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底辺と謳われた仕事③

第3話『2種免許教習』

面接の採用が決まると直ぐに会社から『3日後の日曜日から教習所行ける?』と連絡があり、私は『行けます!』と即答した

とにかく会社が決まったからには早く働いて給料を稼がなければならない

もちろん会社からは教習中も日給として手当が支給される(日給7000円程度)とは聞いていたが、そんなものはアテに出来ない

私はD教習所と言う所に入校した
この辺り、リアルな名前で書いても問題はないと思うのだが、とりあえず誤魔化しておく事にする笑
こちらで丸々1週間続けて通い、卒業して地元の免許センターで筆記試験に合格しなければいけない
京都でそのまま受験できれば楽なのにわざわざ住所地の都道府県の免許センターでしか筆記試験を受けられないのは本当にバカバカしい話だ

ちなみに入校する前に会社から『ちょうど同期で入社して、これからデビューまで一緒に研修する人がいるから』と言われていたので、どんな人がいるのか内心ドキドキしていた

、、、が

明らかに定年前のオジサマが1人いるだけで他にそれらしき人は見当たらない

まさか?この人が??

私は怖々と話しかけてみた
私『……あの、◯◯に入社して教習に来たのですが、アナタもそうですか?』

オジサマ『……はい。そうです』

会話は終了

後に同期となるKさんは見た目は人見知りなのだが話してみると『あの〜、変な話なんですが、、、』から始まる会話が好きな独特のクセある京都歴史マニアの人でした

まぁ、あえて年齢は伏せておきますが人生においては大先輩にあたる感じです

うちの会社はそう言った意味では来るもの拒まず、去るもの追わずというスタイルである事は後々に知る事になる

さて、かれこれ25年ぶりの自動車教習を受ける事になったのだが、多少へんなクセはあるものの今までの人生で事故を起こした事もない臆病人間なので余裕をかましていた

これが意外に難しい

特にクランクが曲者で思い切ったハンドルさばきを要求される為に感覚を掴むのが大変だった

ただ、自分の事よりも同期のKさんの方が心配になっていたのだが、意外に私よりも勉強や運転技術も上で年齢は関係ないんだなと改めて知らされた

そんなこんなであっという間に卒検を迎えたのだが、ここで重大事件が発生

実は私は滋賀県出身である
先程も少し話したが免許センターでの最終試験は地元の免許センターでしか受験できない定めとなっている(このルールを何とかしろ)
滋賀の守山免許センターはネット予約制なのだが、いつも予約がいっぱいで一ヶ月先などしか予約が取れない状況が多い

常にキャンセル待ちを探して予約フォームを覗いているのだが中々、予約の空きがこない

Kさんは京都人なので会社からの手続きで簡単に予約が取れたらしい、、、

このままだと下手をすれば私の方が一ヶ月以上デビューが遅れるかも知れない
そうなったら生活にも支障が出る

予約が空くのを祈る思いで卒検を合格し、卒業証書を貰うまでの待ち時間(4時間ほど)で奇跡が起こった

なんと!卒検翌日、午前中の予約にキャンセルが出たのだ

私は急いで予約を取り、奇跡を信じて翌日のテスト勉強に全力を注いだ


が、、、ま。まさかの不合格
そんなバカな、あれだけ勉強した(2時間)のに不合格だなんて……◯◯過ぎる

しかも50人くらい受験者がいて不合格者はわずか4人
俺はBKだったのか?マジで笑えない

絶望のど真ん中、またもや奇跡降臨で翌日の予約に空きが出た

私は今度こその思いで再度チャレンジしてやった(勉強5時間)

2度目の試験は別の部屋で行われた

か、簡単すぎるw

私は何とかこの危機を無事に脱却する事ができたのである

つづく

#創作大賞2023

第1話↓

第2話↓

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