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原油でバブル狙いや!

原油の値下がりがえぐい。どれくらいかというと、マイナスの値段をつけるほど。売り手が買い手にお金を払って原油を受け渡すという以上な事態だ。なんでこんなことになっているのか?

ニューヨークの原油先物相場で、初めて0ドルを割り込んだのは20日。世界経済が急停止しているせいで、本来は消費される原油の保管場所がなくなるという思惑から投げ売りが加速した。

 WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート。下記参照)という原油の指標がありまして、例えばこの間までは1バレル=18.27ドルで取引を終えていた(この時点でもだいぶ低い)けど、20日はマイナス37.63ドルにまで沈んだ。これは、さっきいった売り手が買い手にお金を払って受け渡さなければならない状態。

◯ウェスト・テキサス・インターミディエイト(英語: West Texas Intermediate, WTI)
 アメリカ南部のテキサス州とニューメキシコ州を中心に産出される原油の総称。(1つの油田原油を表すものではない。)アメリカ国内で産出される原油の6%・世界で産出される原油の1~2%ほどを占める。まあまあなウェイトだ。ガソリンや石油製品の製造に適したAPI39.6度(比重0.827)の軽質油。

 この歴史的安値は、買い手がどう原油処理すればよいのかさえ分からない状態ってことを示してる。

コロナウの感染拡大を抑えるため、世界各地で何十億人もが外出を控える→世界が原油を使わなくなる(でも原油は生産され続けてるよね)→製油所や保管施設、パイプライン、海運タンカーさえ、急速に貯蔵の限界に近づいている。

カナダの生産業者も、油井の閉鎖を急いでる。けれども間に合わなくて、原油やガソリン、ジェット機燃料とかいった石油製品の保管場所が足りなくなっている。

これはトレーダーにとっては好機でもあるのよね。一部のトレーダーはタンカーに原油を満タンに積んで漂流させたりしてる。いずれコロナが終息して価格が一気に盛り返した時に売る、っていう賭けだ。あるエコノミストも「貯蔵場所を見つけられれば、大もうけできる」と言ってたりする。

で、海上に目を向けるトレーダーが増えたことで、大型原油タンカーの船料が急騰してる。おもろいよね。

WTIについてもうちょい詳しく↓

WTIの価格は世界の原油価格の中で最も有力な指標。実際のWTIの一日あたり産出量は100万バレルに満たないのに対し、WTI先物の一日あたり取引量は100倍の1億バレルを超え、価格の大きな変動(中でも値上がり)は世界経済に直接大きな影響を及ぼす。このように、取引量に比べ産出量はごくわずかのため、実際には、他の原油をWTIと同質となるようにブレンドしたもので受け渡しが行われる。
ちなみに、日本の主な輸入原油(中東産)はアラブ首長国連邦ドバイ産の原油(こちらは重質油)価格に左右されるが、このドバイ産原油価格自体もWTI価格に大きく左右される。

 

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