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お店紹介
自家焙煎コーヒーのRencaです。
上の画像の機械は、わたしが使用している焙煎機です。コーヒー専門店にとっては、もっとも大切な焙煎機や珈琲焙煎の話をしながら、自己紹介をしていきたいと思います。
焙煎機との出会い
2010年にRencaをオープンして、早10年になりますが、その前は会社員として働いていました。いつかはコーヒーに関わる仕事がしたいと思い、いろんなコーヒー屋さんの豆を楽しんでいたのですが、趣味が高じて焙煎器具を購入するまでになりました。
コーヒー生豆のセレクトショップから生豆を取り寄せて、自己流で焙煎をしてみるのですが、なかなか上手くいきません。それでも試行錯誤しながら、いろいろな工夫を試みて出来上がったコーヒーを味わいながら、次に焙煎するときの改善ポイントを考えたりするのが楽しかったのを覚えています。
一方、コーヒーの焙煎を教えてくれるお店をインターネットで検索したりもしていました。その当時は、コーヒーの焙煎というものは、まだまだブラックボックスで、素人が簡単には手が出せないものだと思っていたのですが、少ないながらも焙煎を教えてくれるお店を見つけることができたのです。
早速、コーヒー豆を取り寄せてみると、1つだけ今まで飲んだどのコーヒーより格別美味しいコーヒーがありました。早速、そのお店の焙煎教室に申し込んだのですが、これがコーヒーの師匠や焙煎機との出会いのきっかけとなりました。
焙煎教室の思い出
最初は体験教室に参加しました。体験といっても、参加者はコーヒー屋さんの開業を考えている方々で、そのような人たちと一緒に参加することでかなり刺激を受けたのを覚えています。
最初は体験教室なので、師匠の指示に従って焙煎機を操作するのですが、何回か焙煎するうちに、焙煎のことをもっと深く知りたいと思うようになり、結局1年間教室に通って勉強しました。
焙煎教室では、「師匠オリジナルの焙煎機の操作方法」と「その焙煎機を活かす焙煎理論」を、実際にコーヒー豆を焙煎しながら学ぶことができました。
教室で学ぶことは基本的なこととは言え、焙煎理論を学んだことは非常に大きかったと思います。開業直後の苦労も、師匠から学んだことがあったから乗り越えられたと思っています。
師匠の教室を卒業した開業希望者のほとんどは、師匠から焙煎機を購入することになります。その時点で、焙煎機の操作方法はもちろん、美味しいコーヒーを焙煎するための理論も習得しているので、コーヒー屋さんとして成功しているお店が多いのだと思っています。
当店の焙煎機のご紹介
コーヒー豆の焙煎機は、大きく分けて「熱風式」、「直火式」、「半熱風式」の3種類あります。当店では師匠が開発した熱風式の焙煎機を使っています。
以下に熱風式の焙煎機の特徴を記しておきます。これをもって、当店の焙煎機のご紹介にしたいと思います。当店の焙煎機を大まかに捉えて頂ければ幸いです。
熱風式で焙煎されたコーヒー豆は、まろやかな風味になると言われています。コーヒー豆の焙煎において、最も味を左右する重要なポイントは、コーヒー豆の芯まで焙煎処理することです。コーヒーの生豆は硬くて水分を含んでいるため、豆の表面から中心部まで均一に焙煎処理するための、ノウハウやテクニックが必要なのです。
そこが上手くできないと、豆の芯が生焼けになってしまって、「焦げ酸っぱい」や「渋みや雑味がある」といった、不快な味のコーヒーとなってしまいます。
熱風式の焙煎機は、ガスの炎で熱した熱風をコーヒー豆に当てることによってコーヒー豆を焙煎する方式です。直に炎で炙らずに、間接的に炎の熱を生豆に与えるので、豆の表面を焦がさずに徐々に芯まで熱を加えて、豆全体に均一な焙煎処理を施すのに適した焙煎方式となっています。
またエスプレッソには熱風式で焙煎したコーヒーが向いている言われています。以前、勉強のためにイタリアのエスプレッソ用の豆を購入したことがあるのですが、そのときに調べた限りでは、全てが熱風式の焙煎だったです。
これはわたしの勝手な思いですが、エスプレッソのようにコーヒーが濃縮された液体では、まろやかなコーヒー豆の方がえぐみのない風味をだせるのではないかと思っています。最近、エスプレッソを提供する店舗にコーヒー豆を採用してもらったのですが、お客様の評判が大変いいと喜んでもらっています。
また近年目にするサードウェーブというコーヒーですが、かれらも熱風式の焙煎機を使って新しいコーヒーを訴求しているようです。
当店の焙煎のこだわり
上記のように、熱風式の焙煎機は、サードウェーブのような浅煎りコーヒーから、イタリアのエスプレッソの深めのコーヒーまで、あらゆるコーヒーを高品質に焙煎することができます。
焙煎プロファイル(熱の与え方を温度と時間のグラフで表したもの)を変えることによって、いかなるコーヒーへも対応できる熱風式ですが、当店では師匠から学んだ焙煎理論にそった焙煎をしています。
具体的には、
1.長時間焙煎
豆にダメージを与えないよう、じっくりと熱を与えていくことに
よって、「渋みや雑味のない」、「とがった苦みや酸味がない」、
「味づくりができた」コーヒー豆を焙煎することができます。
またコーヒー豆の風味の日持ちがいいように感じます。
2.豆の特徴を生かす
熱風式焙煎の欠点として豆の特徴が分かりづらいと言われていますが、
そんなことはありません。
それぞれの豆が生きる焙煎度を見極めて、焙煎中の豆や釜の状態が
最適になるように焙煎機を操作します。そうすることによって、
熱風式の焙煎でも豆の特徴を生かしたまろやかなコーヒーを作ることが
できます。
3.豆や焙煎機と対話
焙煎理論というと、データを使って自動焙煎するように思われますが、
実際は、全体像は焙煎理論に沿ったプロファイルで、その時々の対処は
コーヒー豆や焙煎機と対話しながらという風にやっています。
なので常にコーヒー豆や焙煎機内部の状態を注視しながら焙煎に
取り組んでいます。
4.ハンドピックを怠らない
コーヒー業界のある大御所が書かれた本に、「一杯分のコーヒー豆に
欠点豆がひとつでもあると味を損なう」と書かれています。
その言葉がわたしの頭から離れず、コーヒー豆の焙煎の前後に
計2回ハンドピックを実施することにしています。
時間がなかったり、面倒くさいと思う時もあるのですが、大御所の
言葉が頭をよぎり、美味しいコーヒーを作るための作業を怠らずに
済んでいます。
以上、お店の簡単なご紹介でした。
どのようなお店か、イメージして頂けたでしょうか?
次回からは、新たにコーヒーを楽しんで頂けるようなヒントとなるような
話題を中心に書いていきたいと思います。