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実生活ではカミングアウトをしていません
意外にも、ここで赤裸々に書いているのと真逆で、
リアルでは私の状況を家族を除いて周囲に一切カミングアウトしていません。
理由は、素性を明かすことのデメリットが大きかったからです。
正直、昨今はLGBTへの配慮が少し無理矢理気味にされていると感じます。
マイノリティを打ち明けることが美化され、当事者が差別されにくい風潮があるのは良いことだと思いますが、逆に腫れ物に触るような対応をされてしまい、申し訳なさを感じることも多々ありました。
しかし、私のようにそこから少し外れている場合、理解されず問答無用で「変態」というジャンルになるため世間的にはあまり歓迎はされないのです。
実はホルモン治療をしていた学生時代に一度、
トランスジェンダーとしてのカミングアウトを周囲にしましたが、それ以降は控えています。
その時と今は全く状況が違うからです。
私自身、今はホルモン治療を中断していて戸籍上は男性なので、便宜上「ゲイ」という言葉を使っていますが、私たちの関係は一般的に想像するものと少し違うかもしれません。
私たちは普通の恋愛関係というよりも、居場所のなかった私が、SNSで知り合った歳の離れて包容力たっぷりの彼から離れられず、
半ば「住み着いてしまった」ような形で始まりました。
それから1,2週間ほどは彼の家(主にベッド)に住んでいましたが、一度引越しのため元の家に帰らなければならなくて、別れ際には電車でポロポロと泣いてしまいました。
それを見た彼は私を
どうしようもない「子犬」
として迎え入れてくれました。
そう、私はペットなのです。
↑その時の不思議な暮らし。
昔なら、私のような存在を良くも悪くも
「オカマ」という一言で片付けることができたのかもしれませんが、今はジェンダーアイデンティティが細分化され、選択肢が増えたことで、かえって当事者として自分をどう定義するのか難しいと感じることもあります。
以前彼との関係をカミングアウトした結果、
私に恋愛感情を寄せていた...らしき友人たちからは陰で
「戸籍を変えないと本気じゃないよね」
「服に男の性液が染み付いてそうで気持ち悪い」
「男か女かハッキリせず、紛らわしい格好をしているのが悪い」
「ホモビ⚫︎チ」(これはあながち間違いではない)
マイルドにするとこんな感じのことを色々言われたこともあります。
そう言われて確かに紛らわしい自分も悪かったかも...と思って言い返せず、でも人の醜い面に触れてしまい言葉にできない悲しい気持ちになったりもしました。
それには流石にパートナーも怒って、
たったこの一言だけで友情がなくなったこともありました。
かと思えば逆に配慮させすぎてしまったりと、
人間関係がややこしくなるのでそれ以来、私の口からは何も言わないようになりました。
その後も、確かに私が中途半端な体でいることは度胸がなくてよくない、
ずっとそう思っていました。
そういう経緯もあり
以前なら、性別を男か女かに決めず
「X」という言葉に頼ることがある種の逃げ、甘えのように感じて悩んでいたかもしれません。
しかし彼と
「それ、邪魔でしょ?切ってあげるよ」✂️
「だめぇ!!」
…とふざけて変な遊びをしているうちにあまり気にしなくなりました。
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これまで私自身こそが
L・G・ B・ T 男、女
と、分類わけに拘り過ぎていたのかも。
最近では何者かに定義して何かになろうとせずに、私は私でいいんだ。
少しづつですがそう思えるようになってきました。
・・・でも色々隠しておいた方が都合がいいのでやっぱり秘密ですが。
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