底辺と謳われた仕事⑤
不安しかない状態でのデビュー
まだ京都の通り名さえ覚えていない
そんな状況で本当に稼ぐ事なんて出来るのだろうか?
第5話『問答無用のデビューです』
研修期間が済んで、不安な人は自信がつくまで研修します!なんて求人には書いていたのに、、、。まぁ、鵜呑みにしてはいけない
むしろ私にはデビューが好都合
研修中はアプリマップをろくに使わせてもらえなかったので不安だったが、これでいつでも調べられる
そして、ついにデビュー当日
緊張と興奮しかない中で、私は1人で旅に出た
今思えば、研修は基本操作しか教えてもらえずGOアプリも実質初めて、対応もマニュアルしか見た事もないからミスなんて当たり前
そんな中、これからのタクドラ人生で初めて乗せる人って誰だろうと思って走っていたら、ついに運命の瞬間が訪れた
アプリが鳴った!!
私はすぐさま応答ボタンを押した
相手の場所が画面に映し出されて私は必死に目的地へと向かった
研修ではメイン道路しか走ってないので、中の道なんて初めて。それでも私は臆する事なく駆けつけた
見つけた!!
お客様情報に当てはまる青年を発見
私の人生初のお客様は『岡本さん』
行き先を尋ねると『下鴨本通りへ』という事
初回にしては近過ぎるミッションだったが、私には丁度良い
すぐさま出発するも緊急事態発生!
今いる位置の東西南北が分からないw
極度の緊張でパニックになった私はいきなり必殺技を繰り出した
『すみません、お客様。まだ配属してまもなく、行き先までの道順をお聞きしても宜しいでしょうか?』
『あ、良いですよ。そのまま真っ直ぐに進んで下さい』
岡本ちゃんなんて良い人なんだ!
そのまま、ほとんど言われるがままに運転し、何とか無事に目的地に到着
これが今でも忘れられない初体験となった
よし!このままガンガン攻めていくぞ!調子に乗った私は初日にも関わらず次から次へとお客様を捕まえて走り続けた
いける、これなら大丈夫だ!
少しずつ運転にも慣れ始めて、自信がつき始めた14時過ぎ。忘れもしない大事件が起こってしまったのだ……
つづく
第1話
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