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恋とはなにか
冬が近づくにつれて、シンプルな表情が増える。
感情を表に出すことのエネルギーを、寒さに耐えるためのエネルギーに使ってしまうからである。
冬になると、人肌が恋しくなる。物理的にも精神的にも、寒さをしのぐためである。
恋人がいるのに、無性に、恋をしたいと思うことがある。
恋人の温かさでは、今年の冬を乗り切れない、と毎年思う。
恋人から家族になるとき、人の恋は愛に変わるのだと言う。
愛を感じながらも、もう一度、恋の緊張を味わいたいと思う人は実はかなりいるのではないだろうか。
恋の緊張の真っ只中にいても、別の恋を求めてしまうときが往々にしてよくあるからである。
だから、「上手くいっている恋」など、存在しないのではないかと常々、思う。
小手先のテクニックで自分をなんとか騙しながら、ひとりの相手と向き合う努力が、「上手くいっている」ように見せているだけ。
寒さで手がかじかむなかで、口角を上げる気力が、短いスカートを履く気力がなくなったとき、そこに恋はもうないのである。