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Dissertation week 10-11 修論執筆の苦悩② データに溺れ論文に沈む。〜ChatGPTと母国語の助け
こちらの写真は、図書館の中庭と£2.0 Lunchと呼ばれる学内で売られているお弁当です。
ビーガンのカレーのような煮込み料理をライスにかけたもので、味や食材は日替わり。
It tastes £2.0で、美味しいというわけではありませんが、お金と時間を節約したい時の強い味方でした。
図書館とStudent Centerが主な学内の勉強施設になるのですが、Student Center が比較的社交の場でもあり、誰が声をかけるでもなくstudy groupで集まってコミュニケーションしながら勉強しているのに対し、図書館は静かに落ち着いた雰囲気が流れているのがお気に入りでした。
8月後半にもなると、そんな図書館でも、なんとなく側に座るゆるいstudy groupができ、毎日挨拶をするlibrary matesと会えることが楽しみだったものです。
統計分析〜日本語に頼った方が良いこともある。
さて、修論では定量分析と定性分析が選べたのですが、英語は母国語ではない私であっても、統計的な分析は言語が関係なく、語学の不利をカバーできるのではないかと考え、定量分析を選ぶことにしました。
統計じたいも勉強したことがなかったので、一瞬統計も英語で勉強してみようと欲が出たのですが、時間ばかりかかってそもそも何を学ぶのかを見失って浪費してしまうと思い直し、早々にYouTubeで日本語のコンテンツを見て勉強することにしました。
母国語でこうした小難しい話を豊富なコンテンツから学べる言語圏であることはありがたく、日本人で良かった、ご先祖様、YouTuber様、ありがとうございます、と思いました。
データに溺れる
7月にBloombergのデータラボを使ってデータ収集は終えていたのですが、8月の苦しみはこの分析でした。
あるデータを使ってどんな分析をして何を示唆として導出するのか。なかなか有意な分析結果にならず、試行錯誤を繰り返しました。
結果、お金の一部だけでも、"良いものに投資する責任を当たり前に持つには金融機関をどう選ぶべきか?"といった視点で、どのタイプの金融機関からの投資が増えると環境に良い(=タクソノミーに準拠)ビジネスによる売上が伸びるのか、つまり、個人として、"自分の資産形成をする際にどのタイプの金融機関や金融商品を選ぶべきか?"、というのを見ていくことにしました。
先行研究の論文の沼に沈む
データ分析結果では、投資家がどの金融機関のタイプに該当するかよってほんのり、環境に良いビジネスからの売上が多いかの傾向が違うことが見てとれたのですが、この結果を考察するのは、さらに脳の深部を使う必要がありました。
"で、何が言えるのか?"を英語で読み解いて考えるわけで、この時ほど、脳の深部を使ったことは無いと思います。
こんなことが言えるはずではないか?という仮説を考え、英語でキーワードで先行研究の論文を検索し、それを英語で読んで自分のデータと照らし合わせ、言いたいことが言えるかを検証する。
以前、リーディングがライティングの要だと書きましたが、まさにその通りで、この論文は何を言いたいのか?何が特徴的なのか?自分の仮説をサポートするのか、反対意見なのか、はたまた関係ないのか?沼に沈んでいく感覚に日々苦悩していました。
救世主のクラスメイト
8月も終わりに近づいたタイミングで、とあるクラスメイトと久々に会った際に、彼から、"フィードバックが欲しいから僕の修論を読んでくれないか?"と頼まれました。
ちょうど、論文沼に沈んでいたタイミングで、他のクラスメイトがどうやって先行研究の論文を使って論理構成しているのかが知りたかったので、ぜひ読ませて欲しい!とお願いをしたのですが、私の中でこれがブレイクスルーのきっかけになりました。
パーツごとの論理はまだ粗削りだったのですが、全体としてバランスが良く、さまざまな論文をうまく使って理論的にまとめていたのをみて、自分の沼みたいな修論との違いを感じました。
Chat GPTとの向き合い方
彼は、ChatGPTなどツールを駆使することに長けていることも知っていたので、このバランスの良い構成はそのおかげなんじゃないかな、と思い、そのコツを教えてほしいとお願いしました。
彼から言われたのは、
・Chat GPTで文章を書いてはいけない
・Chat GPTで書いたらバレて減点になるだけ
・書く前のプランニングやインプットでChat GPTを使う
・とにかくキーワード検索した論文を読ませて"5歳児でもわかる方法で要約してくれ"と要約してもらう
・大枠のコンセプトを上記で理解したら、必要な論文を真面目に読む
・ぼちぼち間違ってることもあるから要注意
という感じで、なるほど、5歳児でもわかる方法というのは今からでもできる、と試してみることにしました。
それでもやっぱり、どれだけ日々Critical に物事を見ているかが大事。
先行研究を読むスピードはお陰で少し早くかつ脳の負担が減ったのですが、今読み返すと、やっぱりもっともっとかけたな、と思うことがありますし、他の友人たちを見ていても、さすがだなと思う人たちは、物事をCritical に見ています。
そして、その根底には、"これはおかしいんじゃないか"とか、"こうしたい"、という思いが、その人のパーソナリティ、原体験とともに共存している気がします。
私自身は、やっぱり、まだまだ甘ちゃんで、"こうしたい"という思いそのものが、人間として未熟なんだな、と思いますし、論文を読むだけでなく、これを考えたい、という原体験を正しく積むことが必要な気がしています。
大学という学びの場は、今の自分の至らなさを知ることの方が、知ってることを増やすこと以上に価値があるんではないかな、と思います。
おまけ〜修論期間のランチの思い出
£2.0ランチ以外にも、いくつかオプションがあり、それぞれに友人とのちょっとした思い出があるので、書き残しておきたいなと思います。
図書館の隣のIDS bar
図書館仲間のお気に入りで、中でもLatino(スペイン語圏のメキシコやコロンビア、スペイン人など)達は良くここでゆっくりランチをとっていました。
クラスメイトにLatinoがそこそこいたこともあり、私もたまに一緒にランチをしたのですが、一度、barの中にスーパーマリオのゲームがあることを発見して、勉強そっちのけで遊んだりしたのも良い思い出です。慎重に進めるタイプと、無鉄砲に進んですぐ落ちたりクリボーに当たってゲームオーバーになるタイプがいて、万国共通でこうした性格の違いって存在するんだなと思いました。
Veg bowl
寮から図書館に向かう途中の講義棟の中庭に面したカフェで、卵やお豆腐とお野菜たっぷりの丼(?)を提供していました。上に載せる具材は自分で選べるのですが、その中にマンゴーがあったのが衝撃的で、怖いもの見たさで頼んだら、意外にイケるという不思議な経験をしました。
ちょっと高いのですが、野菜がとにかく食べたい時に利用していました。
目の前の講義棟の中庭も気持ちがよく、ランチタイムには誰かしら知り合いがいて、Can I join?と声をかけて一緒にランチをしたりしたものです。
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Eat CentralとACCA cafe、Library cafe
どれも修論執筆期間はクローズしていたカフェで、特にACCA cafeは一番のお気に入りだったので、休業を知った時は、私のWell-beingはどこ!??と不安に思いました。
修論期間は、サマーティーチング期間と呼ばれるのですが、授業がない上に、活気を生み出している学部生は基本的に学内にいません。
いるのは、修論を書いているマスターの寮生とサマースクールとして2週間ごとに入れ替わる小学校〜高校生たちで、これらのカフェの施設はサマースクール生向けの施設になっていました。
ジムが近く、いつもジムのクラスで見かけた人ともう一歩仲良くなる場だったので、社交の場が減ってしまったのは今でもほんとに、開けてて欲しかったなって思います。
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キャンパス外に滅多に出ることがなかったので、本当はビーチ🏖️の思い出などもっとあっても良いのですが、キャンパスの中で友人たちにすぐ会える環境は、恵まれていて楽しかったなぁと改めて感じます。
それでは今日は、この辺で。みなさま、ごきげんよう。