なし
世の中にはいろんな「なし」がある。
なしと言っても二十世紀梨とか甲州梨とかのなしではない。
木梨とか梨田、梨本とかの有名人の名字でもない。
甲斐性なしとか根性なしとか人でなしとかとかとか、
今回の話はそっちのほうのなしだ。
とはいえ、甲斐性なしは甲斐性のない人のこと根性なしは根性のない人のこと。だが人でなしは人でない人のこと、と矛盾をはらむミステリアス系の色が出てくる。
そんな中、ぱっと見ただけでは奥行きがみえにくいものがある。
それが「ろくでなし」である。
ろくってなに?ということでちょっとだけ調べてみた。
[ 語源 1 ]
陸とは平らと言う意味で、たとえば大工仕事で 「 陸でない 」は平らではないことをさしていた。その為に、傾いている物、正常ではない物、使えない物を 「 陸でない 」 とした。ろくでなしは、そういう人間、ということ。室町末期から江戸時代にかけて現在のような打消しを伴うようになり、 「 まともでない 」 という意味になる。
[ 語源 2 ]
「6」は「 完全数(その数自身をのぞく約数の和がその数と同じ) 」 の最少数字なので、元々完璧と言う意味に使われていた。
それで「6じゃない」→「不完全」と言う意味で 「 ろくでもない 」 と言う言葉が生まれた。
[ 語源 3 ]
江戸時代、武士の給料 は「 俸禄 」。この俸禄をちゃんと貰えないようなヤツは、どうしようもないヤツということ。
どれももっともそうな言い分だが、今ひとつ決め手には欠ける。もっとしっくりくるろくでなしの説明はないものか、ろくでなし語源コンペティションを開いて全国から集まった様々な説の中から優勝を決めたい。
ろくでなし研究家のXX大学准教授のxx先生が発表してくれてもいいし、我こそはろくでなし日本一という自画自賛の人がプレゼンテーションしてくれてもいい。とにかく腑に落ちる「ろく」の説明がほしいのだ。
ほしいからといってドラゴンボールを集めるわけにもいかないし(今ドラゴンレーダーを持っていない)、七夕の短冊に願い事を書くには早すぎるし(彦星と織姫が知っているとも思えない)7月まで到底待ってもいられない。直近だとサンタさんへのお願いなのかもしれないが、靴下に入るとも思えない。
なんだろうな、ろく。
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