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オーストラリアは基本的にチップ文化ではない。

チャツウッドの駅をパシフィックハイウェイ側に出て横断歩道を渡ったところのセブンイレブン。

レジでの清算金額は$2.95。小銭入れから3ドル出して渡す。インド人と思われる従業員。Thank youと言いながらそれをガチャガチャとレジの中にしまってそっぽを向く。

暫く無言の空間。

「おつりくれ。」当然俺はそういう。

すると、釣り要るんかい…と困惑したような、怒ったような、面倒くさそうな感じの、何とも言いにくい表情を浮かべてこちらを見た。
大体いつも読みとるのが難しい。

「5セント。プリーズ。」と彼の目を見て言う。

シュア、と聞こえたような気がするが定かではない。ともかく彼はレジから取り出した5セントを置いて指で押さえ、スーッとこちら側に移動させた。

サンクスとそれを受け取り店を出た。

何に対してのサンクスだ?
自分で言って気分が悪い。

5セントくらいあげちゃえばいいのに、というご意見もあろう。
しかし、こちらがどうぞと言ってから収めるのならともかく…。

あの辺りの人たちはこんな風に釣銭を勝手にチップにしてしまうことがある。タクシーなんかでもそうだ。お金だけとって知らん顔されるといい気分はしないので、チップにしようと思っていたとしても考え直して釣銭を要求する。オーストラリアには基本的にチップ文化ではない。

ガソリンスタンドなんかでもお釣りを少なく渡されるケースはあるらしい。小銭を数えないオージーはそのままポケットに入れるからだ。その日の会計の閉めをするときに彼らがちゃっかり懐に入れるらしい。レストランのチップをその日働いた人で分けるのと似たようなイメージなのだろう。

俺はこの間パン屋でそれをやられたし、ニュースエージェンシーでもやられたことがある。シティの銀行でさえ札を少なく渡そうとされたことがある。

ろくでもないのだ。

百歩譲ってそれが彼らの国の文化だとしても、ここはオーストラリア。
他所の国まで持ち込まないで欲しい。

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