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#恋愛
《小説》赤と青の交差の先に1-3
「驚いたなぁ。まさか同じ最寄り駅とは思わなかったよ」
ワハハと笑う康介の顔を見て、はは〜と愛想笑いになる私。
話す度に緊張しそうな私は早くこの場から逃げ出したかった。
「すみません。もうここで大丈夫ですので」
そう告げ、足早に帰ろうとするが腕を掴まれ引き止められる。
「……よく見ると綺麗な顔立ちしてるんだな」
「なんですかいきなり」
「褒めてるんだけど? そこは素直に受け取ろうよ」
そう言われ渋々
《小説》赤と青の交差の先に 1-2
仕事終わり、夏海は友達に合コンに誘われたと目を輝かせながら私に報告してきた。一緒にどうかと誘われたが、やんわりと断った。
今日は10時からの恋愛ものドラマの第4話。大好きなドラマだ。録画もするが毎回オンタイムでお酒片手にテレビに齧り付いてみている。男には恐怖心しかない私だが、ドラマは別だ。あんな風に綺麗な恋愛だけが出来たらどれだけ幸せだろうか。
時刻は8時過ぎ。少しだけ残業があったが、真っ直