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[短歌] 香港国際空港にて

横浜短歌合戦とういイベントにエントリーしてました。入賞するとも思ってなかったし当日のイベントにも参加するつもりもなかったのですが、アンジェロ・イシ賞といういわゆる審査員特別賞のようなものに選ばれたと連絡があったので授賞式ついでに短歌合戦にも参加してきました。
短歌合戦の模様は栞のサイトに書きました。

私がエントリーした歌は↓こちらになります。



空港の見果てぬ広さ清潔さ城砦じょうさいの街初の驚き



これは香港国際空港に降り立った時に感じたことを歌ったものです。香港ということばを直接入れたくなくて、いろいろ考えあぐねて香港から連想する城砦ということばを入れてみました。

当日授賞式の前に少し時間があったので、司会の方がアンジェロ先生に選出理由など尋ねられました。アンジェロ先生に
「この歌に一目惚れした」
と言っていただきました。私にとっては最高の誉めことばです。理屈でなく直感で気に入っていただけたのなら、そんな嬉しいことはありません。

先生がおっしゃるには、移住者にしろ旅行者にしろその国で一番最初に訪れる場所は空港なのだが、ここは単に通過点になってしまうことが多い。空港に着目したところが良かったと。司会の方が「どこの空港を言ってるのでしょうね?」と問いかけたところ、アンジェロ先生は「特に何処と特定しないほうがいいでしょう」と言われました。

そのあと司会者が私に歌の背景を問われたので、正直に香港に旅行した時のことだと話しました。香港国際空港はとにかく広くて、飛行機を降りてから入国審査の受付までどんだけ歩くの?!と、単純に驚かされたこと。香港と言うとジャッキー・チェンの映画みたいにゴミゴミしている印象が強かったけど空港があまりにもきれいで洗練されていてそのギャップに驚いたことなどを話しました。

実は会場に来た時から何気なく感じていた違和感のようなものがありました。一つは栞の記事にも書いたようにテーマがぎくちゃくしている事、あともう一つは司会の先生が私の歌に着いて何度も異色だ異色だと言われ、他の審査員の先生方もおそらく同じように思っていたのかな?と何となく勘ぐってしまいました。何がどのように異色なのかちょっ聞いてみたかったけど…聞けませんでした。

入選作品は全部で12ありましたが、現場に来ていた受賞者は私を含めて4人だけでした。そのうちブラジルの方は日本にいるご家族が代理で参加され、あとの二人は移住者ではなく海外に転勤された経験を歌っていました。そのうち最優秀賞を取られた方は神戸からわざわざいらして、

このような素晴らしい賞をいただけて大変光栄に思います。

と、おっしゃっていました。

はて?

これって、そんなに素晴らしい賞だったの?
というか、大人だからそれくらいのことを言わなければいけなかったのかもしれない。

私の場合たまたまアンジェロ先生の目に留まったので入賞してしまったけど、司会の先生はじめ審査員の先生方からあまり歓迎されていない空気を感じてしまった。実際はせいぜい佳作は選外だったかもしれない。そんな思いが頭をよぎり、受賞のあいさつがグダグダになってしまった。

海外での苦労話が多い中、私の歌は単に旅行の思いを歌ったものなので異色だったかもしれない。ただ、それだけでなく技術的なものとか専門家が見たら何か足りないものがあったのかもしれない。

とはいえ、佳作に上がった作品などには私と同様に海外への憧れなどを歌ったものもあった。おそらく審査員的にはあまり評価できないんじゃないか?と思われるものも。実際のところ応募総数がどれくらいあったのか定かでない。もしかすると入賞した12点がイコール応募総数だった可能性もある…なんて勘ぐってしまう私はひねくれてますね。

そんなわけで、自分が歓迎されてない空気を感じてしまい、同時に主催者の理想と現実が嚙み合っていない空気を感じてしまったが故、なんかすっきりしない心持でおります。

割と立派な賞状
副賞のアンジェロ先生の著書と当日の作品集

せっかくいただいたので、アンジェロ先生のご本、難しそうだけど読んでみようと思います。それとせっかくはじめたので今後も短歌は続けていくつもりです。そのうち自分に何が足りなかったのか気づく日が来るでしょうか。

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