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伸びつづけるアパレル二次流通は、一次流通にどう影響する?

近年は二次流通(大まかにいうと「中古品販売」)が非常に伸びており、国内市場規模で見ると、5年で1.5倍の成長を遂げる見込みです。また、部門別の前年と比較したときの伸び率は、アパレルが1位でした。

このように勢いを増すアパレル二次流通ですが、ブランドやサービスの事例はどのようなものがあるのでしょうか?また、一次流通は二次流通にこのまま押し負けてしまうのでしょうか?詳しい定義や市場規模も含め、まとめてみました。

一次流通と二次流通

そもそも流通とは、生産者から消費者まで、商品が届く一連の流れをいいます。

その中で一次流通とは、つくられた商品がほかの消費者を経由せずに(つまり新品の状態で)、消費者の手に渡ることをいいます。私たちが普段する買い物の多くは、この一次流通です。

それに対して二次流通とは、一度市場に出た商品が再び販売されることをいいます。慣れ親しんだ例としては、古本屋さんや古着屋さんでの買い物がこれに当たります。

最終的な消費者に渡る商品は、一般的に「中古品」ですが、市場に出たものの消費者の手に渡っていない「新品」の場合もあります。このような事例は、商品をつくりすぎたり仕入れすぎたりして、店頭で売れ残ったときに多く起こります。(Renameではこのことを「新品二次流通」と呼んでおり、Rename自身もこれに当たります。)

国内・海外のアパレル二次流通の市場規模は?

国内のアパレル二次流通の市場規模
2017年の日本の二次流通の市場規模は、前年比12.3%増の1兆9,932億円。2桁の市場成長は2011年の10.0%以来、6年ぶりとのことです。この背景には、フリマアプリの飛躍的成長があります。2021年にはフリマアプリのようなCtoC市場がBtoC市場を上回り、2022年には二次流通の市場規模は3兆円にもなると予想されています。

さらに、二次流通市場に占めるアパレル(衣料・服飾品)の割合は、2,743億円に拡大しました。前年比46.8%増という数字は、2位のベビー・子供用品の36.7%増を大きく引き離して堂々の1位です。

これらのことから、今後も日本の二次流通市場は圧倒的スピードで成長し、その中でもアパレル分野には大きな可能性があるといえるでしょう。

(リサイクル通信「《データでみるリユース市場 最新版》中古市場2兆円時代に ネット市場がリアルを超える」より)

米国のアパレル二次流通の市場規模
米国発の洋服フリマアプリ「ThredUP」の2019年版Resale reportによると、「米国内のアパレル二次流通市場は約5年で2倍にまで成長し、2028年までにはファストファッションのほぼ1.5倍になる」という予想もされています。

(ThredUP「2019年版Resale report」より)

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アパレル二次流通のブランド・サービス事例~国内~

国内古着売上ランキングで1位を独走「2nd STREET」
日本を代表するアパレルリユースショップ「2nd STREET(セカンドストリート)」リサイクル通信によると売上高は525億円で、2位「ZOZOUSED(現・ZOZO)」の163.7億円を大きく引き離し、まさに他を寄せつけない結果となりました。海外進出にも乗り出しており、2020年2月には米国6店舗目をオープンしました。

“ハイブランドをリーズナブルに”がユーズドで叶う「RAGTAG」
デザイナーズブランド専門のユーズドセレクトショップ「RAGTAG」は、ハイブランドをリーズナブルな価格で提供します。取り扱いブランドは5000種類以上と品揃えは豊富で、ユーズドでネックな品質の面も、手作業での丁寧なチェックとケアにより保証されています。また、プロの目によって偽物は徹底排除し、本物のみが揃っています。

二次流通の市場拡大を支える日本最大フリマアプリ「メルカリ」
日本最大のフリマアプリ「メルカリ」は、先に述べたアパレル二次流通のCtoC市場を押し上げるサービスの代表格と言えるでしょう。スマホ決済「メルペイ」や画期的な配送サービスなど、次々と新サービスを打ち出すことからも注目を集めています。2019年11月には「メルカリ総合研究所」を設立し、二次流通市場の可能性を探る研究に力を入れています。

アパレル二次流通のブランド・サービス事例~海外・米国~

スニーカーの時価に合わせた適正価格取引「StockX」
「StockX(ストックエックス)」は2015年に米国ミシガン州で設立された、プレミアムスニーカーのオンラインマーケットプレイスです。当初はスニーカーのみの取り扱いでしたが、現在は時計・バッグ・衣料品など、その他アパレルアイテムも加わっています。人気の秘密は、スニーカーの価格変動率や市場価値がわかることで、適正価格での取引が可能なこと。2020年近日中に日本版が公開されることも話題になっています。

本物にこだわるサスティナブルブランド「The Real Real」
2011年に米国サンフランシスコで設立された、中古品ラグジュアリーブランド「The Real Real(ザ・リアルリアル)」。その名の通り、本物であることが証明された商品のみを取り扱っています。「サーキュラーエコノミー(循環型経済)」をビジネスモデルに導入していることから、サスティナブルな企業としても注目を集めています。

高品質な中古品取引を実現する世界最大フリマアプリ「ThredUP」
米国サンフランシスコ発の世界最大フリマアプリ「ThredUP(スレッドアップ)」。メルカリのように消費者同士が直接取引するのではなく、出品された商品を一旦自社倉庫に集め、自社で売り配送もおこなうという仕組みです。これにより、中古品でも質を担保し、サイト上での商品の見せ方や値付けなどの統一が可能になりました。

米国最大の大型百貨店ノードストロームもリセールに参入
2020年1月、米国百貨店チェーン「Nordstrom(ノードストローム)」がニューヨークのウイメンズ館に「シー・ユー・トゥモロー」というリセール売り場を新設しました。特徴は、一般の古着屋ではお目にかかれないブランドが揃っていること。また、汚れやほつれはお直しされたりクリーニングされたりした後に店頭に並ぶため、商品の状態も良いです。オンラインでの販売や買取受付など、新たな取り組みも進めていく予定で、今後の動向に注目です。

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二次流通は一次流通の味方にもなれる

近年の二次流通の盛り上がりのため、一次流通が低迷するのではないかという声もあるようです。しかし、「少し高いけど、メルカリで売ればいいから買おう」というように、二次流通の存在が消費者の購買意欲を後押しする可能性もあります。二次流通が一次流通をも巻き込んで、今後も市場を拡大することに期待です。