連句旅「郡上八幡2泊3日」の巻#4 〜善光寺会館と水舟〜
連句フェスタ宗祇水に参加するにあたり、郡上八幡に2泊しました。
関西からの参加だった私は、前乗りして1泊し、次の日は朝から連句フェスタ宗祇水に参加して更にもう1泊しました。
連句フェスタ宗祇水を楽しむなら、最低でも2泊は必要だなと感じます。
郡上おどりや街の散策をゆっくり楽しむためには、もう1、2泊したかったな!という印象です。
今回は、そんな2泊3日でお世話になったお宿について書いていきます!
今回の旅のお宿「民宿 善光寺会館」
旅をする時のお宿選びって重要ですよね。
選ぶ基準は旅の仕方によってそれぞれ違うと思うのですが、私が今回の旅で泊まりたかったお宿は「低予算で、なおかつ街の中心にあり、街の人々との距離が近いお宿」でした。
海外旅行に行く時は予算を決めてブッキングトットコムなどの予約サイトで探すことが多いですが、日本で低予算のゲストハウスに泊まろうと思った時には「ゲストハウス」というより「民宿」で探すことが多いです。
今回の郡上八幡の旅のでお世話になったのは民宿 善光寺会館さんです。
名前の通り、お寺の敷地の中にある民宿です。
古くて大きな日本家屋で、男性用に使われていた畳の大広間は圧巻でした。私のお部屋は小さな縁側付きの、趣のある個室でした。
予想していた以上にレトロな感じだったので、一気にタイムスリップしたような感覚になり、到着して早々にテンションが上がりました。
水舟と宗祇水
基本は朝夕二食付きとのことだったのですが、今回は連句フェスタ宗祇水の懇親会等の予定があり、朝食だけお願いしていました。
朝食は菜食が中心の和食。お味噌汁には郡上味噌が使われていて、普段のお味噌汁より少し濃い味という印象。
この素朴ながらにしてボリュームのある朝食が毎朝食べられるというだけで、かなり幸せでした。
食堂の奥には大きな台所があり、和気あいあいと朝食の支度をしている様子が見えていました。
食後に見学させていただくと、台所の奥に水舟とよばれるものがあったんです。
水舟とは、郡上八幡特有の水利用のシステムで、湧水や山水を引き込んだ二槽または三槽からなる水槽のこと。
最初の水槽が飲用や食べ物を洗うのに使われ、次の水槽は汚れた食器などを洗うのに使われます。
そこで出たご飯つぶなどの食べ物の残りは池に流れて、飼われている鯉や魚のエサになるとのこと。
このお宿では下水としてはもう使っていないけれど、今でもこの湧水でご飯を炊いたりお味噌汁を作っているとのことでした。
お庭にはまだ池があり、鯉が泳いでいます。
水の街、郡上八幡ならではの素晴らしい自然と人の循環のかたちを目撃して、胸がいっぱいになりました。
次の日のお味噌汁が身体に染み渡りまくったのは言うまでもありません。
後から気がついたのですが、宗祇水も水舟だったんです。
宗祇水は個人宅にある水舟ではなく、みんなで使う公衆の生活用水だったという感じでしょうか。
それまで謎で神秘的な印象だった宗祇水に一気に親近感が湧いた瞬間でした。
私が宿泊した日はちょうど瓦の葺替えが行われていて、善光寺会館は保存工事の真最中でした。
戦後に他のお寺で使われなくなった木材を集めて建てられたため、構造も複雑で古くなっている部分が多いそうです。
女将さんや宿泊している方が親切な方ばかりで、短い間でしたがこのお宿や郡上八幡についていろいろとお話を聞くことができました。
宿泊している方の中には、毎年郡上おどりの期間中数ヶ月間滞在しているという方も居て、まるで第二の故郷のように親しみを持ってここで過ごされているという感じでした。
小さな街なのに飽きることのない、本当に素敵なところです。
次回の記事ではそんな郡上八幡の私的おすすめスポットについて、ご紹介したいと思います!