『伝習録』(でんしゅうろく)を知る⑬:読書と講演会、解読力と認知の拡大
『伝習録』での知行合一。
王陽明と弟子たちは対話を通じて、知行合一が実践によって真の知識が得られることや、理論と実践が結びつくことだけでなく、感知と反応が統一されることであると結論づけました。
多くの人が明らかな理論を知っていながら生活がうまくいかないことがあります。これに対して王陽明は、「未有知而不行者、知而不行、只是未知」と述べました。
これは、「知っているのにできないことは、知らないことと同じ」という意味で、本当に何が良いか、善であるかを理解した者は、必ず行動に移すだろうと述べました。
もし行動しなかったら、その唯一の理由は、その者が理論を知っているにもかかわらず、それを本当に受け入れておらず、心から理解していないことだと述べました。
「実践していないこと、行動に移せないことは、それを心から理解していないこと、真正に認識していないことが原因です。
しかし、深く理解できることは、必ず実行できます。知と行は陰陽のように、一体の二つの側面であり、分離することはできません。実行されていない知は、真の知識ではありません。
天理(人為でない天の正しい道理)を意識、思考、言葉、行動に実践することで、表裏一致、言行一致するようにすることを「合一」である。」と述べました。
…