#9 恋庭で学ぶ「許す!」のススメ(その2)
「許す!」の手順(プロトコル)
前回のチャプターでは、恋庭をより快適にプレイするための「許す!」という気構えを得る(取り戻す)ための前提の話をしました。
今回はそれを踏まえて、実際にどんな手順を踏めば快適に「許す!」ことができるのかを提案していきたいと思います。
結論から書くと、「許す!」は「前提を許す」「相手を許す」「自分を許す」の3つの構成要件によって成り立ちます。
前提を許す!
このうち「前提を許す」については前回すでに書いたとおりで、そもそも恋庭はデフォルメされたコミュニケーションツールだから、こっちの思いが全て無条件に相手に伝わるもんじゃないよね、という前提を認め、そこに「自ら望んで身を置いている」という状況を許すことです。
これがどうしても肌に合わないなら、次善の策として「恋庭は自分にとってストレスを生み出すツールである」ということを認めた上でプレイを続けるか、恋庭自体をアンインストールするかの選択をしなければなりません。
やむを得ない場合は無理しないのが一番です。
相手を許す!
ここからは前回使ったモデルケースを引用して、簡潔に「相手を許す」の例を提示していきます。
①「恋愛目的でマッチングしたんだから、当然会話をお互い広げていく努力をすべきだ」
②「ゲーム目的でマッチングしたんだから、当然『会ってみよう』とかいう話はするべきではない」
③「恋庭を二人でやっていくんだから、当然最初のホウレンソウぐらいはすぐに収穫すべきだ」
これらはいずれも、Twitterを眺めていると比較的頻回に目にする「恋庭をプレイしていて感じるストレスの事例」ではないかと思います。
まず①〜③については、すべて「こちらが設定した価値観」「自分が持っている考え方」です。
言ってしまえば、お相手はこれに従う義務を負っていません。
少なくとも、あなたから「こういう感じでやりませんか?」という提案をチャットで明らかにされるまでは。
①のお相手は恋愛目的だからこそ、話題を提供する努力をしてくれる人を探しているのかもしれません。
②のお相手は、ゲーム仲間同士でオフ会をよくやる文化で過ごしてきた人なのかもしれません。
③のお相手はマッチングはしたけど、その瞬間仕事中だったりスマホを閉じている状態なのかもしれません。
他にも、考えればお相手が「こちらが設定した価値観」に従わない(従えない)理由はいくらでも考えられます。
そして繰り返しますが、お相手があなたの価値観に合わせる義務はありません。
と、なればこの①〜③のケースでは、まだお相手となんの話し合いもしていない段階においてはひとまず「相手を許す」のが得策となります。
そして、相手を一旦許した上で、相手に具体的な提案や話し合いを持ち掛けましょう。
これがおそらく、「許す!」の正規のプロトコルになります。
自分を許す!
これが一番大事です。
相手を許すよりも、ずっともっと優先すべきことです。
どういうことかと言うと、上で示したように「相手に〇〇すべき!(すべきでない!)を求めている自分を許す」のです。
え?と思われるやも知れませんが、お相手があなたの価値観に従う義務がないのと同様に、あなたも自分の価値観を捨てたり、お相手の価値観に従う義務はありません。
そのままでいいのです。
なんかモヤッとするなぁ!
なんかイライラするなぁ!
なんか腹立つなぁ!
と感じるあなたのままでいいのです。
あなたに課された唯一の義務は、その自分の感情を自分でキャッチして、そして許すことです。
ああ、自分はこういうときに、こうしてほしいと感じるんだなぁ。
それが裏切られると、モヤッとしたりイライラしたりするんだなぁ。
これをそのまま肯定しましょう。
そして、一息ついたらお相手に「自分はこう思うんだけど、どうしましょうか?」と提案すればいいのです。
相手に自分の価値観を話すには、まずは自分で自分の価値観を認めて許さなければなりません。
一番悪手なのは「なんでわかってくれないんだろう……普通こうするよね……」と、何も語らずに一人で煩悶とすることです。
その苦悩は、恋庭の特性によってデフォルメされ、相手には一切通じないと考えるのが妥当です。
アバターのあなたは、依然としてオシャレで笑顔ですから。
「許す!」のススメ
かくして、前提を許し、相手を許し、そして自分を許せた暁には何が残るでしょうか?
そこには、自己の発見と、建設的なコミュニケーションが残ります。
恋庭のコミュニケーションツールとしての特性を理解さえしておけば、ここの話し合いをするには全く支障がないことに気付くはずです。
丁寧に提案して、相手に考えてもらう。
もし交渉が決裂すれば、庭を解消する。
庭解消にもし罪悪感を感じるような場合は、それこそ「自分を許す」の出番です。
ああ、自分はこの相手とは恋庭を続けられないんだな、仕方ないな……と、自分を許せばいいのです。
何人たりとも、あなたを責めはしません。
あなたは、あなた自身によって許されたのですから、それでもういいのです。
強いて言えば、この「許す!」のプロトコルは「すべてのコミュニケーションと決断についての責任を自分が負う」というもう一つの前提を持っています。
相手のせいにはできなくなる、ということです。
だから、例え失敗や反省があっても「自分を許して、それを受け入れる」というステップを踏むことが可能になるわけですね。
さて、久し振りの投稿でしたが、いかがでしたでしょうか。
この「許す!」のススメが、皆さんの快適な庭生活の何らかの助けになることを祈っておりますm(_ _)m