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Echoes of Life は生きることの価値創造

お久しぶりです😊
前回から1年以上経ってしまいました。
羽生さんの結婚のNEWSから様々なことがあり、名作『RE_PRAY』を考察できないまま、『Echoes of Life』を考察することになってしまい、甚だ自分の生き方を反省せざるを得ません。そういえば、『GIFT』の考察もしていませんでした。
長い文章を書き、投稿後にも推敲が出来るこちらツールが私には向いていると思うので、こちらの方が自分の本拠地になると思っていたのですが、情報を追うためにSNSを使うことが第一優先となり、"はにゅ活"なるものを形にしたいという欲求も高くなり、𝕏とYouTubeやInstagram、Tiktokへの投稿に時間を割いた一年でした。そして、遂に𝕏で長い文章を書き、投稿1時間以内に推敲するチャンスを与えるという罠に嵌ってしまいました。長い文章を1つの画面でみれる快適さもあり自己満足していますが、意外にもTLの皆さんはそんなに長い文章は好まないことが分かりました。しかもTLでは数行しか表示せず、続きはタップしてご覧下さい仕様になっています。今までは140字に収めることに時間を費やしてきましたが、課金してからは最初に何を書くかに主眼を置くことになりました。
と、前置きがだいぶ長くなりましたが、参考資料を読み漁ってから投稿しようと思うあまりに、『Echoes of Life』の考察というか、感想文を投稿するのが大変遅くなりました。仕事が忙しかったのも言い訳に入ります。部屋は片付いていませんが、ようやく向き合う時間が取れたのでここに戻って来れました(笑)。

𝕏では感じたことを少しづつ投稿することで考えを纏める手段の1つのにしようと思い、既に何個かのポストはしました。また、TLの方々の感想や意見を参考にしたいというのもあり、初見の感想というより、だいぶ熟した感じになると思います。
私はお陰様で埼玉公演は3公演現地参加し、12/7公演のディレイビューイングを見に行くことが出来ました。
いずれもSS席で、12/7は機材開放席でロング側ショート寄り3列目で割と羽生さんを間近で観ることが出来ました。12/9も機材開放席でショート側10列目で映像を正面で観れる快適さとすぐ後ろに機材がある為、観覧するのにストレスフリーでした。12/11はロング側舞台寄りの5列目だったので、バラード1番の4T-3Tのジャンプするエリアであり、ジャンプノーミスの大興奮を味合うことが出来ました。また、ディレイビューイングやTELASAで見え方の補完をすることができる贅沢な環境に感謝せざるを得ません。SS席という羽生さんの演技を比較的間近に3方向から観ることで、ストーリーや羽生さんの演技に没頭できたことは、現地観戦としてはとても良かったのですが、TELASAの正面4階席カメラの映像は、思わず『うわぁ』という声が出てしまうくらい壮観でした。
私が最初に『Echoes of Life』というタイトルを見た時に想像したのは、echoの意味について。医療職の私は、診断で使っている機械のエコーを思い浮かべました。エコーのシステムは割愛するとして、一番身近なのは胎児のエコー画像のプリントなのではないでしょうか?残念ながら私は妊娠したことがなく、自分の子供のエコー画像なるものを見る機会はなかったのですが、もしその体験をしていたらさぞかし感動したんだろうなぁと想像したら胸が熱くなりました。
その次に、木霊。木霊と言ったら、『もののけ姫』に出てくる木霊。

https://dostoev.exblog.jp/10875881/

羽生さんの演技の中で、"首コキ"という振り付けがあって、思わず、『木霊の首コキを演ってくれた!』と胸中で大騒ぎしていました(笑)!!
次に、響き、残響というワード。清塚信也さんがパーソナリティを務めるEテレの『クラシックTV』に羽生さんが出演した時のこと。『バラード1番』のコーナーで羽生さんがピアノの音の粒立ちの話題をされていて、それを視覚化されたのが、『GIFT』の『バラード1番』の映像でした。

SHIBUYA TSUTAYAにて撮影

光の粒の中でバラード1番を演技する羽生さんの映像のインパクトが私には強く残っていて、『Echoes of Life』では、バラード1番をセトリに入れて来るだろうなと予想していました。
と、言う事で、セトリをご紹介します。

【 セットリスト 】
1.First Pulse
2.産声~めぐり
3.Utai Ⅳ-Reawakening
4.Mass Destruction-Reload-
5.ピアノコレクション(5曲)
6.バラード1番
7.Goliath
8.アクアの旅路
9.Eclipse/blue
10.GATE OF STEINER -Aesthetics on Ice
11.全ての人の魂の詩
エンディング:Nova
アンコール
  1.レット・ミー・エンターテイン・ユー
  2.阿修羅ちゃん(12/9 Megalovania)
  3.SEIMEI
周回:私は最強

セトリの初見の感想は、とてもバラエティに富んでおり、『飽きない』でした。あと、30歳を意識したのか?『大人な曲たち』でした。今回のセトリはスムースに決まったとパンフレットに書いてありましたが、セトリをあらためて確認してみると、アニメーション、映画、ゲームに使われた曲とクラシックのピアノ曲、著作権フリーの音源、書き下ろし曲でした。同じ曲でも音源への拘りが羽生さんは元々あるし、著作権問題もあるので、アニメーションの方の音源か?映画の方の音源か?どのアレンジを使うかなど、原作を知り尽くしている人にとっては唸る選曲だったようです。また、ピアノコレクションは、清塚信也さんが新たに演奏された音源を使ったのは話題になりましたね。また、もっぴーさうんどさんの曲はYouTubeでもお馴染みですが、新たにアレンジしてもらったとのこと。更に、今回、プログラム自体が初披露のものが多く、書き下ろし曲が2つもあったことは、アイスストーリーシリーズでは初めてのことだったと思います。
インタビューで、羽生さんご自身が産まれて間もない頃は、言葉を音として感じていたというエピソードがあり、それを体現したであろうピアノコレクションが最も感激したプログラムです。また、『Utai Ⅳ -Reawakening』は初見では舞踊のイメージからオリエンタルな印象を受けたので、羽生さんが今まで使って来た曲とは違うジャンルだなと思い、とても新鮮さを感じました。でも、あとから色々と調べてみたら、ブルガリアンボイステイストからの派生で、民謡歌手の『西田社中』さんというグループが歌う大和言葉の歌詞であり、使った楽器は東洋の太鼓を中心としているそうで、実は和風テイストでした(笑)。この曲は、ハリウッド映画版の『GHOST IN THE SHELL』のエンディング曲で、劇中でも主人公のミラ・キリアン少佐が義体化した体を再生させる時に流れる曲です。この曲は、今回のIce storyの核になる曲だと思います。何故なら、原作自体も『わたし』とは何かを問う哲学的なテーマだということと、台詞の中に『人は記憶が己を決めると思っているが、私たちを決めるのは何をするかだ。一人ひとりに与えられた人間性こそ美徳。それを次に伝えていくため、私のゴーストは生き残った。私は自分が何者であるかを知り、己の使命を知った。』というのがあります。『Echoes of Life』でも、記憶は過去で、何のために生まれてきたという使命が運命であり、望むのは未来だという主旨の台詞があるので、共通しています。
更に、この原作では、パラダイムシフトをするには、生命体を自分の個体のコピーではなく、違う個体との融合を行い、一度死んで別の個体を新たに造る(子孫を残す)ことだという結論に至りました。その主旨のことが『Utai Ⅳ -Reawakening』の歌詞に綴られています。

【 歌詞 】
吾が舞えば(アガマエバ)
麗し女 (クワシメ)
酔いにけり(ヨイニケリ)
吾が舞えば(アガマエバ)
照る月(テルツキ)
響むなり(トヨムナリ)
夜這いに(ヨバイニ)
神天下りて(カミアマクダリテ)
夜は明け(ヨハアケ)
鵺鳥鳴く(ヌエドリナク)

吾が守るものは(アガモルモノハ)
天下りて(アマクダリテ)
来たる(キタル)
雷命(イタヅチノミコト)
吾が身は(アガミハ)
絶えつとも(タエツトモ)
溢る(アブル)
永久に咲く(トコシエニサク)

この歌詞の『夜這い』は結婚という意味で、原作の映像ではKissする場面がありました。
また、実母と娘、自分を造った母なる者との愛のストーリーがあります。また、ラストには主人公が、前世である『草薙素子』の墓参りをする場面があります。これらは、『Echoes of Life』においては、手に握っている大切な言葉『愛してる』や主人公の『Nova』くんが人間だった頃のストーリーに養育してくれた女性、その人は母親のモチーフだったり、引き離されたVHGの女性設定が、違う遺伝子を持った者との融合の可能性が示唆された、つまり、愛し合った恋人のモチーフでもあったと想像できます。『Echoes of Life』の後半のプログラムには、『ダニー・ボーイ』であったことも裏付けの一つで、この曲は戦地へ旅立った息子への母親の想いを綴った歌詞があり、その中に『Aveを唱える』というのがあります。これは聖母マリアへの祈りの言葉です。そして、このプログラムの最後に『ハート』を示す指の振り付けがあり、まさに『愛』を象徴としています。
以上、『Utai Ⅳ -Reawakening』が『Echoes of Life』の核になる曲だということを考察してみました。始めの登場シーンも『GHOST IN THE SHELL』の映像寄りになっており、カプセルの中に首に接続する電線が張り巡らされているのも、モチーフに使われていると思います。
また、『Echoes of Life』は、生きることの意味を問うていますが、中盤に"どうせ死ぬ運命なら生きる意味がない”と言う場面があります。でも、『Utai Ⅳ -Reawakening』で云う、我が身は死んで、子孫を残すからこそ、未来永劫に発展していく。ここに、命の答え(他にも劇中に要素は含まれている)があり、その様に哲学することに価値創造があると思います。
羽生さんが埼玉公演3日目の最後のMCで『長く生きて下さい』は深いですよね?命がある限り、自分の使命を自覚し成長できるし、自分のレガシーを遺せる。だから長く生きて欲しいと。加えて、死んでも応援できることも示唆しており、羽生さんが観客へ感謝の挨拶とお辞儀をした最後に、いつも天に向かって口パクをしていたのは、空に旅立った応援者たちへ、感謝の言葉を伝えていたのだとようやく理解できました(遅)。あるカメラマンが何かと通信している様だとレポートしていたのに惑わされていました(笑)。
という訳で、その他のプログラムのことや、衣装のことなどのテーマに触れるには相当時間がかかりそうなので、一旦、この回は終了とし、後日続きを書きたいと思います。

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