの考え方が異なります。1つの意見として参考にしていただけますと幸いです。

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