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人事もイラストレーターも。器用貧乏な私の世界の広げ方(″ギフト″から始める)


究極の器用貧乏

わたしは器用貧乏という自覚があって、そこにコンプレックスがあった。

大体何でもそつなくこなす。だけど、何かをめちゃくちゃ極めているかと言われると自信がないところもある。強烈にやりたい!と思う尖ったものも、あるようでない。

目の前にふってきたチャンスをきっかけに、自分にとっての目的を見出して、積み上げてきた。

気づけば仕事も普段、多種多様な肩書きをもつようになった。
もともとは人事を13年やっていて、そこから今は転職し、人材エージェント、採用支援の仕事、キャリアカウンセリング、自社の施設(保育園とかデイサービス)のサポート業務もしている。
会社ではいちおう、社長直下のポジションで、会社をどうしていこうのアレコレを考えたりもしている。一般的には、会社のナンバーツーと言うのか。
プロボノで福祉施設とプロジェクトをやろうとしたりもしてる。

うん、自分でも何者かよくわからない(笑)

そんな私はこうやってnoteを書くように、文章を書くのも好きだ。

好きなイラストを、人のためにかいた

そして昔から、イラストを描くことも好きだった。

そう、今はほんのりとイラストレーターの肩書きももっている。
そのきっかけは、人からもらったものだ。

きっかけは、私が10年前に生み出したキャラクター。
「ここちくん」だ。

1月11日が誕生日

ここちくんはある人への「ギフト」だった


10年前、あるセミナーに出た時に、たまたま帰り道が一緒になった人がいた。彼は、自分は「ここちすと」であり、ここちの研究をしていると言った。若干の関西弁。多分頭が良すぎるせいで、凡人には理解されない苦労がありそうな人だなと思った。

ここちの研究の詳細はよくわからなかったが、とりあえず私の大好物の、狂気的な何かを持っている人種であることは間違いない(笑)


「ここちのことを、かわいく伝えてくれるここちくんっていうキャラクターが欲しいねん」と彼は大真面目に言った。

一応彼も絵心はあるらしく、彼のかいた「ここちくん」を見せてもらったが、クラゲのようなフォルムで、お世辞にもあまり可愛いとは言えなかった。
かわいいイラストは得意だ。きっと彼が喜ぶキャラクターは描ける。

よし、私が描きましょう!

見切り発車の安請け合いだったが、結果、めでたくここちくんは生まれた。

そう、ここちくんはギフトだったのだ。

1月11日が誕生日


この人が関西弁の「ここちすと」


ありがたいことに、ここちくんを、ここちすと(大畑さん)は大変気に入ってくれた。

一応、ここちくんと名のつくXとECサイトもある。



ここちくんは何ものか?

ここちくんのコンセプトは「ここちよく生きる」 で、好きに生きて、自分もゴキゲンに生きながら、周りもハッピーにしている子だ。

「ウェルビーイング」を体現しているという設定。でも、10年前はまだ、ウェルビーイングという言葉を耳にすることはほぼなかったけどね。
「ここちよく生きるっていいよね」みたいなコンセプトにしようと話し合い、ゆるゆるした気持ちで、ここちくんを描いていた。

数年前にこんなのも勝手に作成


せっかくキャラクターができたので、ここちくんを世に出そうと私たちは夢見ていた。

当時、上場目前の会社で人事の仕事をしながら、ここちくん活動にも勤しんだ。

10年前にはまだ珍しかった、LINEのクリエイターズスタンプを作ったり、クラウドファンディングをやって絵本を作ったり。ここちくんのイラストを描きまくっていた。

LINEスタンプは今でも買えます。

ここちくんは細かなキャラクター設定もある。

大きさは「約メロンパン」


それでもここちくんが当時、日の目を見ることはなかった。

でも2024年の今。
コロナ禍を経て、自分らしく生きる、心地よく生きることを追求する人が増えたと感じる。

ついに時代がここちくんに追いついてきた(何様)。

いつのまにかフィールドが広がる


正直なところこの7年近くは、私も若干ここちくんをわすれかけていた。(ごめんね)

でもその間も、ここちすとはずっとここちくんを愛してくれた。「ささきさん!産みの親なのに忘れかけるなんてひどいやん!」と、育ての親であるここちすとは言った(ごめんね)

この7年でここちすとは仕事をどんどん頑張ったようで、活躍のフィールドを広げ、そこにはいつもここちくんがいた。

彼主催のあるプログラムの公式(?)キャラクターとして使ってくれたり


損保ジャパンさんの新規事業である、視覚障害の方向けのサービスにここちくんを使ってもらったり、


いつの間にかステッカーになっていろんな人に配られていたり、


いつの間にやら高橋メアリージュンさんの手の中にいたりした。

私もまた、ここちくんを描くことができている。
ここちすと、ありがとう。

ちなみに、メアリージュンさんが持っているこのここちくんのフィギア。
今でこそ3Dプリンタでつくられているが、10年前は紙粘土で作っていた。私も多分10体くらいは作った。私は時に、フィギア職人にもなるらしい。
本当に、何をやっていたんだろうか。
器用貧乏にも程がある。

ここちくんは今もいろんなところに行っている

ここちくんはおかげ様で元気だ。
作者よりいろんなところに行っていてうらやましい限り。

最近は養老孟司さんがゲスト出演する番組の収録に同行したり、

白衣の人が、ここちすと

テレ東BIZのめちゃくちゃ真面目な番組で映り込んだり、

みかんじゃないよ、ここちくんだよ


なんかのフォーラムのためイタリアにまで飛んでいたりする。

あたいもイタリア行きたいわ


「できることで人に喜んでもらうこと」から世界は広がる

そんなこんなで私は、一部の界隈では「あ!ここちくんのイラストレータの人ですね!」と言われるようにもなった。
ここちくんにはゆるやかなファンがいるようで、ごくたまに、キラキラした目で私を見てくれる人もいる。なんとも眩しく、そして少し恥ずかしい気持ちだ。
それは、ここちくんを愛し続けてくれた、ここちすとのおかげだ。

そんなここちくんは近々Slackスタンプも販売予定。

で、私は普段イラストの仕事をしてるわけでもないし、イラストレーターと名乗れるほどの腕前なんて、全然ない。

だけどあの日「私、キャラクター描くよ」って言ってしまったその一言から、少しだけ私の世界は広がっている。

人に喜んでもらいたい。そういう気持ちは強く持っている方だ。そしてそれはとても武器になると感じてる。

何かをしたくても、何をしたらいいかわからない人は、この人面白いなとか、素敵だなと思う誰かの「役に立ってみよう」ということから始めたらいいと思う。
人に、自分のできることでギフトする。


究極の器用貧乏な私は、そうやって素敵な人達にいつも、世界を広げてもらっている。


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