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書家になりたいと思って大学の書道科にまで行って書家になる人間は珍しいとは思うけれど全然いないというわけではない、はず。
世の中に大学の書道科にまで行って書家になりたいと思う人間がどれくらい居るかは分からないが、居ないという事は無いということは事実であろう。
書道科で勉強したからといってすんなり書家になれるわけでもないが、より専門的な知識にありつけることは確かだと思う。
俺は東京学芸大学教育学部特別教科教員養成課程(書道)というところを卒業した(高校の書道教員一級免許のほか、高校国語教員の一級免許、中学の国語教員一級免許(書写書道含む)をとった)。
(東京学芸大学教育学部芸術文化課程書道専攻とは違うので明記しておきたい。ここでは国語の教員免許はとれなかったはずだ。)
先輩方には書家として名をはせたそうそうたる方々がいる。
ただ残念ながらいろんな改編を経て現在は存在しない。書道科は中等教育教員養成課程書道専攻として生き残っているらしい。
残念だが時代の流れだ。致し方ない。
書道科のある国立大学で五大学と呼ばれている大学があるらしい。(私立大にも書道の有名処は存在するが、俺は詳しく分からない。余計なことを言って恨まれても困るからここでは何も述べない。)
筑波大、東京学芸大、新潟大、奈良教育大、福岡教育大の五つだ。
自分で言うのもなんなのだが、どう考えても環境が一番いいのは学芸大だろう。
俺は福岡県の出身だが武田鉄矢氏の中退した福岡教育大(もちろん専攻は違う)に行こうとは全く思わなかった。やはり折角やるならやりたいところがいい。
ともあれ、毎年全部合わせて100人程度の国立大の書道科生が生まれて、最後までやり切った者が卒業していく。
この中で果たしてどれくらいの人数が、書家、あるいは書道家?として生計を立てているのだろう(書家と書道家が違うことは以前に述べた)。
大学のクラス(学芸大の書道科は1学年1クラス)でも完全に浮いていた俺は、卒業しても浮いたままで地に足がつかず、そうこうしているうちに南半球まで流れてきてしまった。そして今度はそこで地べたを這いずり回る底辺の生活を送ることになる。
そして時は流れる。
今週頭に、在シドニー日本国総領事館のホームページに新設された在豪日本人アーティストのサイトのお披露があった。過去に外務大臣賞もしくは総領事表彰を受けたアーティストの紹介となっている。
超有名ファッションデザイナー五十川明さんや、お琴の小田村さつき先生、陶芸家の小路光男先生、バイオリニストの後藤和子先生など、オーストラリアの日本人アーティストを代表する先生方と一緒に、俺も書家として紹介していただいている(紀谷総領事はじめ、領事館の皆様に感謝申し上げます)。
前に出ると緊張するような先生方の名前ばかりで、自分の紹介があるのが変な感じだが、俺も受賞者の端くれなので先生方には我慢していただくしかない。
大学の書道科にまで行って書家になりたいと思う人間の中には、どうにかこうにか書家になるやつが居るということはまあまあ事実ということになるだろうか。
※在シドニー日本国総領事館の公式ホームページより
https://www.sydney.au.emb-japan.go.jp/itpr_en/culture_directory.html?fbclid=IwAR0DeWH6c7TO4VcnR6MdgqIW70hVTXe91HZugVgOFxmAwIzTGTAZu22ryGY
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