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新宿ウォール456 #映像空間リサーチ

執筆者(2024年度映像空間ゼミ院1年 ショウ コウハ)

新宿ウォール456は新宿駅に位置しており、東口・西口改札を出てすぐ目の前に見えます。非常に多くの人が行き交う場所です。

東西自由通路

新宿ウォール456は、長さ45.6メートル、高さ1.4メートルのLEDデジタルサイネージで構成される公共展示ウォールで、主に商業広告、ビジュアルアート、イベントの宣伝などに利用されています。全体の面積は約64㎡です。

新宿ウォール456

また、新宿駅の東西自由通路と東改札口には「J・ADビジョン」も設置されています。東西自由通路にあるJ・ADビジョンは、複数の発光パネルとスクリーンで構成された矩形サイネージですが、東改札口近くのJ・ADビジョンは発光パネルがなく、単純に4つの電子スクリーンで構成された柱状サイネージです。

新宿駅東西自由通路内 各種サイネージの配置図
作図:執筆者

これらは配置場所が異なるものの、ある時間帯には3カ所のスクリーンが同じビジュアルコンテンツを表示します。

映像と照明が連動

[新宿ウォール456]

W45.6m x H1.4m (约64㎡)

LEDデジタルサイネージにはライトが組み込まれており、映像の内容に合わせてライトの色も変化します。

[J·ADビジョン]

1枚あたりの画面サイズ:W0.8m x H1.5m (约1.2㎡) 枚数:29枚 (約34.8㎡)

パネルは、LEDデジタルサイネージに映し出されるビジュアルに連動して発光します。

LEDデジタルサイネージ(中央)と連動するパネル(左右)
広告時はパネルとの連動は少ない

[J·ADビジョン] 東改札側

1枚のディスプレイサイズ:W0.8m x H1.5m (約1.2㎡) 枚数:14枚(約16.8㎡)

考察

新宿ウォール456が観光スポットになる可能性について。その理由は以下の3点です:

1.地理的な優位性
新宿駅は東京で最も人流が多い駅の1つで、観光客がその多くを占めています。東口・西口改札を出ると、視界一面に広がるスクリーンに圧倒され、まるで「駅」というよりは「展示会場」に足を踏み入れたような感覚になります。

展示会場のような駅

2.大面積スクリーンによる没入空間の創造

サイネージの前は常に人が行き交う

大型サイネージに映し出される映像とライトの連動によって、「視覚に包み込まれる」ような体験が生まれます。それによって観光客や通行人が立ち止まって写真を撮りたくなるかもしれません。例えば、新宿ウォール456は45.6メートルの長さを持ち、サイネージは常に人々の歩みとともにあり、まるで「没入型」の歩行体験を生み出しています。

3.映像の内容

新宿ウォール456では広告が主に流されますが、この大型サイネージの視覚効果によって、内容に関わらず人々の視線が自然と映像に引き寄せられます。もし動的なビジュアルやインタラクティブな映像作品など、もっと興味深いコンテンツを加えることで、サイネージ前での滞在時間がさらに延びると考えます。また、写真や動画をSNSでシェアすることによって、このサイネージに対する「クール」な印象が広まり、自分もこの都市文化やトレンドに触れたという感じを得ることができるでしょう。

このように、大型サイネージはその没入型の視覚体験を通じて、公共空間における魅力的な観光スポットを作り出しています。その観光地としての魅力は、視覚・聴覚・インタラクションを通じて、観客を現実を超えた、もしくは高度に表現されたシーンへと導く空間を生み出すことにあります。単なるスクリーンではなく、都市景観における特徴的なデスティネーションとしても位置づけられています。
したがって、サイネージコンテンツの中心となる映像が、観光客や通行人に「鑑賞、誘導、インタラクション、共感」などの役割を担い、通常の映像とは異なる視覚体験を提供すると同時に、空間、環境、文化との相互関係も探求していくべき課題だと考えます。

(ショウ コウハ)

新宿ウォール456は、その圧倒的な規模と視覚体験により、新宿駅の観光スポットとしてのポテンシャルを十分に備えています。特に映像とライトの連動により、通行人に没入感を提供し、写真やSNSでのシェアを促進する役割が期待されます。観光客にとっては単なる駅を超えた「映像空間」であり、都市文化を象徴するデスティネーション(旅行先)としての価値も高まっています。今後、より多様なコンテンツやインタラクティブな演出が追加されれば、観光地としての魅力がさらに増すのかもしれません。

山崎コメント

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