シドニー市街の中心地のど真ん中にあるQVBのアシックスさんの店頭で、白地のシューズにライブで文字を書くという企画。
「楽」という漢字をデザイン化した「楽くん」というキャラクターを描いている。この場合「書く」より「描く」の方が感覚には近いかもしれない。
作品にもしたし、カレンダーにもした。
現在はLINEのスタンプにもしている(全然売れないけれども)。
いい歳のおっさんとはいえ、このキャラクターを描くときはにっこりしていることを自覚している。
「楽」という字のパワーは思ったより強くって、「白」の真ん中の線を口に見立てて笑(えみ)を表現するのだが、その度に顔がニッコリとなっているのが分かる。無意識なのだが、やっぱり必然的にそうなるものなのだろう。逆に怒った顔で描けというのが無理なのだ。誰もそんな理不尽な要求をしたりしないけども。
さて、シドニーにも日本企業のアシックスさんは進出していて、どうかな、「ONIZUKA Tiger」の方が有名かもしれないけど、まあ会社は同じだ。
そのアシックス・オーストラリアの責任者として赴任してきていたT山社長と知己を得て、ご帰国された後もお仕事を頂いた。
シドニー市街の中心地のど真ん中にあるQVB(クイーン・ビクトリア・ビルディング)ショッピングセンターに入っているアシックスさんの店頭で、白地のシューズにライブで文字を書くという企画。
テーブルを一つ、ドンと店頭に置き、俺が座るための椅子。
あとは布用のマジックペンと、白地のシューズが2足。
特に指定もなく「じゃぁやって」的なスタート。
のぼりも無ければ、ポスターもない。
店の前を行き交う人々は誰も、俺がどこの誰で、何をしている人か分からない。
そうなんだよね。
企画によってはこういう感じのもあるのだ。
ほったらかし。
とにかく、ほったらかし。
できた作品の一つがこの写真。
楽くんがめっちゃ沢山。
もちろんフリーハンドで全部描いている。
オニヅカファンで俺ファンであれば涎ものの作品(のはず)だ。
ただ、誰も俺には近づいてこない。
客は入っているのだろうか。
何のためにライブで靴に作品を描いているのか、俺にはよく分からない。
言われたようにやるにはやるが、どこに向かっているのか、
成功か、不成功なのか、俺には予測もできない。
ただそのときは作品を描くことに集中しすぎていたため
道行く人の視線に全く気が付かなかったが、
彼等の方から見てみたとしたら、だ。
店頭に一人座ってシューズに落書きする、
顔がめっちゃニタついている東アジア人のおっさん…
気味が悪い。
気味しか悪くない。
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