バスに揺られて[秘め事]薄荷飴
天国行きのバスに揺られて
私は舌舐めずりをする。
朝焼け、は、まだ、ほの
暗く、すこし、だけ、青い。
まるで、紺色の絵の具を水に溶かしたような
きみの横顔にこの空が反射する。
街の明かりはちらほらときえて
いずれ生まれる私たちの赤ちゃんのために
今はだけは踊るように眠ろう。
星と月と太陽が共存するこの時間には
海と空は静かにまじわって
風は止み、ヤシの葉がかすかに動くのが見える
〈降ります〉ボタンが点灯し
もうきみの目に映る夏が翳ってゆく
東からさす陽の光、ゆらめき
この車全