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”幸せの国”デンマーク 「みんなでごはん」から生まれるヒュッゲ

今回は、デンマークのフェレスピースニン*(Fællesspisning)、「みんなでごはん」という文化について書いていきたいと思います。

デンマークの首都コペンハーゲンでは、約2年前から、人々が集まって食事をするのが大きなトレンドになっています。
フェレスピースニンとは直訳すると「仲間と共に食事をする」ということ。家族だけではなく、初めての人も参加して、いろんな人と一緒に食事をするというのがデンマークのフェレスピースニンです。

日本では共食という言葉も使われますが、個食/孤食=一人での食事、寂しい食事、の対語として使われ、かなり広い概念です。英語にも直訳する概念がないデンマークの文化なので、あえてデンマーク語のままフェレスピースニンとしています。


みんなでごはん の先駆け アブサロン

前記事ではコペンハーゲンで一番有名なフェレスピースニン、キリスト教会を改装したコミュニティセンター、アブサロンをご紹介しました。
アブサロンでは様々なイベントも開催しており、卓球やビリヤードで遊ぶ若者や、ビンゴゲームに参加する年配のご婦人まで様々な年代の人が参加しています。地元の人もちょっと遠くの人も、私のように旅行者も参加してヒュゲリな時間が生まれています。

テーブルをシェアする人の分まで、お皿やカトラリー、お水などを取ってくる、食事が終わったら全員分を片付ける、という習慣は、デンマークではエフタスコーレやフォルケホイスコーレなどの学校の食堂でも見られる共通のやり方。食べ物は自分の好みで取りに行きますが、みんなで集まってごはんを食べる、人と集まる豊かさを楽しむ場として、地域の人たちからとても愛されています。


いろいろな みんなでごはん の場

コペンハーゲンには他にもたくさんのフェレスピースニンが存在します。

私がもう一つ参加したのは、Aarstiderne(オースティダネ、季節を意味するデンマーク語)というオーガニックの野菜や食品を扱う会社主催のフェレスピースニンです。こちらはオーガニック野菜を定期購入している人がオーガニックの農場を見学して野菜を味わったり意見交換したり、という場として提供されているのですが、スペースがある限り、一般の人も参加することができます。コペンハーゲン から電車で40分ほどのところにある農場でのフェレスピースニンが有名です。

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私が参加したのはキャベツの漬物を作る発酵コースがセットになったフェレスピースニン。テーブルをシェアする人は一緒にキャベツを刻んだりスパイスを混ぜたり。

みんなでわいわい料理体験をしたら、楽しくごはんの時間。ドリンクは自分で購入しますが、テーブルセッティングとして、お水やカトラリー、ナプキンなどはみんなで準備します。
オーガニック野菜のベジタリアンメニューも楽しみなところ。

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テーブルにはお友達や家族で来ている方ももちろんたくさん。でも、オーガニック野菜への興味や同じ体験への参加など、好奇心を共有するところもあって、テーブルを共有するなかに、いろいろな話ができました。一緒に過ごす喜び、とても楽しい時間でした。


みんなでごはん の良さとは

フェレスピースニンに参加してみると、これが本当に楽しいのです。もちろんそれぞれの場に特化した要素もあるのですが、共通して良いなと感じる点を書きたいと思います。

まず、役割があることで、会話が生まれやすいこと。
テーブルセッティングや食べ物を取りに行く、お代わりをお願いする、など、食事にまつわる部分ではいくつものお仕事があります。
セルフサービスでは、自分の食べ物や飲み物は自分で取りにいきます。別に問題はないんですが、それだと周りの人との会話は生まれないんですよね。食卓を共有する人と、一緒に会話が始まる。そのことによって、食事を始めてからの会話も、広がっている気がします。

さらに、一緒に作業して、一緒に食事を始めるということ。
テーブルセッティングをして、みんなが席について、お水もあるよね、食べ物もある、ではみんなで、いただきます!という流れがあるので、みんなでやり遂げた感があります 笑。自分も、その場の一員として参加している感じが強く感じられると思います。


垣根が低く、いろんな人を受け入れてくれる。レストランのようにかしこまる必要はない。家族や友人と参加しても、他にもいろんな人がいるので、様々な会話も生まれる。

人と一緒に過ごす時間は豊かな時間、
一緒にごはんを食べるって、幸せなこと。

それをしみじみと感じることができる文化。
デンマークのフェレスピースニン、幸せな気持ちになれる素敵な場です。


私が主催するヒュッゲを味わう会も、みんなでごはん方式です 笑。
ぜひ東京にいらっしゃる方は味わいに来てくださいね。



* これまでイベントや記事でコミュニティ・ディナーという訳を使ってきましたが、人と食事をするというデンマークの文化としての意味をより忠実に表すため、フェレスピースニン=みんなでごはん に統一します

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