62.たぬき公園
きのう揺らしたブランコは雨で濡れてしまったよ。
今日は何をして遊ぼうか。
と平気な顔で話しかけられたらいいけれど、
本当は言いたかったことがあるの。
悲しさのわけは分からないけれど、
君が泣くのは嫌だから
代わりに僕の痛みに変えて泣いておく。
僕は君じゃないのにね。
ごめんねも言えないまま帰っていく僕らは
あのたぬき公園のブランコと同じ。
いつまで経っても
僕らは交互に揺れて
どこまで行っても
平行線の空の下
一個の夜を超えて
雨に降られたブランコは
僕らの跡を洗い流して
二つ隣り合ってぶら下がっている。
なんだ本当は仲良しだったのか、